スマホ猫背になってない? 悪い“姿勢”は不調の原因…専門家が教える正しい姿勢の作り方

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スマホ猫背になってない? 悪い“姿勢”は不調の原因…専門家が教える正しい姿勢の作り方

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 子どもの頃、「姿勢が悪い」と注意されたことはありませんか。しかし、そもそも、姿勢が悪いことはなぜいけないのでしょうか。スマホが必需品となった現代の私たちにとって切実な問題である「スマホ猫背」についても考えてみましょう。(ULM編集部)
[以下の記事監修:健康ソムリエ協会(中央区日本橋 水天宮前)理事・健康運動実践指導者 岡田むつみ]

背骨は体の「屋台骨」

 姿勢を形作る背骨は1本の骨ではなく、上から、頸椎(けいつい)、胸椎、腰椎、仙骨、尾骨で構成されています。これら一つ一つの骨が積み重なって絶妙なS字を描き、上半身の重みをうまく分散することで、私たちは歩いたり、体をひねったり、自由に動くことができるのです。

 背骨は、生きる上で大切な役割を数多く担っています。

・頭(成人では4~6キロ)を支える
・内臓を正しい位置にキープする
・心臓や肺などの臓器を守る
・血を作り、全身の細胞を活性化する
・神経を保護する

背骨は体の「屋台骨」として、大切な役割を担っている(画像:写真AC)



 姿勢が悪いということは、これらの大切な働きを損ねている状態に他なりません。ゆがんだ骨が筋肉を傷つけたり、肺や心臓が圧迫されて呼吸が浅くなり、血流が悪くなったりと、体に大きな負担をかけることになります。

 つまり、姿勢が悪いことは、ただ見た目が悪いだけでなく、体中にさまざまな不調を引き起こす原因になるのです。

今、どんな姿勢でスマホを見ていますか?

 この記事を読んでいるあなた。姿勢は大丈夫ですか。背骨が曲がった状態、いわゆる「猫背」には、背中が丸くなる「背中猫背タイプ」や、おなかを突き出し、腰を反らせる「反り腰タイプ」など、いくつかのタイプがあります。

 中でも気を付けたいのが、首がまっすぐになり、顔を突き出すような姿勢「ストレートネックタイプ」。スマホを頻繁に使う人に多いことから、「スマホ猫背」とも呼ばれます。

普段、スマホを使うイメージで、鏡にうつった自分の姿勢を確かめよう

 スマホ猫背になりやすい人、または既になりかけている人の特徴は以下です。心当りが多い人は要注意ですよ。

・スマホを頻繁に使う
・ほおづえをつく癖がある
・朝起きたときに首が痛い
・肩こり、首こり、頭痛もち
・二重あご(ほおや顔周りにお肉がついている)
・喉風邪を引きやすい

背中美人で、キレイ&健康に!

 私たちは背中側から背骨を引っ張る背筋と、おなかに力を入れて胸を押し上げる腹筋の両方を使って、姿勢を保っています。そのため、どちらかの筋肉が弱くなるとバランスが取れず、正しい姿勢を保てなくなります。

 しかも、筋肉を使わずに全体重を背骨だけで支えようとするため、無意識に無理な姿勢を取り続けた結果、筋肉や骨を痛めてしまうことも。運動不足気味の人や、もともと筋力の少ない女性は背筋と腹筋の力が足りないことが多いため、特に注意が必要です。

 また、姿勢には柔軟性も大切。年齢を重ねるごとに筋肉や関節のしなやかさが失われ、体の可動域が狭くなっていきます。すると、筋肉が凝り固まって、背骨のゆがみの原因になるのです。仕事で長時間、座りっぱなしや立ちっぱなしの人は危ないと言えます。

座りっぱなしで体が凝り固まっていない?(画像:写真AC)



 姿勢を正すだけで、脳の血中酸素が平常時の122%に上がったという報告もあります。正しい姿勢になると、酸素が体中に行きわたり、肩こりや目の疲れが和らいだり、楽に呼吸しやすくなります。自律神経のバランスが整い、リラックス効果も。体の緊張が緩み、精神的にも安定します。

 姿勢の改善は時間も場所も選ばず、誰もが今すぐにできる健康法です。キレイと健康のために、今日から、背中美人を目指してみませんか。

「正しい姿勢」の作り方

<立つとき>

順番に従って、ゆっくり体を起こしていきましょう



1)両足のかかとをそろえ、つま先を10センチ程度広げて立ち、上半身を前に倒す。(ひざを曲げて力を抜く)
2)お尻の穴をしめ、太ももの内側が正面に向く(外股)イメージで、おへそを見たままゆっくりとひざを伸ばしていく。
3)ひざが伸びたら、骨盤の上に背骨~首の骨を一つずつ丁寧に積み上げるように上半身を起こしていく。
4)目線は軽く上げ、大きく胸に鼻から息を吸い込みながら、肩をクルッと後ろに1回転させて胸を張る。反りすぎた背中を戻すため、お腹をひっこめる動作であばら骨をしめる(頭のてっぺんから、かかとの真ん中を一直線で結んだ線の上に耳、首、肩、ひじ、ひざがきていればOK)

<座るとき>

「座って前かがみ」は最も負担が大きい姿勢です。前かがみにならないよう注意!

ポイント
・よりかからない
・あごを引き、頭はまっすぐ、首の上へ乗せる
・おなかに横線が入らないように背筋を伸ばす
・ひざと腰の角度は90度
・足の裏全体を床にぴったりくっつける
・ひざよりもかかとを少し後ろに引く

<スマホ猫背には>

スマホ猫背の改善には、首伸ばしのストレッチが有効です

1)後頭部で壁を押すイメージで真っすぐあごを引き、首の後ろの骨を片手で押さえる。
2)もう一方の手であごを上向きに持ち上げる。
3)「ハッハッ」と口で息を吐きながら、指で軽くあごを押す。
※20回繰り返し

【記事監修】
岡田むつみ
健康ソムリエ協会理事
健康運動指導士
健康運動実践指導者
・ダンス技能指導士

健康ソムリエ協会(中央区日本橋 水天宮前)理事 岡田むつみ

【略歴】
国民の健康寿命の延伸を目標に掲げ、健康に必要なことを学べる講座「健康ソムリエ講座」のカリキュラム開発に従事。
「健康ソムリエ講座」では、講師や実技の指導者としても登壇し、受講者が伝統医学と現代医学の両医学から健康的でいるために必要なことを理解し、養生を生活に取り入れられるよう指導。養生文化の普及に努めている。

【監修・出演作品】
・お家で/3分で/症状改善「元気ストレッチ」DVD

【所属団体】
健康ソムリエ協会
・住所:東京都中央区日本橋箱崎町36-2Daiwaリバーゲート16階
・受付時間:9:30~18:00
・定休日:土・日・祝日
・アクセス:東京メトロ水天宮前駅1a出口

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