【ベストヒット23区】シャネルズ『ランナウェイ』――大森と羽田で生まれた「2人の鈴木」って誰? 大田区

人にはみな、記憶に残る思い出の曲がそれぞれあるというもの。そんな曲の中で、東京23区にまつわるヒット曲を音楽評論家のスージー鈴木さんが紹介します。


『TRAIN-TRAIN』から感じるある種の先見性

 前回の足立区・北千住駅から日比谷線に乗って秋葉原駅へ。そこからJR京浜東北線に乗り換えて、大田区の玄関口 = 蒲田駅へ。今回の「ベストヒット23区」は、この大田区にまつわる名曲を探ります。

 ひとくちに大田区と言っても、案外面積が広く、実は東京23区の中で1位なのです(2位は世田谷区、3位は前回の足立区)。そのため、東海道線をはさんで、日本を代表する高級住宅街 = 田園調布を擁する「東急圏ウエストサイド」と、下町的な雰囲気の「京急圏イーストサイド」では、イメージがまったく異なります。

 今回は「京急圏イーストサイド」の方に目を向けます。蒲田駅、大森駅、そして羽田空港を結ぶトライアングルの中から、どんな名曲が生まれたのか。

JR大森駅の外観(画像:(C)Google)

 足立区編でのTBSドラマ話の流れで、大田区が誇るTBSドラマと言えば『はいすくーる落書』(1989年)。主演は斉藤由貴。斉藤演じる諏訪いづみが「京浜実業高校工業科」(架空)に英語教師として着任し、不良高校生と格闘するストーリーです。

 このドラマのロケ地が、羽田あたりのまさに「京急圏イーストサイド」。タイトルバックには、まだ羽田空港と直結していなかった頃の京急空港線が映ります(直結するのは1998年のこと)。そのタイトルバックに流れるのが、このドラマの主題歌にして、ザ・ブルーハーツの名曲『TRAIN-TRAIN』。

 この曲を名曲たらしめているのは歌詞。とりわけ強烈なのが「♪弱い者たちが夕暮れ」、そして「♪さらに弱い者をたたく」というフレーズです(作詞:真島昌利)。私はこのフレーズに文学性と、発表からちょうど30年経った現代の時代環境に通じる、ある種の先見性を確かめるのですが。

 それはともかく、『TRAIN-TRAIN』の「TRAIN」とは、あのドラマ上では、当時の不便な京急空港線だったのですね。「♪走って行け」「♪どこまでも」と歌っても、羽田空港の手前で寸止め。あとはバスで行かねばならないのでした。

1970年代の羽田空港を歌った『塀の上で』


【地図で確認】今回舞台となった「大田区」は東京の東南部に位置し、品川・目黒区・世田谷区・神奈川県川崎市と隣接している

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