ため息をつきまくっちゃうほどの黒湯につかってから、店員さんがひたすら「がむしゃら」な居酒屋へ 新馬場【連載】新!東京湯巡り、徘徊酒(9)

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ため息をつきまくっちゃうほどの黒湯につかってから、店員さんがひたすら「がむしゃら」な居酒屋へ 新馬場【連載】新!東京湯巡り、徘徊酒(9)

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島本慶

コラムニスト、ミュージシャン

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昔ながらの銭湯でひとっ風呂浴びたら、歩いてなじみの居酒屋へ――。銭湯巡りと飲み屋歩きをこよなく愛するコラムニストの島本慶さんが、東京の魅力的な銭湯と居酒屋のハシゴ歩きへお連れします。第9回は、品川区の新馬場からスタートです。

ロッカーは裏側に100円入れるタイプ

 品川駅から京急線で新馬場駅へ。第一京浜と山手通りの交差点をちょいと左に行った先にある「天神湯」に入ります。

 これがなかなかキレイな構えで、「えっ?」と声を漏らしてしまうくらいのゴージャス感。

 下足札を持ってフロントへ。

 ほぉ~、券売機が無いってのがいいねぇ。フロントで、マスクをしたお兄さんに470円を払い、下足札を持って脱衣場へ。

 さてこのロッカーが問題ですよ。ヌギヌギして鍵をかけようとすっと、アレレ……これがなかなかかからない。

 壊れてんのかと思い、隣のロッカーに入れ直します。

 でもダメ、困ったなぁと思ってると、そばにいたお兄さんが教えてくれます。裏側に100円入れなきゃダメってことを。

 何それ、何の説明も無いじゃんと眉をしかめつつ100円を入れました。

 さて、洗い場は静かでキレイ。

 カランを確保して体を洗い、見れば気の効いた良さげなシャンプーとボディーソープが置いてあります。見渡せば、サウナが無いのがいいねぇ。

 体と頭を洗い、さてお目当ての黒湯に入ります。これがぬるくていいねぇ。

 少し匂うのがまさに天然温泉ですよ。

 しばらくつかってると、ジワァ~ッと汗を拭き出します。これですよこれ。シャワーで流して別のノーマルな浴槽に入りジェットを腰、背中に当てまくりウットリ。これもぬるくていいっすよ。

 てなわけで、よおくフキフキしてから脱衣場に出てロッカーを開けると、ん? 戻る100円が2個。

 えっ、こういうオチか。

 有り難や有り難や。あ~いい気分。

 さてと、身支度を調えて外に出ます。

 夜風に吹かれながら裏道を行くと、おぉっといい嗅覚してるねぇ! いい感じの通りに出ましたよ。

 何々?「北馬場参道通り商店街」ですか。こりゃいいやってんでブラブラと駅に向かって歩きます。

新馬場の居酒屋「北品川 がむしゃら」の店構え(画像:島本慶さん制作)



 すると右側に「北品川 がむしゃら」(品川区北品川)っつう居酒屋を発見。なかなかいい雰囲気を漂わせておりますよ。

ひょっとして大当たり?

 けっこう込み合ってますが、私、何とかくの字のカウンターの左奥に座らせていただきました。

 カウンターの中は働き盛りのお兄さんがふたり、騒がしそうに動き回っております。それこそ「がむしゃら」みたいです。

 まぁとにかく、生ビールの中(550円)頂きましょう。

 ッカー! ウメェ! グビグビいっちゃいます。

 でもって目の前のメニューを拝見。するとサクッとお通し(350円)が出されて、見ればキャベツにキュウリ、プチトマトのサラダ? それをみそにつけて食べるみたい。

 なるほど。

新馬場の居酒屋「北品川 がむしゃら」の人気メニュー(画像:島本慶さん制作)



 じゃあこの「旨辛カツ」(190円)と「デミ味噌カツ」(190円)、「赤ウィンナ」(150円)、「キス大葉」(180円)、「海老」(200円)を頂きましょう。

 これがなかなかビールに合います。生ビールをおかわりしてと、お通しの野菜もペロッ。それと、「山芋の鉄板焼」(480円)ってのもお願いします。

 これが何と、フワフワでうまい! もんじゃ焼き用の小さなコテを使って食べるんだけど、なかなかのスグレモノ! この店って面白いなぁ。ひょっとして大当たり?

 とそこへ、お客さんが入ってきます。何とお2階にテーブル席があるみたい。へ~え。流行ってんねえ。

 それにしても大忙しのおふたりさん。それこそテンテコマイじゃん。

 本当に「がむしゃら」に働いてますよ。あ~いい気分。さてと、玄米緑茶ハイ(450円)にして一服。

 ふと見ると、隣の常連さんらしきカップルがワインを1本注文して、お店のお兄さんふたりに一杯飲んでもらってますよ。

 いいねぇ、この感じ。私も欲しかったけど、関係無いから下さいなんて言えないしね。

 さぁてここらかどうやって帰ろう? バスで帰れないかなぁ? 大丈夫みたい。ヨカッタヨカッタ。

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