哲学者ニーチェを魅了した「特製チョコドリンク」が銀座に登場、いったいどんな味？

　かつてドイツの哲学者・ニーチェ（1844～1900年）、アメリカの文豪・ヘミングウェイ（1899～1961年）、さらにはイタリアの作曲家・プッチーニ（1858～1924年）など、数々の歴史的文化人を深く魅了した飲み物があります。

　熱いチョコレートとコーヒーを混ぜ、その上に冷たい生クリームを注いだ「ビチェリン」。日本ではまだなじみの薄いこのホットドリンクを味わえるカフェが、2020年3月24日（火）、複合商業施設「GINZA SIX（ギンザ シックス）」（中央区銀座）内にオープンしました。

　カフェの名も同じく「ビチェリン」。イタリアにある本店は、1763年に同国北西部の街トリノに開業した歴史ある老舗店です。

　当時から変わらずコンソラータ大聖堂の向かいに店を構え、それまで「仕事の前にカフェのカウンターでエスプレッソを1杯飲んで行く」というファストなスタイルだったイタリアのコーヒー文化に、「ゆったりとしたくつろぎの空間で優雅に味わいを楽しむ」という新しい価値観を生み出したとされています。

　店の名を冠するビチェリンは、イタリア国内では今や同種の飲み物の一般名詞として使われるほどに浸透した有名なドリンク。コーヒーの苦みとチョコレートの甘みが相性よく混じり合う味わいと、冷たい生クリームとの温度差が作り出す重層がその魅力です。

　とりわけニーチェが気に入っていたのは、「温かい飲み物をグラスに入れて出す」という提供様式だったとか。味もスタイルも創業時から守り続けられている伝統の1杯、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。

　運営しているのは、同店直営店を日本国内で5店舗展開するビチェリン・アジアパシフィックアンドミドルイースト（中央区日本橋）です。

　今回オープンした銀座店は外国人観光客も多く立ち寄る立地にあることから、世界的知名度のあるキャラクター「ハローキティ」とのコラボレーションメニューも多数展開。日本を経由してさらに世界にビチェリンの魅力を伝えたいとの狙いがあるといい、キティちゃんをかたどったスイーツやカプチーノ、クッキーなどを用意しました。

　ビチェリンは、店内で飲む場合は1100円（税込み）、テークアウトは700円。カプチーノとの「アフタヌーンティー」を楽しめるセットは7700円だそうです。

　2020年3月現在、本国イタリアは新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず重大な苦境に立たされています。同店では、イタリア語で「大丈夫、うまくいくよ」を意味する「#andratuttobene」というハッシュタグを提案し、来店客にメニューの画像とともにSNS上にアップしてほしいと呼び掛けています。