江戸時代の改元、理由は「さまざま」だった 国立公文書館で史料展示
国立公文書館で、天皇陛下の退位と皇太子殿下の即位を記念した春の特別展「江戸時代の天皇」を開催中です。江戸時代の改元にまつわる朝幕関係や経緯、朝廷儀式などを、巨大な絵巻物や史料展示を行って解説しています。
江戸時代の元号選定は、朝廷と幕府の関係が強く影響
国立公文書館(千代田区北の丸公園)では現在、天皇陛下の退位と皇太子殿下の即位を記念し、春の特別展「江戸時代の天皇」(入場無料)を開催中です。

本展では、江戸時代における朝廷と幕府の関係、朝廷儀式や改元などについて紹介。45メートルの巨大な絵巻物や、改元に至った経緯などの所蔵資料を公開しています。
国立公文書館によると、江戸時代は現代と異なり、新天皇の即位による改元以外にも大火や地震、疫病の流行や異国船来航など、さまざまな理由で改元が行われていたとのこと。また、元号選定の過程においては、その時々の朝幕関係が強く影響していたそうで、これらの史実を示す展示も行われています。
そのなかに、林 鵞峰(がほう)による「改元物語」の原本があります。これは、江戸幕府に儒家として仕えた林家の二代目・鵞峰が、江戸時代初頭の改元に林家がどのように関与してきたのかを記した書です。「寛永」から「延宝」までの改元に至る幕府内部の議論や、元号についての世間の評判などが書かれているという、興味深いもの。江戸時代にあっても新元号は人々の一大関心事であったことが分かります。
また、目玉のひとつに、江戸時代における最後の譲位となった「光格天皇」の行幸を描いた、45メートルもの長大な絵巻の展示があります。光格天皇は明治天皇の曾祖父にあたります。上皇の御所である「桜町殿」へ移動する行列の様子を描いたもので、天皇の乗物である「鳳輦(ほうれん)」や行列見物の人々、京都所司代による警固の様子などが描かれている貴重な絵巻。一度に全てを展示するのは無理なので、期間を分けて公開部分を変えていくとのことです。

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