出産は「キャリア崩壊」の序章か? 会社を辞めた私が考える
2019年5月30日
ライフ子どもを持つか、キャリアを築くか、その二者択一で迷い悩む女性は少なくありません。「育児とキャリアの両立」の難しさと、その可能性について、元金融機関勤務で3児の母でもあるライターの宮野茉莉子さんが提言します。
「場所」と「時間」がネックで退職
今の30~40代の女性の中には、「大学に入り、大企業に就職を」と育てられたものの、出産を機にキャリアを諦め「思い描いていた未来と違った」と思う方も少なくないでしょう。30代半ばである筆者も、そのひとり。産後は、退職の選択肢しかありませんでした。

新卒で金融機関に入社した筆者。地域限定型という職種で、基本的にその地域に密着し、転勤のない職種でした。20代半ばで結婚し、夫は転勤族。夫の転勤に合わせて筆者が他の支店に移動することは制度上できず、退職しました。
夫が転勤族の場合、単身赴任を選択しない限り、妻が退職するケースが多いでしょう。何より「他に選択肢がない」ので、退職するしかありません。ちなみに現在では、地域限定型でも支店移動できる制度ができたようです。
その後、約3年ごとに転勤。3年ごとの引っ越しでは、正社員として就職することはできません。転勤地で同じ転勤族のママと話すこともありましたが、多くが専業主婦かパートで働く方々でした。
ひとり目の産後、半年経って育児も少し落ち着き、キャリアを考え始めました。既に退職し、かつ転勤族のため、保育園の選択肢はなし。幼稚園入園まで3年あるため、その間に育児をしながら昔からやりたかった仕事に挑戦しようと思いました。
逆に「やりたい仕事に挑戦できるのは幼稚園入園まで。うまくいかなければ諦める」と決意。子どもの昼寝中や夜間を使い、今でもフリーランスでライターを続けています。
現在子どもは3人、うちひとりは未就園児。ひとりが風邪を引けば家庭内感染で看病に2~3週間かかることもあり、会社で働くには「時間」がネックに。在宅で仕事ができれば助かるので、ある意味「場所もネック」といえるかもしれません。今はフリーランスで働くのがちょうどいいと感じています。
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