「自宅でラッキー」は大間違い 東京五輪で注目「テレワーク」に十分過ぎるほどの下準備が必要なワケ(前編)

2020年東京五輪・パラリンピックまで、あと半年弱。期間中の都心の混雑を見越して積極的な導入を推進されているのが「テレワーク」です。開催までまだ少し時間がある今のうちに考えておきたいテレワークのあれこれを、ライターの冨田格さんが2回にわたって解説します。


ご存じですか? 7月24日は「テレワークの日」

 インバウンドと言えば、以前なら中国または韓国からの観光客を思い浮かべることが多かったのですが、「ラグビーワールドカップ2019日本大会」の期間中は大きく変わりました。東京都内各所で、アジアからの観光客に加えて欧米や南半球から来日した観光客グループとの遭遇率が一気に跳ね上がりました。

 世界規模のスポーツイベントが開催されるということは、どれだけ多くの人が日本を訪れるのかということをあらためて実感させられました。そして2020年の夏には東京五輪・パラリンピックが待ち受けています。

 たった1種目で参加国も限定的なラグビーW杯とは比較にならないほど多くの人々が、東京を目指してやってきます。さらに、試合開始時刻が午後~夕方の時間帯だったラグビーW杯とは違い、東京五輪は午前中から試合スケジュールが組まれています。つまり、通勤ラッシュの時間帯に競技観戦のための移動が重なることになるのです。

 ただでさえ地獄と言われる真夏の通勤ラッシュに、さらに多くの外国人が乗り合わせるとなると……想像するだけで恐ろしい状況になることは確実です。

自宅でリラックスしながらテレワークする会社員のイメージ(画像:写真AC)



 そんな状況を少しでも回避するために、総務省や経済産業省などの関係府省、東京都、関係団体が連携して「テレワーク」の普及促進を図っています。

 2020年に東京五輪の開会式が予定されている7月24日を毎年「テレワーク・デイ」と位置付け、この数年間実施してきたので、すでにテレワークを体験した人もいるかもしれません。

 まだご存じない人のために簡単に説明すると、テレワークとは「テレ(tele)=離れたところで」+「ワーク(work)=働く」こと。

 ICT(情報通信技術)を活用し、時間や場所を有効に活用できる、柔軟な働き方のことを指します。つまり、出社をせずにインターネットを通じてやり取りしながら会社以外の場所で仕事するということです。

全ての自宅が「テレワーク向き」とは限らない

 2020年が始まったばかりの現時点では、まだピンと来てない人も多いかもしれません。しかし、総務省や東京都が本腰を入れて促進していることですから、年度が替わって五輪・パラリンピックの開催が近づけば、テレワークの必要性をリアルに感じざることになるはずです。

 2020年7月24日のオリンピック開会式直前になって「よし、テレワークを始めるか」と重たい腰を上げようとしても、ときすでに遅し、という事態になることだって考えられます。世間的にはまだまだ危機感のない今のうちに、早めに情報を収集して自分に合ったテレワークの手段を確立しておくべき理由を考えていきましょう。

平日朝のゆううつな満員電車のイメージ(画像:写真AC)



「テレワークって、つまり自宅で仕事すればいいんでしょ。仕事を持ち帰って家でやることもあるし、普段から家で仕事してますけど」

という人は、これ以上読み進めなくても大丈夫です。仕事ができる環境をすでに自宅にお持ちなら、冷房の効いた自宅でやるのが一番。酷暑の中を外出する必要もないのですから、こんな楽なことはありません。

 でも、誰もが家で仕事できる環境では必ずしもないはず。例えば、

1.Wi-Fi(ワイファイ)環境がない

 テレワークをするならWi-Fiは必須です。もちろん早めに申し込んで工事を済ませておくとか、ポケットWi-Fiを契約するとか、作業的にデータ通信量が膨大でないならばスマホのデータプランを大容量のものにしてテザリング(スマートフォン経由でノートパソコンなどをネットに接続すること)で対応するなど、ご自分の環境にマッチする対策を検討しましょう。

2.夏休み真っ最中、子どものいる家で集中できるのか?

 例えば広い一軒家にお住まいで、仕事のためにこもれる書斎を持っている、という人ならば問題ないでしょうが、一般庶民にはそんな環境は望むべくもありません。東京五輪・パラリンピックの期間は、まさに学生の夏休み真っ最中です。子どもがいて、かつ仕事用の部屋を持っていない人、果たして家で集中して仕事に打ち込める自信がおありでしょうか?

