クラフトビールってこんなに面白い!「東京ビアウィーク」で注目、職人と話せるお店も

2018年9月19日

お出かけ
ULM編集部

東京の飲食店やイベントなどでも目にする機会が多くなったクラフトビール。その面白さはどこにあるのでしょうか。東京都内の専門店やイベントに足を運んでみました。


多様な香りや味、「SNS映え」する美しさも

 ある平日の夜。渋谷区代官山にある「スプリングバレーブルワリー(SVB)東京」の店内では、仕事帰りと思われる10人ほどの男女のグループが、さまざまな種類のビールや料理を囲んでおしゃべりを楽しんでいます。他にも、女性だけのグループやカップルなどの姿も。このSVB東京は店内にビール醸造所を設置し、さまざまな種類のクラフトビールを楽しめるお店です。

SVB東京は店内にビール醸造所があり、製造過程も間近に見られる(画像:スプリングバレーブルワリー)

 甘みと酸味、苦味のバランスと深い余韻が特徴の「496(ヨンキューロク)」、カフェラテのようなロースト香が口の中で広がる「アフターダーク」、ゆずや山椒など和の素材を使った繊細な味わいの「デイドリーム」など、職人たちのアイデアが凝縮されたオリジナルビールは、味わいはもちろん色合いや泡立ち、出されるグラスの形もさまざまです。

 特に、初めての方におすすめだという「ペアリングセット」は、6種類のビールとそれぞれにマッチしたおつまみがきれいに並び、写真を撮ってSNSに共有しても映えることから女性に人気だといいます。

SVB東京の「ペアリングセット」。6種類のビールとおつまみを試しながら好みの味を見つけることができる(画像:スプリングバレーブルワリー)

「大手メーカーが大量生産する一般的なビールには、『機械が作った画一的なもの』といったイメージが定着してしまっていますが、本来のビールとは、原料や作り方のプロセスによって味や香り、色などが大きく変わるもので、作り手の発想次第でいろんな個性をもったビールを生み出すことができる、とても面白い世界なのです。そうしたビールの魅力をもっと多くの人に知ってもらいたいのです」

 こう語るのは、SVBで醸造責任者をつとめる古川淳一さん。ビールの面白さや奥深さをより多くの人に知ってもらい、「新しいビール文化をお客様と一緒につくっていくこと」がお店の使命だといいます。

 近年、このSVB東京のようにクラフトビールの作り手が運営する専門店が東京都内にあいついで出店しています。クラフトビールの面白さを体験し、誰かと一緒に分かち合うことのできる場所が増えているといえるでしょう。

世界的ブランドでも「ファンとの対話が大事」

 2018年6月11日、このSVB東京の2階フロアを会場に、クラフトビールの世界的ブランド「ブルックリン ラガー」を生み出したスティーブ・ヒンディ氏のトークショーが開かれました。「ブルックリン ラガー」は世界30か国以上で販売されている、ニューヨーク発のクラフトビールブランド。日本でも2017年に販売開始したことで注目を集め、会場には一般参加者のほかにメディア関係者も多く詰めかけました。

「東京ビアウィーク2018」のトークイベントに出席した、ブルックリンブルワリー創業者のスティーブ・ヒンディ氏(2018年6月11日、ULM編集部撮影)。

 元AP通信の記者だったヒンディ氏は、かつてニューヨークのブルックリン地区にあった醸造所で作られ、1800年代に人気を集めたウィーンスタイルのビールを復興しようと、1984(昭和59)年に仲間とともに「ブルックリンブルワリー」を創業しました。

「当時はまったくの無名で広告の予算もなかったため、ブルックリンを拠点とするアーティスト団体の画廊やNPOの募金会場などにビールを寄付。そこからビールへのクチコミや好感が広がり、ビールに対する多くの意見ももらえました」と、ヒンディ氏は創業当時のエピソードを明かし、世界的ブランドに成長した現在でも「人から人へと親しみを広げていくことや、ファンとこうして直接お話しすることは、とても大事なことです」と強調しました。

 このトークショーは、東京および近郊都市の店舗がそれぞれのアイデアでイベントを実施する「東京ビアウィーク2018」(2018年6月2日~17日開催)の関連イベント。「東京ビアウィーク」は2014年から毎年開催するなかで参加店舗が増え、2018年は261店舗が参加。ブームの影響もあり、特にクラフトビール関連のイベントや限定メニューなどが注目を集めました。

作り手との近さも「面白さ」のひとつ

色、香り、味が多様で新しいビールに出会える新鮮さも、クラフトビールの特徴のひとつ。画像はイメージ

 SVB東京のように店内に醸造所があるクラフトビール専門店は、ヒンディ氏がトークショーで話したように「作り手と直接会話できる」という面白さもあります。SVBの古川さんによると、ビール職人の多くは「飲んでくれる人のいろんな声を聞きたい」といいます。

「ビール職人というのはとても狭い世界ですので、お客様と直接お話しさせていただくのはとても貴重な機会なのです。いただいた声はいろんな形でビールづくりのヒントや改善点につながりますし、『次はもっと良いものを作って、喜んでもらおう!』という原動力になります」(古川さん)

 SVBでは実際に、お客さんの声がきっかけで生まれたメニューや、果物など珍しい原料を使ったビールを数量限定で販売し、つねに新しいビールを提案し続けています。多種多様で個性的なビールを味わいながら仲間とビール談義に盛り上がるのはクラフトビールの楽しみのひとつですが、ビールの作り手と直接話すことで、また新しいビールに出会えるというのも、クラフトビールの大きな魅力なのかも知れません。

●スプリングバレーブルワリー東京
・住所:東京都渋谷区代官山町13-1 ログロード代官山内
・交通アクセス:東急東横線「代官山駅」徒歩4分、東京メトロ日比谷線「恵比寿駅」徒歩7分
・営業時間:月曜~土曜8:00~24:00、日曜8:00~22:00


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