どうすればいい? 夏休みの難敵「読書感想文」を乗り越えるための3つのポイント

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どうすればいい? 夏休みの難敵「読書感想文」を乗り越えるための3つのポイント

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中山まち子

教育ジャーナリスト

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読書感想文は夏休みの宿題の定番ですが、後回しにされがちです。いったいなぜでしょうか。その理由と良い作成方法について、元塾講師でライターの中山まち子さんが解説します。

始めからスラスラ書ける子どもはいない

 夏休みの宿題の中で、後回しになりがちなのが読書感想文です。本を選び、読んでから書いていくという具合に、いくつかのステップを踏む必要があり、時間と手間がかかります。気分が乗らないままでいると、夏休みも残りわずかというケースがよくあります。

夏休みに読書をしている子どものイメージ(画像:写真AC)



 読書感想文の書き方は、学校で時間をかけて学ぶことはほとんどなく、家庭任せの状態です。しかし、感想文を書く機会は小中高だけに限定されず、社会人になって課されることもあります。親としても「面倒だから適当に書かせて提出すればいいか」と思わず、チャンスと捉えることが大切です。そうは言っても、子どもが読書感想文をスラスラ書くことはまずありません。苦手意識を持っている子の方が多いでしょう。

 そこで今回は、多くの子どもが嫌がる読書感想文をクリアするコツをご紹介していきます。

読書感想文を乗り越えるための3つのポイント

 読書感想文を書くには、事前準備が大切です。時間がないからと行き当たりばったりで本を選び、書こうとしても上手くいきません。そういった体験を繰り返していくと、子どもも「やっぱり読書感想文は難しい」と固定観念を抱いてしまいます。ここでは、そういった問題を越えるポイントをご紹介していきます。

 ポイントは次の3つです。

1.親は、子どもが感情移入しやすい本を選ぶ
2.子どもに、心に残った言葉や場面を書き出させる
3.子どもに、自分が主人公だったらどう思うか考えさせる

 それぞれ詳しく説明します。

1.子どもが感情移入しやすい本を選ぶ
「名作だからこれにしよう」と選んだ本が、必ずしも自分の子どもに合うとは限りません。登場人物が同世代だったり、子どもが好きなジャンルの本を選ぶことが何よりも大切です。また、親が「これなら賞をとれるかも」と色気を出して前のめりになるのは避けましょう。読書感想文を書くのは子どもです。

 子どもが最後まで読んでくれる本を選択しましょう。図書館に足を運び、子どもと一緒に本を探してみてください。評判の良い本が合うかどうかは分かりません。実際に手を取り、目を通してみることが大切です。あらかじめ決まっている課題図書がある場合は、子どもの興味を引いた登場人物を聞いてみるなどしてください。少しでも、子どもが関心を寄せる本を選びましょう。

文章は、親が誘導してはいけない

 次にポイントのふたつめです。

読書感想文のイメージ(画像:写真AC)



2.子どもに、心に残った言葉や場面を書き出させる
 何の準備もなく感想文を書くのは難しいので、書き始める前に必ず、心に残った言葉や場面を探すよう意識させてください。読書感想文を書く時に、字数を稼ごうとあらすじを書きつづるる子どももいます。あらすじは確かに必要ですが、感想文は本を読んで心に響いた言葉や場面を構成のメインに置くことで、ワンランク上の感想文に変身できるはずです。気になった言葉や場面を見つけ、メモ書きさせましょう。

 低学年の子には、「どこが気になったの?」と対話をしながら見つけると、作業が進みます。その次に、「なぜ気になったの?」と理由を聞いてみてください。高圧的な聞き方だと子どもが本心を言わなくなるので、気を付けてください。読書に正解はありません。子どもの感性を引き出すことが大切です。

3.子どもに、自分が主人公だったらどう思うか考えさせる
 主人公の言動と自分の考えを照らし合わせてみましょう。それをベースに感想文を書いていくと、内容に深みが増します。他者と自分を比較し、文章化することは分析力と冷静さが求められます。そういったスキルを読書感想文を通じて得られるので、「登場人物の性格や行動をよく観察してみよう」と子どもに声掛けしましょう。

「もし同じ立場だったらどういう行動をする?」と質問をし、思ったことを箇条書きで記すようにしてください。「それは違う」といった、否定的な言葉は絶対に口にしないよう気を付けてください。親から叱られると察知した子どもは、親の顔色をうかがいながら優等生的な内容を書くようになります。子どもが抱いた感情をストレートに言語化することで、オリジナリティーあふれる読書感想文に出来上がるので、親が誘導することは避けましょう。

日にちを決めて読書感想文を終わらせよう

 あらすじばかりで中身のない読書感想文ばかり書いていると、子どもはせっかくの文章向上の機会を失ってしまいます。最初は親の負担が大きく、事前準備も多いなど何かと手間のかかる宿題ですが、一度マスターすると社会人になってからも通用するスキルを身につけられます。そういった面ではメリットがあるのです。

 皆さんも日にちを決め集中して取り組ませ、子どもに残りの夏休みを楽しく過ごしてもらいましょう。

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