最終処分場からビッグな大仏まで マイナーでも魅力満載「日の出町」を巡る【連載】多摩は今(5)
2021年3月5日
知る!TOKYO東京都の多摩地域西部に位置する日の出町。その知られざる魅力と実力について、まち探訪家の鳴海侑さんが解説します。
町の西半分に町の施設が立地
30の自治体で構成される多摩地域。その中にはふたつの「町」があります。そのうちひとつが多摩川の西にある「日の出町」です。

あまり聞きなれない町名かもしれませんが、町内には多摩地域にとって重要な施設やユニークなスポットがいくつもあります。
日の出町という町名は町内にある「日の出山」(標高902m)からとられています。町の西半分は山地でいくつもの沢があり、沢が合流する場所に町役場(日の出町平井)をはじめ、町の施設が多く立地しています。
また、町の東半分は沢が集まって川幅の広くなった平井川に沿って人家が集まり、川より離れたところには工業団地や大型商業施設が立地しています。
石灰石と縁が深いエリア
町内へのアクセスはクルマが楽ですが、JR青梅線の福生駅あるいはJR五日市線の武蔵五日市駅から発着する西東京バスでもアクセス可能です。以前は鉄道でもアクセスできましたが、現在は廃線になっています。
廃線になった鉄道路線は五日市線岩井支線と名付けられており、武蔵五日市駅から跡をたどることができます。この区間は五日市線の建設を支援した浅野セメント(現在の太平洋セメント)で使う石灰石を運ぶために敷設され、1971(昭和46)年まで旅客輸送が、1982年まで貨物輸送が行われていました。現在も石灰石の採掘は続けられており、現在はトラックによる輸送が行われています。
石灰石の工場がある平井川の沢は登っていくと日の出山に通じます。山の中腹には温泉施設「生涯青春の湯 つるつる温泉」(同町大久野)があり、そこまではバスでアクセスできます。ここで運行されるバスでは変わった車両が運行されています。それが蒸気機関車を模したトレーラーバスです。
「青春号」と名付けられたこのバスはエンジンや運転台があるけん引車と客車の被けん引車で構成されています。似たようなもので連節バスがありますが、運転台と客室が一体的にできている連節バスとはことなり、運転台と客室部が完全に仕切られています。

このトレーラーバス、車体構造が特殊なのもさることながら、免許も通常のバス運行に必要な大型二種免許の他にけん引二種免許というものが必要な特殊なバスです。そのため、路線バスのトレーラーバスは現在ここ以外では運行されていません。大変珍しく、ぜひ温泉や日の出山の登山の際には乗ってみたいバスです。
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