旧姓は私のアイデンティティー。安易な改姓は地元を捨て去ることと同じだ
2019年11月25日
ライフ2019年11月5日(火)に施行された、旧姓を住民票やマイナンバーカードに併記できる、住民基本台帳法施行令等の一部を改正する政令。この改正がもたらすものについて、ライターの秋山悠紀さんが自らの体験を交えて解説します。
中野区役所で2度も手続きを行ったワケ
2019年11月5日(火)、旧姓を住民票やマイナンバーカードに併記できる、住民基本台帳法施行令等の一部を改正する政令が施行されました。結婚後も旧姓を使って仕事をする女性の増加から、銀行口座開設や保険契約などにおいて旧姓の証明として使えるようにするのが狙いとされています。
旧姓の併記には旧姓が記載された戸籍謄本を取り寄せるなど、相応の手続きを踏まなければいけません。結局、結婚して姓を変えた女性が担う負担はさほど変わらないことから否定的な声が少なくないのが現状です。今回はこの住民票等の旧姓併記や筆者自身の経験から、選択的夫婦別姓の在り方について考えました。

筆者がマイナンバーカードの交付申請を行ったのは、結婚前の旧姓時代。その直後に結婚し姓が変わったため、再び氏名変更の手続きを行いました。そのため、筆者のマイナンバーカードの氏名欄には旧姓のフルネームが大きく書いてあり、その下に「職権修正」として新姓のフルネームが小さく書かれています。
なぜこのような面倒くさい手続きをしたのかと言うと、マイナンバーカードに旧姓が載るようにしたかったからです。結婚して姓が変わると、すべての公文書や銀行カードなどが新姓になり、旧姓がまるで存在しなかったかのように“抹消”されてしまいます。
筆者は夫の姓になることが決して嫌ではありませんでした。しかし、旧姓のフルネームがこの世から消えるのは嫌でした。両親が姓に合った響きや画数を考えて付けてくれた旧姓のフルネームを、どこかで残したいと常々考えていました。
そこで筆者はマイナンバーカードの交付がスタートした2016年、住んでいた中野区役所(中野区中野)の窓口でマイナンバーカードの氏名変更について質問しました。すると、「カード自体は再発行せず、下の備考欄に新姓が記載される」との返答が。「旧姓が載る!」と喜んだ筆者は二度手間だと知りつつも、あえて結婚前に交付手続きをしてマイナンバーカードを手にし、結婚後に氏名変更の手続きを行ったのです。

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