格安、気ままに日本縦断? 東京ぶらぶら「物産館」巡り、その無限の楽しみとは

東京に長く住んでいると、物産館に足を運ぶ機会はあまり多くないでしょう。しかし、そんな物産館こそ今面白いとうったえるのは、酒場ライターのパリッコさんです。どのあたりが魅力的なのでしょうか。パリッコさんにさっそく語ってもらいましょう。


まずはふらりと入ってみよう

 都市部に住んでいながら、もしくは、前を通り過ぎたことはありながらも、「物産館」に足を踏み入れたことがないという方は意外と多いんじゃないでしょうか?

 東京ならば有楽町~銀座界隈に特に多く、中でも物産館、アンテナショップの聖地と言って過言でないのが、有楽町駅前の「東京交通会館」(千代田区有楽町)という商業ビル。

・北海道どさんこプラザ
・秋田ふるさと館
・いきいき富山館
・兵庫わくわく館
・わかやま紀州館

などなど、実に十数軒もの物産館がひとつの建物の中に密集し、各都道府県の名物、特産品を所狭しと並べて販売しています。ふらっと散歩するだけでも本当に楽しい!

銀座わしたショップ本店(画像:パリッコ)



 確かに物産館は、各都道府県が気合を入れて自分たちの故郷をPRする拠点です。一つひとつの店舗に、その土地の人々の熱い想いが詰まっている。だからって、こちらまで構える必要はないと思うんです。つまり、冷やかしで入ってなんにも買わなくたって一向にかまわない。

 普段ならあまり目にする機会のない、その土地ならではのローカルな調味料やお菓子などは、パッケージを眺めているだけでも楽しいですし、「あぁ、この県ってこういう名物もあったんだ?」なんて発見がいくらでもある。ヒマつぶしにもなれば、知識欲だって満たせてしまう、物産館って、ありがたくもお得な場所なんです。

 僕はちょっと時間が空くと、近くにどこかの物産館がないか、探しては覗きにいってしまうような物産館好き。お店に入ったらまずは店内を一周し、ずらりと並んだ食材のパッケージをあれこれ愛でます。

 そのうちにどうしても、「これ、どんな味なんだろう?」と気になる食品が見つかる。そうしたら、とりあえず買ってみましょう。物産館に売られている商品は基本、定価です。驚くほど高いものなんてそうありません(高級食材などは別)。「好みじゃなかったらどうしよう」「商品の評判を検索してからにしようかな」……そんなことを考えていると、新しい出会いの機会を逃してしまいます。

 例えば「かまぼこ」ひとつだってぜんぜんいい。買って帰って冷蔵庫に入れておき、それを晩酌のときに開けるときのワクワク感、一度やったらクセになりますよ。

お気に入り物産館あれこれ

 あちこちの物産館へ行きだすと、必然的にお気に入りもできてきます。

 例えば、東京交通会館の1階にある大阪府の物産館「大阪百貨店」。ここはいかにも大阪らしく、店内の厨房で「たこ焼き」「いか焼き」などの粉もんを焼いていて、簡易的なテーブルと椅子のあるスペースで食べられるようになっている。もはやぱっと見、大衆酒場なのですが、そこがいい。

「富士の国やまなし館」の「甲州鳥もつ煮」(画像:パリッコ)



 お酒も「生ビール」はもちろん、「超炭酸トリスハイボール」がバリエーション豊富に揃っていて、関西独特の「冷やしあめ」という甘い飲み物を使った「冷やしあめハイボール」なんておもしろいものまであります。

 あと、ここがとっても重要なポイントなんですが、食べ物がちゃんとおいしい! 本場さながらの、熱々ふわとろのたこ焼きをつまみに飲むハイボール、たまりませんよ。

 ワイン王国・山梨県の物産館「富士の国やまなし館」(中央区日本橋)は、日本橋駅からすぐの場所にあります。ここも立派なイートインカウンターがあり、破格の値段で山梨ワインの飲み比べセットなどが楽しめます。

 さらに嬉しいのがおつまみメニュー。例えば店内でも冷凍販売されているB級グルメ「甲府鳥もつ煮」。これを温めて、きちんとお皿に盛って出してくれるんですが、甘辛いタレの絡んだ旨味濃厚な鳥もつと赤ワインの、贅沢なハーモニーといったら……。

 個人的にもっとも頻繁に通っているのは、銀座にある沖縄県物産館「わしたショッップ本店」(中央区銀座)。一歩店内に入るとそこは南国そのもの。ドリンクコーナーには、「オリオンビール」はもちろん、現地でないとなかなかお目にかかれないオリオンの発泡酒「麦職人」まで普通に売られていて、しかも、おおらかな県民性ゆえでしょう、店内で買ったものは何でもイートインで飲み食いして大丈夫という太っ腹さ。

 ホットスナックコーナーで揚げたての沖縄天ぷらやソーキそばを注文し、それをつまみに爽やかな味わいの麦職人を缶のままゴクゴク。毎度毎度、「ここ、本当に銀座だったっけ?」って気分にさせてもらえます。

知り合いにおすすめを聞いてみよう

 さらに一歩進んだ楽しみかたとして、「人のおすすめ物産品を聞いてメモしておく」というのもあります。

 例えば、仕事で新しく知り合った人が山形県の出身だったとする。そうしたら、「僕、物産館に行くのが趣味なんですけど、山形の特産品でおすすはありますか?」と聞いてみるんです。

 誰しも故郷には思い入れがあるもの。「子供の頃大好きだった」とか「帰省するたびに必ず買う」なんていうその人のお気に入りを教えてもらって、それをメモしておくわけです。未知なる美味と確実に出会うための「ライフハック」ともいえるこの方法、その人との会話が盛り上がるという嬉しいオマケまでついてくるんだから、言うことなしですよね!

山形県の「塩納豆」(画像:パリッコ)



 ちなみに、先日そういう経緯で知った、山形県酒田市の特有の食品「塩納豆」。納豆に麹や昆布などを加えた発酵食品で、いわゆるオーソドックスな納豆を高貴にグレードアップしたような味わいに、納豆好きとして大変うっとりさせられました。

 特に東京の場合は、多くの都道府県の物産館がひとつの街に密集していることが多い。つまり、北海道から沖縄まで、「気ままに日本縦断ごっこ」なんてこともできてしまう。そう、物産館の楽しみは無限に広がっているのです!


【写真】日本橋にある山梨県の物産館「富士の国やまなし館」では、なんと山梨ワインを飲み比べできます!

画像ギャラリー

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