上野動物園の中になぜか「五重塔」が建っているワケ
2021年10月18日
知る!TOKYO東京には江戸時代から昭和・平成まで建立されたさまざまな五重塔があるのをご存知でしょうか。文筆家の広岡祐さんがその歴史について解説します。
日本に伝わった仏塔の姿は
かつて江戸の市中には4基の五重塔がそびえ、「江戸四塔」とよばれて庶民に親しまれてきました。
・寛永寺(台東区上野桜木)
・増上寺(港区芝公園)
・浅草寺(台東区浅草)
・天王寺(同区谷中)
の五重塔です。
空高く伸びる仏塔は、現在の東京タワーやスカイツリーに匹敵する存在だったことでしょう。
徳川幕府の終焉(しゅうえん)から150年あまり。21世紀の今も残る江戸時代の五重塔、そして昭和・平成に新たに建立された東京の仏塔をたどってみましょう。
※ ※ ※
仏教はインドから中国、朝鮮半島を経由して日本に伝来しました。今から約1500年前のことです。仏塔はサンスクリット語でストゥーパとよばれ、本来は釈迦(しゃか)の遺骨「仏舎利(ぶっしゃり)」を納める墳墓として崇拝の対象となっていました。
東アジアに広がった仏教は、各国の文化を取り入れて発展していきます。インドでは墳丘状の構造物だったストゥーパも、中国では楼閣風、朝鮮では石造仏塔と、さまざまな姿に変化していったのでした。
日本に伝わった仏塔は、わが国独自の優美なデザインをもつ木造建築物になりました。信仰の対象が金堂にまつられた本尊にうつると、敷地外からも眺めることのできる仏塔は、次第に寺院のシンボルとしての色彩を強めていきます。
現在、わが国で見ることのできる江戸時代以前の五重塔は26基。昭和・平成に建立されたものは50基をこえているそうです。
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