肉厚の身がとろける!鰻屋の娘が選ぶ「外さない江戸前鰻屋」(後編) | 江戸グルメ(2)

2018年11月1日

お出かけ
ULM編集部

江戸に端を発する東京の本当に美味しいものを紹介する本連載。前編に続き、江戸前うなぎ屋3選の残り2店を紹介します。旨みたっぷりの、うなぎそのものの質に徹底的にこだわる名店です。


地域ごとに異なる5つのうなぎ裂包丁

(前編はこちら)

 前編でうなぎの裂き方について、関東は背開き、関西は腹開きであることに触れました。この裂き方の違いは、お侍さんが多い江戸では腹開きが切腹を連想させることから嫌われたといわれています。一方の関西は商人の町。「腹を割って話す」と言う気風により、腹開きが好まれたとされています。

 九州では、関東とも関西とも異なるうなぎの調理方法がみられます。うなぎにまつわる地域性は包丁にも見られ、うなぎ裂包丁は「江戸裂」「大阪裂」「京裂」「名古屋裂」「九州裂」と地名のついた5タイプが作られています。

 これについて、刃物メーカーで和泉利器製作所(大阪府堺市)の信田圭造代表は、「昔はうなぎが全国どこにでもいましたから、使い勝手や刃形の好みの違いによって、異なる形状のものが地域ごとに定着するようになったのでしょう」と話します。

地域によって異なるうなぎ裂包丁。左から、大阪裂、京裂、江戸裂、名古屋裂(画像:堺刃物商工業協同組合連合会)。
九州で使われるうなぎ裂包丁、九州裂(画像:堺刃物商工業協同組合連合会)。

 今回、外さない江戸前うなぎ屋を選んでもらったKさん(70)は、前編で紹介の通り、子供の時から頻繁にうなぎを食べてきました。「そのおかげでこの歳になっても、病気ひとつしないのかもしれません」と語るKさんの肌はツヤツヤ。3人の娘を育てあげた後に始めたパート勤務を、古希を迎えた今も楽しみながら続けています。もちろん、うなぎの食べ比べも。

 そのKさん一押しの江戸前うなぎ屋3選の2店めは、上野にある「龜屋 一睡亭(かめや いっすいてい)」です。

不忍池の畔にある龜屋 一睡亭の玄関口(画像:龜屋 一睡亭)。
龜屋 一睡亭のテーブル席。店内は凛とした和モダンの佇まいのなかにも、ほっと寛げる空気感が漂う(画像:龜屋 一睡亭)。

 1948(昭和23)年創業の龜屋 一睡亭2代目、荒川 治さんに店のモットーを聞くと、「安売り合戦には参加しない。いい食材を使って、できたてのものを出す。自分たちが納得できる味のものしか出さない」との答え。そのこだわりは強固でした。

天然に近い状態で養殖「共水うなぎ」のとろける食感


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