映画好きは必読! 都内「夫婦50割引」の実施施設、片っ端から調べてみた

大の映画好きというライターで編集者の冨田格さんが、都内「夫婦50割引」の実施有無を片っ端から確認してみました。結果やいかに?


とても許容できない映画料金の値上げ

 あなたは1年間に何回映画館で映画を見ますか? 現在の新作映画のロードショー料金がいくらかご存知ですか?

映画館内のイメージ(画像:写真AC)



 日本最大のシネコン・チェーン「TOHOシネマズ」が6月より一般料金を1800円から1900円に値上げすると発表したニュースは、映画ファンを騒然とさせました。その後、松竹系の丸の内・新宿ピカデリーや、東映系の新宿バルト9も追随する形で値上げを行いました。

「せいぜい100円の値上げでしょ?」

 そう思った人は、1年間に1~2回しか映画館に行かないのではないでしょうか。考えてみてください、週に1回映画館に行ったとしても「1800円 × 4回 = 7200円/月」です。現状でも決して安くはないのですから、映画館に通う回数が多い映画ファンにとって100円の値上げはとても許容できるものではありません。

 とはいえ映画館にしょっちゅう通っている僕は、割引料金を駆使していかに映画を安く楽しめるのかを常に研究してます。

都内で映画を安く見る方法を知っていますか?

 さっそく調べてみると、割引料金で映画を見る方法は結構ありました。

1.大手シネコンチェーンのマイレージ会員になる(1本あたり約1543円)
 TOHOシネマズの「シネマイレージ」。ピカデリーやMOVIXなど松竹系の「SMTメンバーズ」、イオンシネマの「ワタシアター」、ユナイテッドシネマの「クラブスパイス」などの会員になると、映画を見るたびにポイントが溜まり、6回見ると1本が無料になります。

 一般料金1800円の場合は「6回鑑賞 + 1回無料」で、1本あたりの鑑賞料金は約1543円。いずれも入会時に、500円前後の入会金・会員カード発行手数料が必要です。SMTメンバーズはウェブ入会だと無料で、カード発行だと100円ともっとも安価。さらにSMTメンバーズは有料鑑賞後に60日有効のクーポンが発行され、期限内なら次回は1200円に割引となります。

ミニシアター系の割引は何回も通えばお得

2.前売り券・ムビチケを事前に購入する(1本あたり1400~1500円)
 絶対この映画を見ると決めているなら前売り券・ムビチケを事前に購入しておくのもいいでしょう。当日一般料金より300~400円安くなる上に、作品によっては特典グッズなどが付いてくる場合もあります。その作品のファンにとっては、楽しみが大きいです。

 ちなみに前売り券・ムビチケの料金は作品によって異なり、チケットショップを探すと公開後も前売り券・ムビチケを取り扱っていることもあります。

3.ミニシアター、独立系シネコンの有料会員になる(1本あたり1000~1300円)
 テアトルシネマグループの「TCGメンバーズカード」、アップリンク渋谷・吉祥寺の「アップリンク会員」、立川シネマシティの「シネマシティズン」、kinoシネマの「メンバーシップ」など、個性的な作品ラインナップが楽しめるミニシアター、独立系シネコンでは年間1000~1500円の会費を支払うと、曜日によって1000~1300円で鑑賞できます。入会金は大手シネコン会員に比べると高いですが、1本あたりの料金が安いので年間に何回も通うのであればかなりお得です。

 ほかにも、会員制度を設けていない新宿武蔵野館・新宿シネマカリテは、各サイトの割引券を提示すると当日一般料金が300円割引になります。

 このように、さまざまな方法を探せば一般料金よりもかなり安く新作映画を見ることができます。そんな割引料金の中で、割引率の高さや利用しやすさの面から考えて、最強なのが「夫婦50割引」だと思います。

夫婦50割引は、同性カップルも利用できるのか?

