女ひとり、今夜は「はしご酒」 下北沢とっておきの3軒をご紹介!
駅周辺の再開発が進む下北沢。その一方で、地元民から愛され続ける家庭的な飲食店が、変わらぬ姿で営業中です。新しさも懐かしさも感じられるシモキタで、女性がひとり飲みしやすいお店を、ライターが「はしご酒レポート」します。現在開発中の下北沢「陣太鼓」人気No.1の「やきとり盛り合わせ」(2019年3月28日、遠山彩里撮影) サブカルの街として知られる下北沢。「シモキタ」の愛称でおなじみのこの街が、現在大きく変わっているのをご存知でしょうか。 長い間工事を続けていた下北沢の駅が、最近になってやっとその新しい顔を見せてきたのです。その一方で、昔ながらの雰囲気が残っている場所ももちろんあります。 今回は、懐かしさも新しさも感じられる下北沢で、女性がひとり飲みしやすいお店3軒を、ひとり飲みをライフワークとする、ライターの遠山彩里がご紹介します。 1軒目:豪快な塩振りが名物! 家族経営のやきとり屋 まず訪れたのは、下北沢駅中央口を出て4分の「陣太鼓(づんでこ)」(北沢2)。 こちらのお店、なんと1979(昭和54)年から現在まで家族で経営を続けているという老舗。2018年に他界した店主の「お父さん」の意志を引き継ぎ、現在は奥さんの「お母さん」、そして息子の「まーくん」「たっくん」「ゆきひろ」さんが中心となり、お店を切り盛りしています。 さっそくカウンターに座り、ハイボールと一番人気の「やきとり盛り合わせ」(860円、税別)を注文。このとき見逃せないのが、このお店の特徴である“塩振りパフォーマンス”です。両手を大きく使って「パン!パン!」と音を鳴らしながら塩を振る姿がとても有名。これを間近で見られるのも、カウンター席の特権です。 やきとりのなかでも一番人気なのが、豚バラの「信秀」。必要最低限の脂だけを使っているので、脂身が苦手な人でもおいしく食べることができます。普段は2本セットで出てくる焼き物に関しては、おひとり様限定で、5本注文すると好きな種類を1本ずつ選べるという裏技があります。 次に注文したのは、肉汁たっぷりの「とり餃子」(490円)。鶏のひき肉を使ってていねいに焼き上げたもちもちの餃子は、お酒が進むこと間違いなし。気づくと3杯目のハイボールが空になっていました。 店長によると、昔学生だった常連さんが成人した息子さんを連れて飲みにくることもあるようで、とても長い間愛されているお店だと感じました。 1軒目は、自分の家のように居心地がよく、圧巻の塩振りパフォーマンス、おいしいお酒とやきとりを楽しめる「陣太鼓」でした。 2軒目:魚にこだわったアットホームな居酒屋2軒目:魚にこだわったアットホームな居酒屋 温かい家族経営のお店で癒された後は、茶沢通りに向かって2分ほど歩いた場所にある2軒目のお店「ぞっこん」(北沢2)に到着。 「ぞっこん」の様子。お店自慢の自家製ソーセージ(2019年3月28日、遠山彩里撮影) こちらのお店は開店14年目。店の前を通ると、店内のスタッフが「いらっしゃいませー!」という明るい声で出迎えてくれるので、ひとりでも気兼ねなく入れます。 カウンターの前はオープンキッチンで、調理風景を楽しみながらお酒を飲むことができます。さっそく1杯目のハイボールと「自家製ソーセージ」(680円)を注文。目の前で焼かれる大きなソーセージの香りでお酒が飲めます。いったんナイフを入れると、あふれんばかりの肉汁が流れ出てきます。下にひかれたもやしと一緒に食べると、食感が変化します。 「ぞっこん」のこだわりは、豊洲市場から毎朝届く新鮮な魚を使った料理です。そのなかでもおすすめなのが「炙り鯖刺し」(780円)です。目の前でサバの半身を炙ってくれ、レモンを絞っていただきます。和がらしを使った醤油につけて食べると、締まったプリプリの身と、ツンとする和からしの旨さが口の中に広がります。日本酒との相性も抜群です。 ひとり客について店長に聞いてみると、「いますよ。10年以上来てくださる方もいます。あと、カウンターに座ったお客様同士が仲良くなって、一見さんもその日から常連になったり。なので、おひとり様でも気軽にきて来てほしいですね」とのことです。 スタッフみんなが仲良く、アットホームな雰囲気の「ぞっこん」で、最初から最後まで大満足の2軒目でした。 3軒目:牛タンとワインを楽しむカジュアルビストロ 3軒目は、牛タンとワインをカジュアルに楽しめるビストロ「牛タン 夏火鉢」(世田谷区代沢5)です。 入口の“やってます”と書かれた木製の看板が目印。店内はダウンライトで落ち着いた雰囲気です。 このお店、なんといっても牛タン料理が絶品です。まずは赤ワインとお店自慢の「炭火焼き牛タンステーキ」(1000円)を。注文後に焼き始めるので、できたてを楽しむことができます。 一枚一枚が分厚いのに、かむと柔らかくてジューシー。備え付けのレモンやマスタードで、何枚食べても飽きない味に。タンのさっぱりした脂に赤ワインを流し込むと、一連のおいしさを実感できます。 本日の締めは、1番人気の「赤ワインとフォンドヴォーのタンシチュー」(1300円)を注文。とろとろに煮込んだ牛タンは、箸で切れるほど柔らかく、相性抜群な濃厚ソースと絡めて食べることで味をかみしめられます。 ほかにも、肉汁が止まらない「牛肉100%使用!牛タンバーグ」(1200円~)や、牛タンのうま味が凝縮した「ローストビーフタン」(1500円)、さらには「上タントロしゃぶ鍋」(1人前1980円)など、専門店ならではの牛タン料理を堪能することができます。 コスパも良く、スタッフの人たちも気さくなので、時間を忘れて楽しめます。カジュアルな雰囲気で、牛タンとワインを楽しみたいときにおすすめのお店です。 レトロと新しさが入り混じった下北沢で、女ひとり飲みを! 下北沢は古着屋や劇場で有名ですが、居酒屋も多く存在します。さらには、地域をあげてはしご酒イベントを行うなど、酒好きにもぴったりの街です。 今回はそんな下北沢の、女性ひとりでも入りやすいお店を3軒を紹介しました。昔から変わらない常連に愛されるお店や、あたたかいアットホームなお店もたくさんあります。そんな愛であふれた街、下北沢で、ひとり飲みはいかがでしょうか。
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