渋谷ハロウィーンに飽き飽きしたあなたへ……「板橋」は、ひと味違うぞ! 人情とぬくもり通うドタバタ模様【連載】東京商店街リサーチ(番外編)
2019年10月31日
知る!TOKYO毎年大勢の人出で賑わい、昨年は逮捕者まで出てしまった巨大繁華街・渋谷のハロウィーンイベント。あの騒々しさは正直もういいよ……と思っている人へ、東京を代表する庶民的住宅街、板橋区で行われた商店街ハロウィーンの様子をご紹介したいと思います。フリーライターの荒井禎雄さんがナビゲートします。
このハロウィーンは、「板橋らしさ」の爆発だ
板橋区の商店街でハロウィーンイベントがいっせいに行われたのは2019年10月26日(土)。イベント名と開催場所は、次の通りです。
1.
「いたばしこどもハロウィン」
11時~15時 at 板橋駅前本通り商店街ほか(JR板橋駅西口)
2.
「ハロウィンイベント」
16時~ at 板橋宿不動通り商店街
3.
「2019ハロウィンフェスティバル in 仲宿」
16時~ at 仲宿商店街

イベントの概要は「仮装をした子どもたちに商店街の従業員たちがお菓子を配る」という、その説明を聞いただけなら実に微笑ましいものです。しかし、その実態は「板橋らしい」というか「ぶっ飛んでいる」というか、とにかく突っ込みどころ満載な無二のイベントになっていました。
「板橋とハロウィーン」という組み合わせが、なぜ絶妙なのか
イベントの中身に入る前にまず、会場となった板橋駅前~不動通り~仲宿という商店街の土地柄について触れておきたいと思います。
この3つの商店街はすべて旧中山道沿いにあって、じつは江戸時代の中山道の第一の宿場「下板橋宿」そのものなのです。当時の名称で言うと平尾宿~中宿となります(これに上宿 = 本町商店街が加わる)。
この一帯はいまだに当時の宿場通りが商店街としてそのまま残っていて、JR板橋駅から環七とぶつかる辺りまで三間~三間半の道幅がおよそ2kmに渡って続いています。
今回のハロウィーンイベントは、この旧下板橋宿を端から端までまるまる使った一大イベントでした。言うなれば「由緒ある江戸時代の宿場町で、今どき流行りの舶来イベントが開かれる」という、なかなかねじれた和洋折衷の催しだったのです。
旧中山道の板橋一帯は、古くは鎌倉時代に源頼朝が陣を張ったとされ、義経の行軍記録も残されています。さらには安土桃山時代には上杉謙信らの軍勢も通ったという、歴史的に見て極めて重要な道。そこを今は思い思いのハロウィーン仮装をした子どもたちが「トリック オア トリート!」とさけびながら練り歩く。そう考えると筆者はジワジワと面白くなってしまいます。
ただ、甲冑(かっちゅう)で身を固めるか、オバケのコスプレをするか、というちょっとした違いでしかないので、案外違和感はないのかもしれません。

さて、前置きが長くなりましたが、2019年下板橋宿のハロウィーンイベントの様子を見て行きましょう。アンチ渋谷ハロウィーン派の人も、そうでない人も必見です。

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