イベント来場者数は過去最高、今なぜ「アナログゲーム」が人気なのか?

近年盛り上がるアナログゲーム。その背景にはいったい何があるのでしょうか。文殊リサーチワークスの中村圭さんが解説します。


コミュニケーションツールとしての機能も

 電源を使用せず、テレビゲームやスマホアプリと対極にあるアナログゲーム。同ゲームは近年情報番組や情報誌などに紹介されたり、YouTuberなど動画サイト主催者が動画のネタに使用して話題となるなど、注目される機会が多くなっています。

 伝統的なゲームとして囲碁や将棋、チェス、すごろく、トランプ、花札、百人一首など古くからのゲームがあり、それらは時代を問わず親しまれていますが、ここでは注目度が増している近代アナログゲームを紹介します。

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 数あるカテゴリーの中で、ボードゲームとカードゲームは特に幅広い層に人気があります。ボードゲームは名前の通り、盤上にコマやカードを使用するゲーム。著名なボードゲームをあげると『モノポリー』『人生ゲーム』『カタンの開拓者たち』などが古くからあり、これらは現在でもルールを現代版にアレンジして息の長いタイトルとなっています。

 最近では『パンデミック』『東京サイドキック』『アナクロニー』などが人気です。パッケージは大型のボックスのものが多く、プレイ時間は45分~1時間程度。長いものでは3時間以上かかるヘビーユーザー向けのものもあります。

 カードゲームは専用のカードを使用したゲームで、『UNO』や『水道管ゲーム』が有名です。カードゲームは基本的にカードだけなので手軽に持ち運べ、場所を選ばないことや、プレイ時間が5~10分程度とライトに遊べることが特徴。ネットで火が付いた『ワンナイト人狼』のような犯人捜しゲームや、『ワードバスケット』のような言葉を使うワード系と呼ばれるサブジャンルが人気です。

 アナログゲームはテレビゲームやスマホアプリなどにない特性があります。基本的に人対人のリアルなコミュニケーションをとって遊ぶもので、シンプルかつ奥ゆきのあるゲーム性があります。そのため何かしらの戦略性があり、その戦略を成功させるために相手を知る必要が出てくるのです。相手の顔色や言動、仕草を観察することによって積極的にお互いを知ろうとする――そのためアナログゲームは、コミュニケーションツールとしての機能も高いと言えるでしょう。

初心者のまぐれ勝ちも多々起こる

 またひとつのゲームタイトルに対し、プレイスタイルが豊富なこともテレビゲームとの違いです。例えばひとつの敵を倒す際、テレビゲームの場合は「最適解」を見つけてしまえば終わってしまいますが、アナログゲームではその自由度の高さから無限ともいえるスタイルでゲームをクリアできます。その分、オリジナリティや個性が生まれやすいと言えます。

アナログゲームが一同に会する「ゲームマーケット」来場者数の推移(画像:文殊リサーチワークス)



 さらにアナログゲームはやり込みや課金による能力差が出にくく、平等感が強い側面があります。もちろんどれだけプレイするか、ルールを読み込んでいるかによる差はある程度ありますが、さいころの出目やカードの引きなど運の要素が強く、初心者の「まぐれ勝ち」も多々起こります。

 テレビゲームの対戦格闘ゲームでは経験の長い人には勝てないため、途中からは始めないユーザーも見られますが、アナログゲームは初心者でも経験者と同じようなスタンスで楽しむことができます。

女性には小鳥を育てるゲームが人気

 このような特性から、幅広い層に受け入れられやすく、不特定多数とのコミュニケーションに向いていると言えます。カードゲームを鞄に入れてホームパーティやキャンプなどに持ち込めば参加メンバーが仲良くなるツールとして活躍するでしょう。そのようなことから男性のマニアだけでなく女性にもユーザーは拡大しています。

 例えば、次のようなゲームがおすすめです。『カタンの開拓者たち』はドイツ発のボードゲームで、カタン島と呼ばれる無人島を舞台に資源を集めて街の成長や道路の拡張を行いながら、所定のポイントを得るまで開拓競争するゲームです。ただ資源を集めるだけではなく、対戦相手と資源の交易も行えるなど戦略性が高いことが人気で、近年では人気海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』ともコラボしました。

 また、女性には『ことりファイト!』が人気です。プレイヤーは森の精霊となり自分が選択した小鳥を繁栄させるため、木の実(チップ)と手札の数字で競うカードゲーム。こちらはイラストの可愛さも注目です。

 ネットメディアとの相性も良く、動画サイトなどを通じて『人狼ゲーム』や『ワンナイト人狼』は人気が出てきています。また『テストプレイなんてしてないよ』『ナンジャモンジャ』などYouTuberが紹介することによって人気が出たゲームも多くあります。動画で実際にプレイしているところを見られるためルールが覚えやすく、あまりアナログゲームに触れてこなかった層が興味を持つ機会が増えていると言えます。

来場者数2万人超え、成長を遂げるゲームマーケット

 毎年東京では春と秋、関西では年に1回、アナログゲームが一同に会するイベント「ゲームマーケット(以下、ゲムマ)」が開催されています。主催はアナログゲームの企画や販売などを行っているアークライト(千代田区神田小川町)です。

 ゲムマはアナログゲームの振興とユーザーの交流を目的としたイベントで、さまざまなジャンルのゲームが揃う国内最大のアナログゲームの祭典です。2019年春の来場者数は2万5000人で、過去最高を記録しました。

過去に開催されたゲムマの様子。試遊コーナーはどこも盛況だった(画像:文殊リサーチワークス)



 ゲムマは開催当初から来場者数が増加しており、第1回の2000(平成12)年から2017年春までは1日開催でしたが、2017年秋から2日間開催となり、さらに来場者数は増加しました。2018年からは2万人を超え、急激な成長を遂げていることがわかります。

 2019年も11月23日(土)、24日(日)に東京ビッグサイト(江東区有明)で「ゲームマーケット2019秋」(両日とも10~17時、入場料1000円)が開催されます。

 事前情報を見ると今回も注目ゲームが目白押し。面白そうなゲームをいくつか挙げると、プレイヤーがゴミ処理業者となり、所定の場所にゴミを運んで報酬を得て自治体の指定業者を目指すカードゲーム『R-ECO(アールエコ)』や、箸でキューブを積みあげていくバランスゲーム『箸でCUBEs』、宇宙へ荷物を送る運送会社の支店長となって資源をロケットに積み、宇宙へ運んで得点を競うボードゲーム『プロジェクトユニバース』などがあります。

 会場内では新作ゲームの先行販売や、さまざまなアナログゲームの試遊コーナーも多数用意され、初心者も楽しめます。また会場内に飲食ブースもあり、会場で一日中遊ぶことができます。興味のある人はゲムマに行って、ぜひアナログゲームに触れてみてください。


【画像】人喰いザメと『モノポリー』が合体? 過去のゲームマーケットで完売したボードゲーム『サメポリー』を見る

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