簡単3ステップ! コロナ発症&重症化を防ぐ「免疫力」、動いて食べてこう高める

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簡単3ステップ! コロナ発症&重症化を防ぐ「免疫力」、動いて食べてこう高める

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新型コロナウイルスとの戦いは、まだまだ予断を許さない状況です。そんな中で自分を、そして、大切な人を守ってくれるのが「免疫力」です。[監修:江東区森下 イシハラクリニック副院長 石原新菜医師]

「免疫力」とはいったい何か?

 いまだ収束に至らない新型コロナウイルス。大切なのは感染しないこと。そして、万一感染しても、発症させない、重症化させないこと。そのために重要なのが「免疫力」です。

 たとえ、同じウイルスにかかっても、熱や倦怠感、息苦しさといった症状を「発症する人」と「発症しない人」がいます。同じように、肺炎などの重篤な症状になってしまうまで、「重症化する人」と「重症化しない人」がいます。その差こそが「免疫力の差」なのです。

あなたの「免疫力」は大丈夫?(画像:写真AC)



 免疫力は、ウイルスや病原菌に打ち勝つために、人が持てる最大の防御装置です。しかし、その働きは20代がピークで、年齢とともにどんどん下がっていきます。高齢になるほど、感染症にかかったときに重症化しやすいのはこのためです。

免疫力は「2段構え」で体を守る

 免疫力には大きく分けると、

1)敵を侵入させない
2)侵入した敵と戦う

という2つの働きがあり、2段構えで体を守っています。免疫の仕組みはとても精密にできており、どれが欠けても、免疫力は正常に発揮されません。

1)敵を侵入させないための「粘膜免疫」

 ウイルスが侵入しようとしたときに、最初に働く免疫機能。目、鼻、口などの粘膜に存在する「IgA抗体」という免疫物質がウイルスを体外へ押し流して、体内に侵入するのを防ぎます。

IgA抗体は鼻水や唾液の中に存在し、ウイルスを押し流して感染を防ぐ

2)侵入した敵と戦うための「免疫細胞」

 粘膜免疫で防ぎきれなかったウイルスが体内に侵入すると、今度は体内の免疫細胞の出番。さまざまな働きをする免疫細胞が力を合わせて敵を撃退します。シリーズ累計発行部数700万部を突破した大人気漫画「はたらく細胞」に登場するキャラクターたちは、この免疫細胞をモデルに描かれているのです。

 免疫細胞には、生まれながらにして備わっている「自然免疫」と、予防接種や、過去にその病気に感染することによって獲得する「獲得免疫」があります。

さまざまな種類の免疫細胞が力を合わせて敵を撃退

<自然免疫チーム>
体内を常時パトロールし、敵を見つけたら即座に攻撃する前線部隊。

<獲得免疫チーム>
自然免疫の指示を受け出動。敵に合わせた武器を作って攻撃し、撃退する。

免疫力を高める3ステップ

 免疫力には大きく分けると、敵を侵入させないための「粘膜免疫」と、侵入した敵と戦うための「免疫細胞」という2つの働きがあります。日常生活でちょっとしたことを心がけるだけで、これら免疫力は簡単に高めることができます。

1)粘膜で異物をバリア! 「鼻呼吸」のススメ

鼻毛や鼻粘膜は、ウイルスをブロックするフィルターの役割をしてくれます。また、鼻から吸い込んだ空気は温かく、適度に加湿されているため、口から直接、肺に向けて乾いた空気を吸い込むよりも、感染予防に効果的です。

鼻呼吸と口呼吸でウイルス感染率が変わる



<鼻呼吸>
異物の多くが鼻の粘膜に吸着されるため、吸い込まない。空気が鼻腔で温められ、適度に加湿されるため、喉にも優しい。

<口呼吸>
大気中のウイルスが含まれた空気を直接吸い込む。冷たく乾いた空気が喉を直撃し、傷つける。

2)動いて免疫細胞を活性化! 「ゆっくりスクワット」

免疫細胞の中心的存在であるNK細胞は適度な運動により、活性化することが分かっています。また、そもそも、免疫細胞は寒さに弱いため、運動して体が温まると活性化します。おすすめは下半身の筋肉を鍛えること。全身の筋肉の70%は下半身についています。ここを鍛えることで効率的に熱を生み出し、すぐに体が温まります。

スクワットでNK細胞が活性化する

<ゆっくりスクワットのやり方>
1)肩幅程度に足を開き、つま先を前に向ける。
2)つま先と膝は同じ方向に向け、お尻を突き出すように、太ももと床が平行になるまで膝を曲げる。その姿勢で2秒キープしたら、膝をのばして元の姿勢に。

1)と2)をゆっくり10回繰り返し

3)食べて免疫細胞を活性化! 「みそ汁でお手軽腸活」

体内の免疫細胞のうち、なんと7割が腸にすんでいます。そのため、腸内環境を整えることは、免疫力アップにつながるのです。腸内環境といえばヨーグルトですが、冷たいヨーグルトは腸を冷やし、逆に免疫力を下げてしまうことも。おすすめは発酵食品の「みそ」を使った温かいみそ汁です。

免疫のためには朝一杯のみそ汁がおすすめ

<お手軽腸活みそ汁の作り方>
沸騰したお湯にネギとショウガを入れ、みそを入れて味付けしたものを毎朝飲む。みそは発酵食品のため、乳酸菌の宝庫。温め食材のネギ、ショウガと合わせると、体温の下がった朝の体がじんわり温まります。

 毎日のちょっとした心がけの積み重ねが、あなたの免疫力をアップさせ、体を守る力を高めてくれます。マスクや手洗いなどの日々の予防を徹底することも、もちろん大切です。日々、できることを続けていきましょう。

イシハラクリニック(江東区森下)副院長 石原新菜医師

【略歴】
自然医学の権威である石原結實の長女で現役医師。現在はイシハラクリニックにて、漢方医学、自然療法、食事療法による治療にあたるかたわら、主治医が見つかる診療所(テレビ東京)をはじめとしたテレビ・ラジオ、講演、執筆と幅広く活躍中。

【主な著作】
・お医者さんがすすめる不調を治す10倍ショウガの作り方 (アスコム)
・やせる 不調が消える 読む冷えとり (主婦の友社)
・オトナ女子の不調がみるみる改善する本 (新星出版社)
・バウエルダイエット (幻冬舎)
・空腹の時間が健康を決める (新星出版社)

【クリニック情報】
イシハラクリニック
・住所:東京都江東区森下1-5-5-607
・診療時間:10:00〜18:00(木・土は17:00)
・完全予約制
・休診日:日・月・祝日
・アクセス:都営新宿線・都営大江戸線森下駅A7出口から徒歩1分、東京メトロ清澄白河駅A1出口から徒歩5分

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