昭和の珍スポット「秘宝館」の魂を引き継いだ大塚のバー。店主を支えるのは「人間は本当に面白い」という結論だった
2019年11月24日
知る!TOKYO2019年4月、大塚にバー「ニュー秘宝館」がオープンしました。いったいどのようなバーなのでしょうか。ルポライターの昼間たかしさんが解説します。
意外に女性人気の高い秘宝館
皆さんは「秘宝館」と聞いて、どのようなイメージを浮かべるでしょうか。「秘宝」だから、古今東西の珍しいものを展示した施設を思い浮かべるかもしれません。
古今東西の珍しいものを展示しているのは間違いありませんが、「秘宝館」で展示されているのは性や性風俗に関するもの。すなわち「セックスミュージアム」といったほうがいいかも知れません。
かつて「秘宝館」は全国各地にありました。高度成長期に始まった「秘宝館」は主に温泉街などの観光スポットに設けられ、団体旅行客が物珍しさで立ち寄るスポットとして隆盛を極めました。しかし平成になるとそうした施設の需要は減り、経営者の高齢化や建物の老朽化などによりその数を減らしていきました。いまや、全国に残るのは熱海の「熱海秘宝館」(静岡県熱海市)しかありません。
けれどそんな消えゆく施設は、新たな形で脚光を浴びています。珍しさゆえか、嗜好の変化かイベントなどが開かれると大勢の若者が集まるのが当たり前。遊郭や赤線をテーマにしたイベントでは女性客の方が多いことは知られていますが、秘宝館も同様です。
そんな秘宝館への愛がつまった新たな店が2019年4月、大塚にオープンしました。

「ニュー秘宝館」(豊島区北大塚)がそれです。山手線沿線でも、巣鴨と並んで昭和感の強い大塚。駅から徒歩5分ほど空蝉橋(うつせみはし)通りが終わる大塚の街外れに、その店はあります。
「そう、600万円くらいは使いましたかねえ……」
そう話すのは、この店主の片品村蕃登(かたしなむら ほと)さん。この店は秘宝館に魅せられて現地訪問から資料の収集。関係者への聞き取りと人生の多くを秘宝館に捧げた片品村さんの情熱が注がれた店です。

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