上皇ご夫妻のお引っ越し先「高輪皇族邸」周辺は、歴史散策にうってつけだった
2019年6月22日
知る!TOKYO上皇上皇后両陛下のご転居先となる港区高輪の高輪皇族邸。周辺は、歴史的な公園や寺など名所が多く、来春開業予定の高輪ゲートウェイ駅も話題です。地形散歩ライターの内田宗治さんが、おすすめの高輪散策コースを紹介します。
上皇上皇后両陛下は高輪皇族邸へ
令和の時代へと移る皇位継承にともなって、皇居にお住まいの上皇ご夫妻と、赤坂御用地にお住まいの今上天皇ご一家は、お住まいを入れ替わられることになります。天皇ご一家が皇居の御所に、というわけです。

それにあたり、明仁上皇・美智子上皇后ご夫妻はまず、今年の秋くらいまでに、港区高輪の高輪皇族邸に移られる予定です。赤坂御用地ではなく高輪皇族邸に移居されるのは、それぞれの御所の改修が必要なためです。
お引っ越しの順序を確認しておきましょう。上皇ご夫妻が高輪皇族邸へと出ていかれた後、皇居の御所の改修に取りかかり、終了後に今上天皇ご一家がそこへお引っ越し。そして赤坂御用地内の御所(旧東宮御所)にバリアフリー化などの改修工事を施した後、上皇ご夫妻が高輪皇族邸(居住期間中の名称は仙洞仮御所)からそこへ越してこられます。
皇居や赤坂御用地に比べ、高輪皇族邸は、ほとんど知られていないのではないでしょうか。どういう場所で、周辺はどんな環境なのか。今回はその一帯を訪れてみたいと思います。
高輪皇族邸の地は、熊本藩細川家の下屋敷跡
散策の起点は、山手線新駅として話題の高輪ゲートウェイ駅(来春開業予定)すぐ近くの都営浅草線泉岳寺駅、および東京メトロ南北線・都営三田線白金高輪駅です。両駅の間には南北に細長く丘(高輪台地)が延びています。

突然ですが、この丘を亀の甲羅に見立ててみましょう。丘の上と丘の下、土地の高低差に注目しながら散策するためです。甲羅の右縁にあたる丘下に山手線、同じく左縁に南北線・三田線が走っている形です。
高輪ゲートウェイ駅側からは、甲羅の真ん中高い所に向けて、伊皿子(いさらご)坂を右から左へと登っていきます。
白金高輪駅側からは、同じく魚籃(ぎょらん)坂を左から右へと登っていきます。甲羅の左右を分ける山の稜線にあたるのが二本榎通りです。この通りに面して左側(西側)に高輪皇族邸が広がっています。丘の上に位置するわけです。
江戸時代、眺めのいい高台は大名屋敷が占めていた例が多く、高輪皇族邸の地は、熊本藩細川家の下屋敷でした。大正時代の一時期は皇太子時代の昭和天皇が住み、昭和の戦前戦後では高松宮邸となった時期もありました。
戦後その一部が払い下げられ、区立高松中学やマンションとなった敷地もありますが、それでも現在の高輪皇族邸は150メートル四方ほどの広さがあります。

New Article
新着記事
Weekly Ranking
ランキング
- 知る!
TOKYO - お出かけ
- ライフ
- オリジナル
漫画