アジア人起業家たちは東京再生の起爆剤となるか――多様性の街「新大久保」から考える
2020年1月6日
知る!TOKYO日本で働く外国人が増えるにつれ、起業する人たちも増えています。彼らの根底にあるのは「故郷に錦を飾りたい」という思いです。アジア専門ライターの室橋裕和さんが解説します。
4店の飲食店を経営する、やり手ベトナム人
韓流ファンで賑わう新大久保の一角にある「エッグ・コーヒー」(新宿区百人町)は、夕方や週末ともなればたくさんのベトナム人で賑わいます。
看板メニューは店名ともなっているエッグコーヒーで、卵黄とミルクを撹拌してふわふわの泡状に仕立て、これをベトナム産のブラックコーヒーの上に乗せたもの。ベトナム北部ハノイでは有名なスタイルで、日本では同店が初めて提供したのだとか。泡の上にはかわいらしいラテアートも描かれ、崩すのが惜しくなります。
この店を経営するのは30歳のベトナム人男性、ズォン・アン・ドゥックさん。「エッグコーヒー」だけでなく、韓国風の焼き肉屋、それに2軒のタピオカ店も持っている、若き起業家なのです。

日本に来てまだ6年だというのに、日本語をマスターし、会社を興し、ベトナム人や日本人の従業員を雇って、いくつもの店舗を切り盛りする――ドゥックさんのような外国人がいま、少しずつ増えています。異国で起業し、大きな成功を目指す若者たちを見るようになりました。
おもに飲食の分野に多いのですが、ほかにもIT関連、貿易、観光など、さまざまな分野でビジネスを立ち上げ、チャレンジしていくのです。その身軽さと失敗を恐れない度胸は、いまの日本人が失ってしまっているものかもしれません。

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