だからこそ「コワーキングスペース」のススメ

3.自宅はサボるための誘惑に満ちている

「パソコンもWi-Fiもあるし、独身なので子どもはいないから自宅でテレワークすることに問題ないですけど」

という人も少なくないでしょうが、あなたの部屋は本当に仕事に集中できる環境ですか? そのパソコンとWi-Fiは、仕事のために導入したものでしょうか? ゲームのためとか、動画を見るためとかに用意されたのではないですか?

 オフのときのあなたにとって居心地のいい自宅は、仕事をする場所として見るとサボるための誘惑に満ちている空間なのです。オフィスと違ってあなたひとりしかいない自宅で、自分を律してサボらずに仕事に集中できるでしょうか。

「自分の家で仕事に集中する自信がない」……そんな人は、家以外でテレワークができる場所を確保しなければならないのです。

ゲーム、昼寝、間食……自宅でのテレワークには誘惑がイッパイ(画像:写真AC)



 そんなわけで、自宅以外でテレワークする場所として、最もお薦めしたいのは「コワーキングスペース」です。

 コワーキングスペースとは、パソコンを広げるデスクがあって電源コンセントがあり、Wi-Fiが使える、いわば「大人の自習室」的な空間。そこにはフリーランスや、スタートアップの起業家たち、オフィスから離れて環境を変えて集中したい人、資格を取るために勉強する人など、年齢性別もさまざまな大人が集まっています。

 コワーキングスペースには、次の2種類あります。

・入会金と月会費を支払った会員だけしか使えないところ
・必要なときだけ利用できる時間貸しのシステム(ドロップインといいます)があるところ

例えるなら、月決めと時間貸しが混在している駐車場のようなものです。

 フリーランスの私は自宅で集中するのが苦手で、仕事できる場所を探して東京都内のさまざまなコワーキングスペース利用してみました。その上で、仕事をするには最適の空間だと実感できたのです。

人気急騰につき、早めのスペース確保が◎

 その理由は、

1.集中せざるをえない環境であること
2.快適な空間であること
3.「もったいない精神」が発動されること

 コワーキングスペースには基本、仕事をするためにお金を払って利用している人しかいないわけですから集中できるのは確実です。

 電話で話したりミーティングしたりするのもOKという店舗もありますが、多くの店舗は作業しているデスク周りでは電話もミーティングもNG。周囲の人のキーボードをたたく音しか聞こえないのですから、集中せざるを得ません。

 また、居心地の良くない空間ではリピーターが増えるはずもないので、多くのコワーキングスペースは掃除も行き届いてすっきりした空間で、実に快適です。

 何よりポイントが高いのは、いくばくかのお金を払って利用するというところです。お金を払っている以上、「モトを取らねば」精神が発動されるものです。時間を少しでも無駄にせず仕事しよう、という気持ちになるのは重要です。

「パセラのコワーク」東神田店3Fのリラックスフリーエリア(画像:パセラのコワーク)



 コワーキングスペースが、テレワークするのには最適な場所と感じた人も多いでしょう。実際、都内には続々とコワーキングスペースがオープンしています。ただ、いずれも利用者がとても多く混雑しています。私が利用した上で感じた傾向としては、都心部の店舗は平日、都心周辺部の店舗は週末に、より混雑するようです。

 現状でもすでに利用者が多いことに加え、TOKYO2020期間中には新たな利用者がさらに増えることは確実です。どのコワーキングスペースも、一度に利用できる人数に限界があるわけですから、利用希望者が定員をオーバーする可能性も大いに考えられます。もしそんな事態になった場合は、ドロップイン利用者よりも、月決め会員が優先されるのは当然でしょう。

 つまり、テレワークをせざるを得なくなってから、慌ててコワーキングスペースを使おうと思っても利用できない可能性もあるということです。そのためにも、なるべく早いうちにリサーチとお試し利用することをお勧めします。

※ ※ ※

 さて、ここまでテレワークにおけるコワーキングスペースの有用性を紹介してきましたが、ほかにはどのような場所がテレワークに向いているのでしょうか? 次回は、そのほかの選択肢についても紹介したいと思います。


【意識調査】「働き方改革に取り組んでいる」企業は60%超、それでもテレワーク導入はわずか10%足らず……

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