2月22日「猫の日」に考えたい カンタン作業で愛猫を守る「おしっこチェック」とは

2月22日はご存じ「猫の日」。飼い猫の健康について考えるよい機会です。猫の寿命を大きく左右することもある「おしっこチェック」、あなたも始めてみませんか?


ただかわいがるだけ、でいいの?

 2月22日は「猫の日」。

 にゃん(2)にゃん(2)にゃん(2)の語呂合わせから、「猫と一緒に暮らせる幸せに感謝し猫と共にこの喜びをかみしめる」との趣旨で1987(昭和62)年に制定された記念日です。制定は30年以上も前だというのに、その趣旨から猫へのアツ過ぎる思いがにじみ出ています。

 2015年頃から使われ出した、「ネコノミクス」という造語が早くも廃れるくらいの猫人気は、今やブームを超えてすっかり日本に定着しているようです。

 ペットフード協会(千代田区神田須田町)の調査によると、国内の猫の飼育頭数(推計値)は2017年に初めて犬(同)を上回りました。東京都内では毎週末のように保護猫の「里親」を探す譲渡会が開かれ、「猫の日」に併せた猫関連のイベントは毎年全国各地で盛況を博しています。

 猫をめで、猫への愛を確認する猫の日。でもせっかくの機会なのだから、ただかわいがるだけでなく飼い猫の健康についてもあらためて考える機会にしませんか――? そう呼び掛ける取り組みが、近年活発になってきているようです。

かわいい猫ちゃん(画像:写真AC)



 そのひとつが、猫の健康状態を知るためにごく簡単な手順でできる「おしっこチェック」という方法です。

 これをするとしないとでは、飼い猫の寿命を大きく左右することにもつながりかねないのだとか。今すでに猫を飼っている飼い主さんにはぜひ知っておいてもらいたい検査だと、医療関係者は話します。

増え続ける飼い猫、犬を上回る

 検査の内容を知る前に、まずは猫を取り巻く日本の現状をおさらいしてみましょう。

 ペットフード協会の「全国犬猫飼育実態調査 2019年版」によると、2019年10月時点の国内猫の飼育頭数は推計で約997万8000頭。直近5年間の推移を見ても年々増え続けています。一方の犬は微減傾向にあり、2017年には同協会の調査開始以降初めて猫・犬の飼育頭数が逆転しました。

犬と猫の飼育頭数推計・飼育率の経年変化(画像:ペットフード協会の資料を基にULM編集部で作成)



 ちなみに興味深いのは、国内全世帯数に対して猫・犬を飼育している世帯の割合を示す「飼育率」。犬が12.55%なのに対して猫は9.69%(いずれも2019年)と、犬の方が3ポイント近く高くなっています。これは、猫を飼っている世帯が多頭飼育をしているケースが多いため。猫の平均飼育頭数は1.77頭、犬は1.23頭だそうです。

 また同調査では、飼い猫の平均寿命は15.03歳。ただし完全室内飼育をした猫(平均15.95歳)と家の外に出る猫(同13.20歳)では3年近い差が出る結果になっています。交通事故に遭う危険や感染症などに掛かるリスクを軽減できるためだといいます。

 人間の飼い方ひとつで大きく左右される飼い猫の寿命。それは病気についても言えることです。前述の「おしっこチェック」では、猫のどのような病気の発見につながるのでしょうか。

5歳以上の猫の死因1位は腎臓病

 猫がかかる病気の約半数は、腎臓病や尿路結石といった泌尿器系の疾患。特に腎臓病は5歳以上の猫の死因1位で、15歳以上になると約81%が慢性腎臓病を患っているというデータもあるほどです。

 それらの病気を早期発見するために欠かせないのが、「おしっこチェック」です。定期的に尿検査をすることで、腎臓機能が低下していないか、尿に含まれるたんぱくなどの値に異常がないかなどをチェックできるのだといいます。

 しかしそこでハードルとなるのが、猫の「病院嫌い」。自宅でキャリーバッグに入るのを嫌がったり、診察室に入ったとたん暴れまわったりして、過度なストレスを感じてしまう猫は少なくありません。そこで、もっと手軽に定期的な尿検査を行う方法を、と、国内の製薬会社やペット用トイレメーカーなどが提唱したのが「Fish Save Cats」運動です。

動物病院で定期的に健康状態をチェックすることで、早い段階で病気を発見することもできる(2020年2月10日、遠藤綾乃撮影)



 これは、お弁当などに使われる「魚型の小さなしょうゆさし」程度の少量の尿を自宅で採尿し、飼い主が病院へ持ち込むことで上記の検査を簡単に受けられるというものです。

「この方法なら、猫を拘束せず、病院へ連れてくることも注射を使う必要もない。つまり猫に余計な負荷を掛けることなく簡単に検査を受けさせることができるのです。外を出るのを嫌がって病院での検査を受けさせられないと悩む飼い主さんにぜひ知っていただきたい方法です」

 自身の猫専門病院「Tokyo Cats Specialists」(港区三田)でもこの取り組みを推奨している獣医師の山本宗伸(そうしん)院長は、メリットをこう説明します。

 自宅での採尿に便利なのは、「システムトイレ」と呼ばれる2層式のトイレ。猫の尿が上段に敷き詰めたチップのすき間を通過して、下段のシートで吸収されるタイプのトイレのため、シートを取り外せば下段のトレー内に尿がたまり、簡単に採尿できるそうです。

 山本院長の病院でも、この「おしっこチェック」によって早期の腎臓病を発見できたケースが複数あると言います。

飲み水・おしっこの量にも注意を

 また「おしっこチェック」と同じくらい日頃から気に掛けてほしいと話すのは、飼い猫が飲む水の量や尿の量。

「腎臓の機能が低下すると老廃物の排出がうまくできなくなるため、猫は水を普段より多く飲むようになります。それが続くと徐々に食欲がなくなり痩せていってしまいます。『多飲多尿』は腎臓病の予兆ですから、できるだけマメにチェックしてあげてください」(山本院長)

山本院長と、愛猫のカツオくん4歳半(2020年2月10日、遠藤綾乃撮影)



 そしてやはり、動物病院での定期的な健康チェックは愛猫の長生きに欠かせないとも強調します。

「犬や人間と比べて猫は病気になりにくい動物と言われますが、体調が悪いことをぎりぎりまで悟られないようにしていたり、毛が長いためにやせ細っていることに気がつかなかったりといったケースは間々あります。いつもと様子が違うと感じたときはもちろん、それ以外のときでも病院を頼ってもらいたいと思います」

 飼い始めの健康診断で病院に連れて行ったきり10年以上検診を受けさせていない、という飼い主も少なくないのが現状ですが、「猫が10歳を超えたら半年に1回、10歳未満なら1年に1回は定期健診を」と呼び掛けています。

 年に1度の猫の日。今猫を飼っているという人も、これから猫を飼いたいと思っている人も、愛猫の長生きのために必要な健康チェックの方法を知る機会にしてみてはいかがでしょうか。


【猫画像】とにかく猫をたくさん見たい人のための猫ギャラリー

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