クルマ離れ、進んでいる? 持ち家は欲しいけど… ひとり暮らしの「モノ持ち」事情

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クルマ離れ、進んでいる? 持ち家は欲しいけど… ひとり暮らしの「モノ持ち」事情

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「断捨離」という言葉が聞かれて久しいですが、実際、モノを持たない生活を謳歌する人はどの程度いるのでしょうか。

「モノを持たない人」はどのくらいいる?

「断捨離」「ミニマリスト」「若者の車離れ」――。これらの言葉に象徴されるような、「モノを持たない生活」が注目を集めて久しいです。

かつては「所有」することがステータスのひとつだったが…(画像:写真AC)



 本当に「モノを持たない生活」は一般的になりつつあるのでしょうか。

 投資用マンション販売のFJネクスト(新宿区西新宿)が、1都3県でワンルームにひとり暮らしする20~30代の400人(男女200人ずつ)に調査を行ったところ、見えてきたのは「モノを持つ」「モノを持たない」が約半々という結果でした。

女性の方が「モノを持つ」派多め

「あなたは、モノを持つ生活、持たない生活のどちらを志向していますか?」

 この問いに対する回答の過半数を占めたのは、「モノを持つ」派(「持つ生活」19.8%と「どちらかといえば持つ生活」35.0%の合計)で、54.8%でした。

 一方、「持たない」派(「どちらかといえば持たない生活」34.3%と「持たない生活11.0%の合計)は45.3%。両者の差は10ポイント未満のため、大まかにいえば、半々に分かれたといえるでしょう。

 男女別で見ると、「モノを持つ」派は、男性51.0%に対し、女性58.5%。約6.5ポイントの差で、女性が若干上回っていることが分かりました。

 なお、「あなたの持ち物を個別で見た場合、『量が多い』と感じるものはありますか?(複数回答可)」の問いに対し、最も多かった回答は「衣服」で59.5%。男女別では、男性48.0%に対し、女性は71.0%と、約7割を占めました。

「大切に使っているものは何?」 質問から見えたこととは

 モノを大切に使って長持ちさせることを「モノ持ちがよい」と言いますが、「あなたは『モノ持ちがよい』方ですか?」という質問には、全体の過半数(52.3%)が「ある程度よい」と回答。さらに「とてもよい」と回答する人が3割を超える(33.5%)結果に。合わせると、8割超(85.8%)もの人が、「モノ持ちがよい」と自認している様子です。

 では、一体何を大切に長く保有しているのでしょうか。「持ち物の中で、大切に使っているものは何ですか?」という問いに対し、寄せられた回答のなかには、「高校時代から使っているテニスラケット」(男性20代)、「大事な人からもらった衣服」(男性30代)など、自身の思い出と強くつながるものが散見されました。

 そのほか、「18歳のころに買ったコート」(女性30代)、「母から受け継いだ縫い物の道具」(女性30代)、「人からもらった手紙や色紙」(女性20代)なども。

 一方、上位を占めたのは、上から順に「カバン類」(18.5%)、「衣類」(14.5%)「財布」(12.3%)でした。毎日使うもの、生活に欠かせないもの、身に着けるものが並んでいます。

利用してみたいシェアサービスは「クルマ」

 ところで、最近では「モノ」「場所」を、個人で所有するのではなく、貸借し共有する「シェアサービス」や、定額を払い一定期間利用する「サブスクリプション」などの市場が拡大しつつありますが、彼らはどの程度興味を抱いているのでしょうか。

「レンタル、シェアサービスを利用してみたいと思いますか?」という質問に「機会があれば利用したい」と回答した人は半数(50.0%)にのぼりました。ですが、「積極的に利用したい」になると、6.3%。さらに「利用したいとは思わない」は約4割(40.8%)という結果に。「すでに利用している」も3.0%と僅かでした。

「レンタル、シェアサービスを利用してみたいと思いますか?」という質問への回答(画像:FJネクストの調査結果をもとにULM編集部で作成)



 モノは自分で所有するという考え方は、まだ根強く、実態としては、レンタル、シェアサービスは、まだこれからという状況でしょうか。

 なお、前の問いで「積極的に利用したい」「機会があれば利用したい」「すでに利用している」と回答した人(計237人)に、利用してみたいものを聞いてみたところ、最も多かったのは「車」で40.9%。以下、「家電」(31.2%)、「自転車」(31.2%)が続きます。

「『車』を必要な時にレンタルするというのは、公共交通機関が発達している首都圏在住者らしい回答といえます」(FJネクスト)

若者のクルマ離れ進む? 一方「持ち家志向」は依然強い

 レンタルで利用したいもの第1位だった車。ですが「購入」となると意見が分かれるようです。

「車を持ちたいですか?」という質問に対し、「持ちたい」は48.5%、「すでに所有している」は7.8%。合計で過半数を占める一方、「持ちたくない」が43.8%にのぼりました。これは、昨今の「若者の車離れ」を裏付ける結果といえるのかもしれません。

 一方、かつて車と並び、「所有すること」が人生の目標のひとつと言われた「持ち家」に対しては見解が異なるようです。

「将来、自分の家(集合住宅、一戸建て)、を持ちたいとお考えですか?」という質問に対しては、67.8%が「持ちたい」と回答。依然、「持ち家志向」は過半数以上を占めています。

 所有したいものは所有する一方で、シェア可能なものに関しては、シェアを検討する――。今後ますます、レンタルやシェアサービスの広がりが予想されるなか、さらなる変化は起こるのでしょうか。それでも人はモノを持つのか、持たないのか。動向に注目です。

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