若い女性の約4割「結婚式興味ない」 そんな背景にある避けられない「世代間ギャップ」
結婚式を行っていない女性の35%が「興味がない」と答えていることがインターネット調査で分かりました。かつては「人生の晴れ舞台」と呼ばれた結婚式ですが、いったいなぜなのでしょうか。結婚式に対する価値観が変化している 結婚準備クチコミ情報サイト「ウエディングパーク」を運営するウエディングパーク(港区南青山)が、2017年以降に結婚した人で、結婚式を行わなかった20代から30代までの女性618人に対して行ったインターネット調査で、時代の流れを感じさせる興味深い結果が出ています。 結婚式を行わなかった理由の1位は「資金不足」(54.2%)。次いで、「他にお金をかけたい」(43.4%)、「子どもがいる・妊娠していた」(36.2%)、「注目を浴びたくない」(36.1%)、「興味がない」(35.4%)などが多くの票を集めました。旧来の結婚式に対する考えは現在、大きく変化しているようです。 結婚式を挙げない理由は人それぞれ(画像:ウエディングパーク) 各回答に寄せられたコメントは、次のとおりです。 ・スピード婚で年齢が若く、新婚生活や新婚旅行にお金をかけたかったから(29歳/女性/会社員) ・妊娠が発覚し入籍したが、お互い貯金をしておらず、アパートも借りなければならなかったから(25歳/女性/会社員) ・実家が遠方のため、結婚式をどこで挙げればベストなのか分からなかったから(27歳/女性/会社員) ・フォトウエディングを、憧れのモルディブで撮りたかったから(26歳/女性/専業主婦) ・互いに年齢が高く、結婚と同時に家を購入したから(34歳/女性/会社員) ・新婚旅行にお金をかけたいから(34歳/女性/専業主婦) ・妊娠発覚してからの入籍で、準備が大変だったから(27歳/女性/アルバイト) ・授かり婚だったので、体調的にも経済的にも余裕がなく、タイミングを逃したから(23歳/女性/専業主婦) ・早産の可能性があり、安定期から入院していたから(26歳/女性/会社員) ・人を招待したり、結婚式で主役になったりするのが気恥ずかしかったから(31歳/女性/パートアルバイト) ・パートナーが結婚式や披露宴にあまり興味がなかったから(24歳/女性/専業主婦) ・夫が転勤族で、友人を呼ぶのが大変だから(29歳/女性/専業主婦) 近年、このように入籍のみを行うことを「ナシ婚」と呼び、ウエディングパークによるとその割合は「年齢や初婚、再婚などの条件を考慮しない場合、全体の50%前後が『ナシ婚』層に該当します」とのことです。 「ナシ婚」は「さとり世代」ならでは?「ナシ婚」は「さとり世代」ならでは? 今回の結果についてウエディングパークは、次のように話します。 「若者の平均年収が減少していることもあり、『どうお金を使うのか』といったことの優先順位付けを行う若者が増えているからです。また妊娠中は体調が安定しないため、式の準備を行えなかったり、子育てに追われていたりして、タイミングを逃してしまったとも考えられます。『注目を浴びたくない』『興味がない』については、一般的に『欲がない』といわれる『さとり世代』の特徴が表れています」 さまざまなスタイルの結婚式が増える一方、「ナシ婚」も注目が集まっている(画像:写真AC)「ナシ婚」といった新たな潮流のほか、少子高齢化や人口減少など、ブライダル業界を取り巻く環境はいっそう厳しいものに。その一方、さまざまなスタイルの式も現れています。 「『ナシ婚』といっても、結婚のタイミングで何も行わないカップルはわずか15%程度。残りは(結婚式の代わりに)なんらかのセレモニーを行っています。ようは、従来の結婚式プランに当てはまらないケースが増えているのです」(ウエディングパーク) 同社によると、「資金不足」層の約30%がフォトウエディング(写真だけの結婚式)を行っているといいます。 また業界各社は、従来の結婚式プランのほか、後払いできる会費形式の結婚式や、家族のみの少人数の結婚式、結婚と同時に妊娠した「おめでた婚」、完全オーダーメイドなど、多彩なプランを用意することで、さまざまなニーズに答えているとのことです。 多様な価値観が生まれるなか、結婚式の「あり方」は今後ますます変化していくでしょう。
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