おおたかの森に新ショッピングセンター「コトエ」誕生――競合店と一味違うテナント構成、その理由は?

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おおたかの森に新ショッピングセンター「コトエ」誕生――競合店と一味違うテナント構成、その理由は?

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若杉優貴(都市商業研究所)

都内から30分とアクセス抜群のおおたかの森に新しくできるショッピングセンター「コトエ」。その魅力について、都市商業研究所の若杉優貴さんが解説します。

おおたかの森に第二のショッピングセンター誕生!

 つくばエクスプレス流山おおたかの森駅前に新たなショッピングセンター「コトエ流山おおたかの森」が2022年4月27日に開業します。

流山おおたかの森で一番のショッピングスポットといえば高島屋系の「おおたかの森S.C.」。 それに続く第二の大型ショッピングセンターとは…?



 流山おおたかの森駅前といえば大手百貨店・高島屋グループの「流山おおたかの森S.C.(ショッピングセンター)」が大きな人気を誇りますが、コトエはそれとは一味違う店づくりを特徴とします。一体どういった内容となるのでしょうか。

高島屋系・おおたかの森SCとは違う「庶民派」ショッピングセンター「コトエ」

「コトエ流山おおたかの森」が出店するのは流山おおたかの森駅の北口。高島屋グループの「流山おおたかの森S.C.」が出店する駅南口とは逆側にあたります。

4月27日に開業する「コトエ流山おおたかの森」。(撮影:山村拓巳) 出店先はおおたかの森S.C.と線路を挟んで逆側の駅北口。

 コトエを運営するのは不動産・住宅設備メーカー大手の大和ハウス工業。同社によるとコトエ(COTOE)とは「事に会う=事会=コトエ」に由来するとのことで、建物は2館体制、延床面積は両館あわせて約33,000㎡。見た目は高島屋グループの「流山おおたかの森S.C.」と同様に普通の箱型ショッピングセンターですが、大きく異なるのはそのテナント構成です。

「コトエ流山おおたかの森」ロゴタイプ。(大和ハウス工業リリースより)

 コトエのコンセプトは「わが家のビッグパントリー」(パントリー=食品倉庫)で、核店舗となるのは川崎市に本社を置くディスカウントスーパーの「食生活ロピア」(4月21日先行開業)。
 流山おおたかの森駅の周辺には高島屋グループの「流山おおたかの森S.C.」に出店する「高島屋」と「イトーヨーカドー」をはじめ、イオングループの「マルエツ」と「カスミ」など複数のスーパーがあるものの「ロープライス」「ディスカウント」を標榜する店舗する店舗はなく、流山市のなかでは比較的食品価格が高いエリアでした。

おおたかの森は「流山のなかでは食品価格が比較的お高いエリア」と言われてきましたが、今後は価格競争の激化も…?

 一方、コトエの核店舗となるロピアは「ロープライス+ユートピア」を由来とする店名を持つことからも分かるように「価格競争力の高さ」をウリとするスーパー。現在のおおたかの森エリアでは、コトエの向かいにあるスーパー「ベルク」も精肉が安いことで人気を集めていますが、ロピアの進出によって今後は周囲のスーパーも巻き込むかたちでの価格競争が繰り広げられることになるかも知れません。

コトエおおたかの森の核店舗はディスカウントスーパーの「食生活ロピア」。(撮影:山村拓巳)「ただ安い」だけではなく、お寿司バイキングや特徴的装飾などディスカウントらしからぬアミューズメント性のある売場づくりも特徴とします。

 このほかのコトエに出店する大型テナントも、これまで流山おおたかの森駅前にあった店とは一線を画すもの。例えば、家電量販店「コジマ×ビックカメラ」、ベビー用品「西松屋」、自転車「サイクルベースあさひ」、ゲオ傘下のリユース店「セカンドストリート」、大衆理容店「QBハウス」、骨董・宝飾品買い取り店「おたからや」、回転寿司「銚子丸」などなど――そう、コトエの最も大きな特徴は「駅前でありながらロードサイド中心に展開する店舗を集積させた」ことなのです。

駅前にロードサイド店を集積、「車がない子育て世代」の味方に

 コトエに出店するようなロードサイドでよく見られる大型専門店は「カテゴリーキラー」とも呼ばれ、業態や販売品目を特化して大量販売することで商品価格を安くすることを特徴としており、流山周辺では国道16号線(東京環状道路)や国道6号線沿いに出店しているものもいくつかあります。おおたかの森エリアでも「自家用車で豊四季や国道沿いにある子供服チェーンやリユース店などに行ったことがある」という人は少なくないでしょう。それゆえ、地方出身者にとってみてもコトエは新鮮味にかける「全国どこでもあるような『ありきたり』なテナントばかりだ」と感じる人も居るかも知れません。
 一方で、こうしたロードサイド立地が多いカテゴリーキラー店は、地代が高い大都市圏の大きな駅前や地域一番店のショッピングセンターではあまり見られない存在でした。

コトエには大きな駅前ではあまり見かけない「西松屋」も出店。(撮影:山村拓巳) 今まで郊外まで買い物に行っていた子育て世代もいるのでは。



 流山おおたかの森は子育て世代が多いがゆえ、お手頃な商品を揃えるロードサイド店・カテゴリーキラー店の需要があると思われるものの、現在の流山おおたかの森駅周辺には車を持たない住民も少なくなく、こうした人々はロードサイドの店舗まで足を延ばすことが難しいため、コトエに出店するテナントは「行きたくても縁が無かった待望の店たち」であるといえるでしょう。

ロードサイド店が集積する柏市の国道16号線沿い。(撮影:山村拓巳) おおたかの森に住みながらも「車で16号線まで買い物に行く」という人もいるのでは。

 絶対的な人気を誇る高島屋の「おおたかの森S.C.」があるがゆえ、あえて最初から「地域2番店戦略」を採ることでロードサイド店の集積に成功した「コトエ流山おおたかの森」。
 「駅前に生まれたロードサイド」は、地元住民にとって「家族で普段着のまま気軽に行けるショッピングセンター」となりそうです。

コトエ流山おおたかの森

住所:千葉県流山市おおたかの森 1丁目西15番3
営業時間:10時~20時(店舗によって異なる)

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