ほどよい広さの清楚感ある銭湯に入って、落ち着いて飲めるオヤジ好みの居酒屋へ 中井【連載】新!東京湯巡り、徘徊酒(2)

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ほどよい広さの清楚感ある銭湯に入って、落ち着いて飲めるオヤジ好みの居酒屋へ 中井【連載】新!東京湯巡り、徘徊酒(2)

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島本慶

コラムニスト、ミュージシャン

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昔ながらの銭湯でひとっ風呂浴びたら、歩いて馴染みの居酒屋へ――。銭湯巡りと飲み屋歩きをこよなく愛するコラムニストの島本慶さんが、東京の魅力的な銭湯と居酒屋のハシゴ歩きへお連れします。第2回は、新宿区の中井駅からスタートです。

火傷寸前のサウナオヤジたち

 西武新宿線は中井駅。南口を出て、右に流れる川に沿って右側を歩き、途中にある橋を渡って路地を抜けて川と平行にある道をググッと右へ。コインランドリーの先にある「三の輪湯」(新宿区上落合)に入ります。

 近道は実は都営大江戸線の中井駅かも? 山手通り沿いの出口を出るとスグ右にある路地を真っ直ぐ行くと有りますよ。ここはミスト風呂が人気みたいですな。

 フロントで470円を払い脱衣場へ。見回すと、程良い広さで客数も程良い感じ。私はサクッと脱いで洗い場に入ります。正面の壁はタイル絵で、お花畑がキレイです。右手前がサウナ、その隣が水風呂になっていて、正面右がノーマルな浴槽で、電気にジェットに座風呂って感じ。

 おぉっと右にガラス張りの部屋が有ります。これが森林浴? ミストなんて書かれております。後で入ろうってんで私、カランを確保してすかさずシモを洗い頭にシャワー。濡らしておいてから体を洗います。

 最後に頭を洗ってから、さて森林浴ミストの部屋に入ります。でも入ってるのは私だけ。他のオヤジたち、真っ赤な体でグッタリと、横になったり座り込んだり、水風呂に入っていたりと、みーんなサウナオヤジです。

 体に悪いのにねぇ。ほとんど火傷してんじゃんてぇくらい真っ赤です。おそらく限界まで我慢して、後でビールグビグビするんでしょう。そこまでしなくたってビールはウマイのにねぇ。

 ところでこの森林浴ミストの部屋はグーです。微温(ぬる)めの湯につかり、霧状の蒸気に被われていい気持。それに何やらこの部屋だけ音が流れています。何だろう聞いてみると、「ヒュールリィ~ヒュ―ルリィララ~」なんて昔流行った誰かの歌でした。

 さて、ちょいと座風呂に入ろうと思って移動。しっかり体を温めてから、シャワーで流してフキフキ。脱衣場で体重計(デジタル)に乗っかると、これが53kg。変わらないねぇ。

居酒屋「田」の店構えのイラスト(画像:島本慶さん制作)



 というわけで中井駅(西武線側)に戻ります。踏切りを渡ってスグ右の飲み屋街へ。奥の方の右側に、渋い暖簾と看板の居酒屋「田(でん)」(新宿区中落合)ってのが、なかなかいい雰囲気を醸し出しております。

魚の小骨をチッチッチと取り出す

 覗いてみると、手前でテーブル席4個(4人掛け)に奥左側が4~5人が座れるカウンター。その裏が厨房で、奥の右側がお座敷になってます。当然カウンターに腰を降ろして生ビール(450円)を注文。オバちゃんがサクッとお通し(卵系のポテサラ)と生ビールを運んでくれ、グビグビ。ぷふぁ~ウメェ!といつもの雄叫びを上げます。

 ちなみにこの店、オバちゃんふたりでやってるみたい。厨房でテキパキ調理している小柄なメガネのオバちゃんと、フロアを行き来するオバちゃん。忙しそうです。

 私の座ってるカウンター奥にはスーツ姿の年配の紳士。見れば熱燗をチビチビ飲ってます。絵になるねぇ! そういえばテーブル席の4人組もみんなスーツ姿で若い人はいない。まさに大人の居酒屋さんですな。

「田」の人気メニュー(画像:島本慶さん制作)



 さぁてメニューを見て、何にしようかなぁ? んーと、うなぎの肝串(450円)でももらおうかな。それとぉ、赤魚の粕漬焼(480円)ね。それと生ビールおかわりね!

 しばらくして、うなぎの肝串が2本運ばれてきます。するとオバちゃん、サッと山椒も差し出してくれたりして。これが何かお得意があっておいしいねぇ。

 よおくカウンターの前を見ると、色んな調味料が並んでいます。そんな中に、味の素なんてのがあるのが嬉しいねぇ(ジジィ!)とそこに赤魚の粕漬焼きが運ばれてきました。

 これがまたウマイ! 添えられたレモンを絞って、大根おろしの上に醤油をタラ~リ。口に運ぶと、小骨がいっぱい! この骨をチッチッチと取り出すのがもぉオヤジの生きる喜び! タマンネェなぁオッサン!

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