本日グラウンドオープン! 渋谷の宮下公園が「街歩きできる」ショッピングセンターに大変身したワケ
8月4日(火)にグラウンドオープンする三井不動産の複合商業施設「RAYARD MIYASHITA PARK」。旧宮下公園の敷地全体に建設された同施設にはいったいどのようなテナントが入っているのでしょうか。都市商業研究所の若杉優貴さんが解説します。8月4日グラウンドオープン 明治通りにある宮下公園が、三井不動産の複合商業施設「RAYARD MIYASHITA PARK(レイヤード ミヤシタ パーク)」(渋谷区神宮前)へ生まれ変わり、本日8月4日(火)にグラウンドオープンします。 今回はグラウンドオープンを記念して、一足先に館内を「街歩き」し、その魅力を探っていきます。 閑散とした宮下公園が「街歩きスポット」に レイヤードミヤシタパークは、旧宮下公園の敷地全体に建設された複合商業施設です。 全長330mの建物は大きく3区画に分かれており、渋谷駅側にあたる南街区(4階建て)、表参道側にあたる北街区(3階建て)、そして北街区の北部分にあたるホテル棟(4~18階)からなります。 そしてその最も大きな特徴は、4階部分が区立公園の公立公園「渋谷区立宮下公園」になっているということ。 もともとこの場所にあった同公園は下層階が駐車場・上層階が公園となっていました。 そのため上層階の公園はあまり目立たず、近年はフットサルコートなどスポーツ施設などはにぎわっていたものの、公園部分は遊具も少なく閑散とした雰囲気で「憩いの場」といえる状態ではありませんでした。 官民一体型の新たな公園官民一体型の新たな公園 そうしたなか、公園の老朽化による耐震性不足が明らかになったこともあり、渋谷区は「(仮称)新宮下公園等整備事業」として公園の建て替えを決定。 三井不動産(中央区日本橋室町)と西武鉄道グループの西武造園(豊島区南池袋)の大手企業2社で構成する「宮下公園パートナーズ」が運営を担う、官民一体型の新たな形の公園が生まれることになったのです。 渋谷の街に現れた大型ショッピングセンター「ミヤシタパーク」(画像:ウラカシ) 今回の建て替えにより「公園」自体は屋上になったものの、館内の各所にはテラスや階段が多く設けられているため、「街を巡りながら屋上に行く」という感覚を味わうことができるようになっています。 それでは早速「公園への街歩き」を楽しんでみましょう。東京メトロ渋谷駅からはB1・B2・B7出口が便利です。 グルメを中心に約90店が勢ぞろい 商業フロアには、日本初6店舗、商業施設初31店舗、新業態28店舗を含む約90店舗が出店しています。 渋谷駅に近い南側(東京メトロなら渋谷駅B7出口)からミヤシタパークに向かうと、まず目に飛び込むのは大きな階段とエレベーター、そして「屋台街」を思わせる赤提灯が並ぶという不思議な光景。 ここは「渋谷横丁」と銘打って居酒屋を中心とした産直食材・飲食店・コラボショップ街が並ぶ街区で、恵比寿の人気スポット「恵比寿横丁」を手掛けた浜倉的商店製作所が運営しています。 渋谷駅側・南街区のエントランスは新しい商業施設ながら「屋台街」の雰囲気。こちらからも「公園」へと続くエレベーターや階段が見える(画像:ウラカシ) 以前から、宮下公園横のJR側の路地には「のんべい横丁」がありましたが、ここはその「延長的存在」ともいえ、また「個人店は少し入りづらいかも……」という人のための横丁飲みの「入門スポット」にもなるでしょう。 北側にはラグジュアリーブランドが出店北側にはラグジュアリーブランドが出店 このほか、渋谷横丁の並びである南街区の北寄り(東京メトロなら渋谷駅B1・B2出口)にはアディダスの旗艦店「Adidas Brand Center(アディダス ブランド センター)」、三井不動産グループの法人向け多拠点型シェアオフィス「ワークスタイリング」などが設けられています。「横丁」の横で焼き鳥の匂いを嗅ぎながら仕事を……という生活、なかなか面白いかも知れません。 「横丁」の横にあるシェアオフィス。おつまみの香りにおなかがすいてしまいそうだ(画像:ウラカシ) さらに北側へと足を進めると、北街区の1~2階は打って変わってラグジュアリーな雰囲気。ここには世界初となる「LOUIS VUITTON」のメンズ旗艦店を始め、「GUCCI」「BALENCIAGA」「PRADA」「COACH」などのラグジュアリーブランドが出店しています。 特に目を引くのが「Ronnie Fieg(ロニー・ファイグ)」が手掛けるセレクトショップ兼ブランド「KITH(キス)」の日本国内初となるフラッグシップストア。特徴的なショーウインドーは「インスタ映えスポット」としても話題を呼びそうです。 このほか北街区の3階は飲食店街となっており、渋谷初となる都市型ワイナリー「渋谷ワイナリー」をはじめ、中国、スペイン、シンガポールなど世界各国の料理が楽しめます。