【前編】新型コロナ禍の首相会見 「記者クラブ」は正しく機能しているのか
2020年4月9日
ライフ新型コロナウイルス感染拡大により、頻繁に目にするようになった安倍首相による記者会見。そもそも官邸での首相会見とはどのようなものなのか、官邸取材の長いフリーランスライター小川裕夫さんがリポートします。
首相自ら会見で情報発信する意義
2020年4月7日(火)、安倍晋三首相は緊急事態宣言をすると記者会見で表明、翌8日0時に発令されました。緊急事態宣言が発令される前から、都内の繁華街は人通りが少なくなっていましたが、発令後はさらに人の気配が薄らいでいます。
緊急事態宣言を発令するまでに至った新型コロナウイルス禍は、今のところ終息する見込みが立っていません。先の見えない新型コロナウイルス禍は、国民は経済的にも健康面でも不安に陥れています。そうした精神的なストレスを抱えながら、国民は毎日を過ごしています。
そうした不安を鎮める処方箋のひとつが、政府による適切な情報公開です。
有事の際、誤った情報や悪意に満ちたデマは多く飛び交います。また、そのときは正しい判断のもとに提供された最新の情報が、時間の経過とともに内容が古くなり、役に立たなくなったり逆に不利益になったりします。私たちが行動を起こす際、情報は非常に大切なものなのです。

日本国内での感染拡大が表面化・深刻化した2月以降、安倍晋三首相は頻繁に記者会見を実施するようになりました。情報社会の昨今にあっても、最も多くの情報を握るのは当然ながら政府の中枢。国内で最も情報を有する機関、そして何より最も国民生活に影響を及ぼす情報を発信する役割を担う機関、それが政府です。
政府が情報を発信する場のなかで最も重要な意味を持つのが、首相官邸(千代田区永田町)で行われる、首相による記者会見です。
おすすめ

New Article
新着記事
Weekly Ranking
ランキング
- 知る!
TOKYO - お出かけ
- ライフ
- オリジナル
漫画