子どもの個性そっちのけ? 自ら「公立小移民」に志願する、都内保護者の業深さ
2019年11月15日
ライフ東京都内の小学校は、公立であってもさまざまな特色を持っているようです。何としても希望の小学校に子どもを入学させたいと考える保護者に向けて、現状の行政施策や注意すべき点などを教育ジャーナリストの中山まち子さんが解説します。
どうしても希望の公立小へ通わせたい保護者たちへ
小学校から私立小に通わせる経済的な余裕はないけれど、中学受験を考えてより良い公立小に通わせたい――そう願う保護者は少なくありません。その傾向は年々拍車が掛かっていて、子どもの就学を控えるママの間では学区の小学校の雰囲気や問題行動をする児童の有無、越境方法の情報交換が盛んに行われているほどです。

東京都心部での公立小の児童数は、今後さらに増加していくと予想されています。そのため確実に希望する小学校に通わせるには、学区内への転居が唯一の方法になるかもしれません。
今回は、東京都教育委員会の報告書から見えてくる今後の公立小動向や、学区内越境に寛容な中央区の取り組みについてなどを紹介していきます。
公立小の児童数増加が「入学競争」に拍車を掛ける
2018年11月に東京都教育委員会が発表した「平成30年度 教育人口等推計報告書」によって、23区の公立小の児童者数が今後も増加傾向にあることが明らかになりました。区内でも屈指の文教地域でもある文京区では2013年度に7068人だった児童数が5年後の18年度には8913人になるなど、増加の一途を辿っています。さらに23年度には1万906人まで増えることも報告書は予想しています。

この傾向は、人気のある公立小を抱える千代田区や港区でも同様で、少子化時代にあっても「わが子にはより良い学区を」と求める保護者の姿が浮き彫りになっています。
ただし、千代田区は越境入学に対して、保護者が同区内で勤務していることや、祖父母の住居があることなど一定の条件を設けています。学校選択希望制を実施している港区では、学区隣接校への通学を認めているものの、児童数によっては許可が下りないこともあります。
希望の公立小へ確実に子どもを通わせるためには、学区内に住むことが一番有効な手段です。そういった背景もあり、都心の公立小に通う児童数が増加しているといえます。

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