海外に出掛けられないこの昨今、飲食街で世界旅行を体験してみてはいかがでしょうか。 館内の連絡通路で南街区に戻ります。 南街区2階には、鎌倉に本店を構える「gram」のアクセサリー雑貨新業態「gram contemporary」や表参道に本店を構えるベーカリーカフェ「パンとエスプレッソとまちあわせ」、渋谷や東京限定のおみやげを扱うコンセプトショップ「THE SHIBUYA SOUVENIR STORE(ザ・シブヤ・スーベニア・ストア)」など、ファッションとグルメの店舗が出店。「キットカットショコラトリー」には体験コーナーも設けられており、友人などと自分だけのキットカットを作ってみるのもオススメです。 最上階には「渋谷区立宮下公園」最上階には「渋谷区立宮下公園」 南街区3階の「FOOD HALL(フードホール)」は、フードコート形式で気軽に「多国籍料理」が楽しめることが特徴です。 多国籍料理が楽しめる南街区3階のフードホール。日本初出店を果たしたアメリカのラーメン店も(画像:ウラカシ) ニューヨークに本店を構えるNYスタイルラーメン店日本1号店「KUROOBI(黒帯)」、アメリカンチャイニーズ「PANDA EXPRESS(パンダエクスプレス)」やメキシカンファストフード「Taco Bell(タコベル)」、コカ・コーラボトラーズジャパン(港区赤坂)のモクテル専門店「VALUME」など6店舗が出店。 このほか、フードホールの外にも多くの飲食店が軒を連ねており、米国カリフォルニア発祥のスムージー・ジュース専門店日本1号店「Jamba」、天狼院(てんろういん)書店が手掛けるBOOK&CAFE「天狼院カフェSHIBUYA」、1995(平成7)年創業のスケートボード専門店「instant skateboards」、高タンパク低カロリー料理専門レストラン「筋肉食堂」、大人のスタジオジブリファン向けアメカジブランド「GBL」など多彩な店舗が出店しています。 GBLにはミヤシタパーク限定商品もあるということで、ジブリファンはチェックをお忘れなく。 そして、最上階にあるのが「渋谷区立宮下公園」。公園にはベンチのある芝生広場、スポーツ施設「ボルタリングウォール」「スケート場」「多目的コート」が設けられているほか、鈴木康弘さんのインスタレーション「SHIBUYA HACHI COMPASS」が設置されています。 公園内にあるカフェ「スターバックスコーヒー」は「fragment Design(フラグメント デザイン)」を主宰する藤原ヒロシ氏がプロデュースしており、同氏がデザインしたミヤシタパーク限定グッズの販売もおこなわれます。 公園は8時から23時(スタバは22時まで)まで利用できるため、仕事帰りにスタバで渋谷の夜景を見ながら優雅なひとときを過ごしてみてはどうでしょうか。 次世代型ホテルも誕生次世代型ホテルも誕生 このほか、北街区のホテル部分には、三井不動産ホテルマネジメント(中央区日本橋本町)の次世代型新ホテルブランド1号店「sequence MIYASHITA PARK(シークエンス・ミヤシタパーク)」が8月1日に開業しています。 北街区の端にあたる「シークエンス・ミヤシタパーク」。地方に行きづらい昨今、都内への旅も悪くないかも(画像:ウラカシ) シークエンス・ミヤシタパークは18階建てで、客室数は240室。施設コンセプトは「PARK MIND」で、誰もがリラックスして自由に過ごせる場所を目指すとしています。 遠くへの旅行が難しい時代。新しくできた都心のホテルの泊まり心地を味わってみるのも新鮮かも知れません。 当面は「予約入館制」 7月28日(火)に一部開業、8月4日にグラウンドオープンを迎える宮下公園とレイヤードミヤシタパークですが、当面は混雑を避けるために「予約入館制」になるとのことで、商業施設への入館にはウェブサイトからの予約をおこなう必要があります。 商業施設の各フロアの入り口には予約を確認する係員が配置されており、そこでチェックを受ける仕組みで、いったん退館して再入館したい場合には再入館券を受け取っておくことも必要となります。 当面は「予約入館制」となる予定。公式ウェブサイトなどをチェックしてから来館した方がよい(画像:ウラカシ) また、屋上(4階)の宮下公園のみを利用する場合は予約せずに入場が可能となっていますが、その場合、当面は渋谷駅側の入り口と直通エレベーターなど一部の入り口からアクセスすることになります。 今後の新型コロナウイルスの感染状況、館内の混雑具合などで対応が変更される可能性もあるため、来館・来園の際には公式ウェブサイトなどでの事前チェックをお忘れなく。
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