超人気アイドルから考える――もはやSNSはマスコミより影響力があるのか
2020年2月25日
ライフ東京を中心に日本で「アイドル文化」が花開いてから、およそ半世紀。時代の移り変わりとともに「アイドル」という存在は、私たちにとってどのような変化を遂げていったのでしょうか。帝京大学助教の田島悠来さんが「東京」と「メディア」をキーワードに考察します。
「アイドル文化」においてメディアが果たす役割
2020年。東京で2度目のオリンピックが開催される予定のこの年に、日本に「アイドル」的な存在が生まれて半世紀というメモリアルな局面を迎えています。
この間に「アイドル」のイメージも、「アイドル」とファンとのコミュニケーションのあり方も変容してきました。
「アイドル」の姿を映し出し、「アイドル」とのコミュニケーションを媒介するメディアは、この国に「アイドル」をひとつの文化として根付かせました。そして好むと好まざるとにかかわらず、われわれの生活のなかに「アイドル」がいる社会的な風景を作り上げるという意味で、今も昔も重要な役割を担っています。

ファンにとってメディアは、自分が好きな「アイドル」(「推し」や「担当」)の情報を得るための、いわば彼女/彼らを愛(め)でるためのツールです。
またそうではない者にとって、社会のなかのステレオタイプ化されたロールモデル(理想的な女性像/男性像)や規範(~するべきだ、または、~するべきではないという社会における考え方)を指し示しています。
言い換えれば、何がマジョリティーにとって愛でられる存在なのか、最良の価値観であるのか(そのこと自体の是非はひとまず留保して!)を教えてくれる鏡として機能しています。
そして「アイドル」をつくりだす者たちにとって、それはイメージをコントロールし、見るものの関連消費を促すことで何らかの利益を得るための格好の手段となるのです。

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