もはや東京は「物価高 日本一」ではなかった トップ陥落の理由とは
2020年3月3日
知る!TOKYO「全国で最も物価が高い都市」といえば東京を思い浮かべますが、実は現在の物価日本一は東京ではないのです。統計データ分析家の本川裕さんが背景に迫ります。
今やトップは「横浜」。一体何があったのか
「全国で最も物価が高いのは東京」というイメージがわれわれには焼き付いています。

本当にそうなのかデータで調べてみると、驚いたことに、今、最も物価が高いのは東京ではなく「横浜」なのです。
東京は相変わらず「家賃」は高いが……
全国を100とした場合の物価水準を「消費者物価地域差指数」と言いますが、まず、東京都区部と横浜市の指数の推移を見てみましょう(「図1」参照)。

品目総合の推移を見ると、まだバブル経済の余韻が残っていた1990年代には、全国の県庁所在都市のなかで、東京は断然1位で対全国指数は113を超えたこともありました。2位は横浜であり、全国より1割弱高い水準でした。
それが、2000年代に入ると東京も横浜も対全国指数が大きく低下を始めます。そして、横浜より東京の低下幅の方が大きかったため、1位と2位という全国順位は変わらないものの、2015年前後には、ほぼ両者の物価水準は同レベルにまで近づきました。そして、ついに2018年の調査結果では、両者は105.1で肩を並べました。
バブルの頃ほどではありませんが、家賃の水準は、やはり東京や横浜といった首都圏の中心部で特別に高くなっています。家賃も物価の一種ですが一般の物価とは区別した方がよい場合もあります。
そこで、家賃を除いた物価水準の推移を見ると、すでに2015年以降は横浜が東京を抜いてトップに立っています。そして、2018年には東京は103.0であり、横浜の104.2をかなり下回っています。
トータルに判断すると、今や、東京の物価高日本一の地位は横浜に譲り渡したといってよいでしょう。
以降では、こうした物価の地域構造の激変がどうして生じたのかを探るために、最初に、全国の都道府県別の物価水準を概観してから、東京の物価の対全国水準の低下がどんな費目の物価によってもたらされているかを調べてみましょう。

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