わが子がいじめに! そんなあなたが「モンペ扱い」されずに問題解決できる、5つの「行動マニュアル」

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わが子がいじめに! そんなあなたが「モンペ扱い」されずに問題解決できる、5つの「行動マニュアル」

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中山まち子

教育ジャーナリスト

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わが子がいじめにあっていることを知った時、私たちはどのように行動したらよいのでしょうか。その具体的な行動について、子どもの教育問題に幅広く携わってきた、元塾講師で、ライターの中山まち子さんが解説します。

親ならどうすべき?

 学校に通う子どもを持つ親なら誰しも、「学校内でいじめが起きていないか」と気にかけるでしょう。最近は保護者世代が子どもだったころには存在しなかった、会員制交流サイ(SNS)によるいじめなども発生しており、周囲から気づかれにくいケースも増えています。

 東京都が2018年10月に発表した、「平成29年度における児童・生徒の問題行動・不登校等の実態について」によると、東京都内の公立小中高と特別支援学校でのいじめ発生件数は3万1049件に上ります。そこで今回は、被害者の立場から見た子どものいじめ問題と、その行動マニュアルを公開します。

SNS時代に突入し、さらに陰湿になるいじめ問題(画像:写真AC)



 親がわが子どものいじめを知るのには、時間がかかります。大半の子どもは「親に知られたくない」と、何事もなかったように振る舞うからです。その無理が重なると、食欲不振や起床できなくなるなど、体調や精神に変調となって現れます。親はその頃になって、いじめを受けていることにようやく気づくのです。

突き放すような言動は絶対NG

 いじめに気づいたあとに、親が取り組むべき行動は、

1.必ず子どもの居場所を作る
2.子どもの辛さに共感する
3.いきなり学校に抗議に行かず、文書を提出する
4.加害者の親と直接コンタクトを取らず、学校を介す
5.事態が好転しないなら、積極的に動く

この5つです。ひとつずつ紹介していきます。

1.必ず子どもの居場所を作る
 いじめを受けている子どもは、心にダメージを受けています。子どもが安心して過ごせる場所を、何よりも優先して作るようにしましょう。

 習い事が「オアシス」なら、習い事の先生に相談して回数を増やしたり、滞在時間を長くしたりしてください。学校は行けるけど教室に入れない、という場合は保健室登校をしたり、学校を休ませたりなどして、子どもの心を落ち着かせるようにしてください。

2.子どもの辛さに共感する
 いじめを受けていた子どもは、精神的にボロボロの状態です。わが子の辛さを理解し、「辛かったね」「嫌だったよね」と声を掛けてください。子どもは親からの優しい言葉を何よりも求めています。

 ここで、「いじめられるのはあなたが弱いから」など突き放すような言動をすると、子どもの心が折れてしまう可能性が高くなります。絶対に言わないようにしましょう。「この辛さを一緒に解決していこうね」と、いじめ解決に一緒に取り組む姿勢をみせると、子どもは安心して過ごせるようになります。

わが子を守るために積極的に動こう

 残り3つです。

親が積極的にサポートしよう(画像:写真AC)



3.いきなり学校に抗議に行かず、文書を提出する
「うちの子がいじめられている!」と、学校に殴り込むような真似は絶対に止めましょう。子どもを預かっている学校は、中立の立場で問題を解決しようとします。そのため被害者側にとって、その態度が「事なかれ主義」と映るかもしれません。

 しかしその結果、親が一方的に文句を言うと、「モンスターペアレンツ」と思われてしまい、学校から距離を置かれる危険性があります。学校にいじめの現状を伝える際、電話では感情的になる恐れがあるため、代わりに文書を作成しましょう。コピーなどの証拠も残るのでおすすめです。

4.加害者の親と直接コンタクトを取らずに、学校を介す
 加害者の親と直接コンタクトを取り、謝罪を求めるのは止めましょう。両者が直接会うことで問題が複雑化し、子どもにとって大きなマイナスになります。

「うちの子はそんなことしていません」「言いがかりにもほどがある」と、加害者の親が怒り出して態度を硬化させると、真摯にいじめ問題と向き合わない可能性があるためです。文句のひとつでも言いたい気持ちをグッとこらえ、必ず担任の先生などを介し、被害者側の言い分や、加害者から受けている内容を伝えるよう心がけてください。

5.事態が好転しないなら、積極的に動く
 担任の先生だけでは心細いと感じた場合、学年主任の先生と話をしたい旨を伝えましょう。「クラスだけの問題なのか、この学年全体で見られることなのか気になる」と担任の先生に相談するのです。

 状況が変わらないのであれば、校長や教育委員会にうったえ事態を収拾させるようにしましょう。被害者のうったえを学校が放置しているようであれば人権団体、いじめの内容が悪質ならば警察に相談するなど、わが子を守るために積極的に動くことが求められます。

常に子どもに寄り添い、味方でいよう

 最後にまとめです。

 いじめの発生件数は減少するどころか、増加の一途を辿っています。とくにSNSが原因のいじめは可視化しにくく、学校の先生も把握するのが難しくなっています。

 繰り返しになりますが、子どもは親を困らせたり、悲しませたりしまいと、いじめを受けていることを隠し、無理に明るい子を演じます。普段から会話をし、「そういえば最近、学校の話をしなくなったね」など、子どもの変化を敏感にキャッチしましょう。

 わが子がいじめを受けていると分かったら、感情的にならず心を落ち着かせて子どもを第一に考え、学校と協議を重ねていきましょう。常に子どもに寄り添い、味方でいることを態度で示し、問題と向き合うことを意識してください。

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