「夫婦50割引」とは、「どちらかが50歳以上のご夫婦でチケットをご購入いただくと、おふたりで2200円(一般料金1800円の場合)」になるというサービスです。

 利用条件は下記の3つです。

・ふたりのうち、どちらかが50歳以上である証明書を提示する
・ふたりで同時間の同じ作品を見ること
・婚姻証明書などの提示は必要ない、つまり自己申告制

「夫婦50割引」を利用すると、年齢確認できる免許証や保険証などの身分証明書を見せるだけで、曜日や時間帯関係なくいつでもひとり1100円に割引されます。例えば大ヒット中の「天気の子」をいつでもひとり1100円で見られるわけですし、さらに事前にネット予約でチケットを購入することもできます。なおネット購入の場合は、入館当日に証明書の提示を求められる場合があります。

「ふたりで同時に見るならば」という条件付きではありますが身分証明書の提示だけですから実に簡単でお得。男性同性愛者つまりゲイの自分にとっては、異性愛者は羨ましいと思っていました。

 ところが、同性カップルにも「夫婦50割引」が適用されたことがあるのを先日思い出したのです。

電話やメールで片っ端から確認してみた

 それは2016年3月に公開された「人生は小説より奇なり」という作品です。これは、39年間連れ添った末に同性婚をした男性ふたりに降りかかる災難を描いた物語。高齢ゲイ男性のドラマということで、この作品を上映したシネスイッチ銀座などで「夫婦50割引」の同性カップル適用が実施されました。

 果たしてこの試みは、「人生は小説より奇なり」公開時の話題作りで終わってしまったのでしょうか? それとも、「LGBT」「同性婚」という言葉が目立ち始めた昨今だから、実は定着していたのでしょうか?

 50代半ばの同性愛者で、映画は安くみたい派で、彼氏としょっちゅう映画デートしている僕にとって、これは興味津々です。ということで、都内で「夫婦50割引」を実施しているシネコンチェーンや映画館に、かたっぱしから電話やメールで確認することにしました。

電話で片っ端から確認するイメージ(画像:写真AC)



 その結果はこちらです。

●「夫婦50割引」が同性カップルに「適用される」シネコン&映画館
・イオンシネマ
・ユナイテッドシネマ
・109シネマズ
・ピカデリー
・MOVIX
・Tジョイ
・テアトルグループ(テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷&有楽町、シネリーブル池袋、キネカ大森)
・シネクイント
・ユーロスペース
・角川シネマ有楽町
・シネスイッチ銀座
・吉祥寺オデオン
・kinoシネマ立川髙島屋S.C.館

●「夫婦50割引」が同性カップルに「適用されない」シネコン&映画館
・TOHO シネマズ
・HUMAXシネマズ
・グランドシネマサンシャイン
・丸の内&渋谷TOEI
・バルト9
・EJアニメシアター新宿
・シネマート新宿
・シネマロサ
・吉祥寺プラザ
・船越シネパル
・テアトル蒲田、蒲田宝塚

●「夫婦50割引」の設定がない映画館
・岩波ホール
・ルシネマ
・新宿武蔵野館
・シナマカリテ
・K’sシネマ
・アップリンク
・立川シネマシティ

 予想以上に多くのシネコンと映画館で「夫婦50割引」が同性カップルにも適用されていることが分かりました。

同性カップル適用を始めればリピーターが増える

「夫婦50割引」が、同性カップルに適用されていないシネコンと映画館にその理由を尋ねると、「法的に婚姻関係にある場合のみが対象です」と明言するところもあれば、「そのような問い合わせを受けたのは初めてで、想定していませんでした」と答えるところも複数ありました。

 1作品を上映するときに少しでも空席がない方が映画館にとっては収益がプラスになりますし、「夫婦50割引」ならば2席分のチケットが売れるわけです。鑑賞する側にとっても割引になるならより気軽に映画館に足を運べますし、映画館に行く回数が増えることも期待できます。つまり「夫婦50割引」を同性カップルに適用しても、映画館と観客がウィンウィンの関係であることに変わりはないのです。

 見たい番組をすぐ視聴できるVOD(ビデオ・オン・デマンド)やネット配信など、映画を手軽に楽しむ方法は増えています。しかし、暗闇の中で大きなスクリーンに対峙して作品世界に没頭する時間は、ほかでは味わえない唯一無二のものです。映画館に行くハードルを少しでも低くし、その魅力に触れてもらうことは、リピーターが増える最大の方法だと考えます。

 だからこそ、より多くのシネコン&映画館が「夫婦50割引」の同性カップル適用を始めてくれるといいなと、50代半ばの同性愛者で映画ファンの僕は切に願っています。


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