上達しなくてもいい、楽しいから。東京で支持集める「女性限定」のフットサルサークル

  • ライフ
  • 池袋
上達しなくてもいい、楽しいから。東京で支持集める「女性限定」のフットサルサークル

\ この記事を書いた人 /

アーバンライフ東京編集部のプロフィール画像

アーバンライフ東京編集部

ライターページへ

フットサルに興味のある女性のニーズをとらえ、多くの参加者を集めているサークルが東京にあります。その人気の背景には、女性が気軽にスポーツを楽しみ、仲間と喜びを分かち合うためのさまざまな気配りや仕掛けがありました。

女性が気軽に楽しめる環境を作りたかった

サッカーよりも少ない人数で気軽に試合ができるフットサル。東京でもさまざまな社会人サークルが活動しています。そのなかで、「女性限定のフットサルコミュニティ」として注目を集めている団体があります。

ULVOが主催する練習会の様子(画像:ULVO)



それは、2012(平成24)年に設立の「ULVO(ウルボ)」です。主に池袋や渋谷、有明などでフットサルの練習会やゲームを開催するほか、東京都のリーグに所属する本格的な女子競技チームも運営。2018年6月の取材時までにのべ3000人以上が主催イベントに参加しているといいます。

参加者のほとんどは20代~30代の女性で、約8割が未経験か初心者。関連グッズの買い物ツアーやファッションショーイベントなど、フットサル以外でも楽しめる活動もたくさんあり、多くの参加者に支持されています。

なぜ女性に特化したフットサルのサークルを作ったのか? ULVOの代表をつとめる山本美樹さんがULVOを設立した2012年当時、男子サッカー日本代表や「なでしこジャパン」の活躍でフットサルに興味を持つ女性は増えているのに、「フットサルをやってみたいけど、女性だけでできる環境がない」という悩みがあったといいます。

「女性同士でフットサルを始めようと思っても人数が少なかったり、レディースデザインのウェアがなかったりと、いろんな課題がありました。そこで、女性がもっと気軽にフットサルを楽しめる充実した環境を作りたいと思ったのです」(山本さん)

そんな状況のなかで立ち上がったULVOが現在まで一貫して続けているのが、女性のためのフットサル練習会です。

安心して「フットサルの楽しさ」味わえる練習会

男女ミックスの練習会も開催するが、あくまで「主役は女性」(画像:ULVO)

ULVOが実施しているのは、フットサルの基礎を身につける練習会や、実際の試合を体験できる男女ミックスのゲーム会や大会など。公式チーム「BELINDA」の選手と交流できるイベントもあります。いずれも1人から参加できますし、サークル会員になると毎回の参加費が割引になるなどの特典も。

女性のためのサークルなのに、「男女ミックス」のイベントを行うのには理由があります。

「ULVOの練習に参加する女の子たちはほとんどが初心者。十分な練習を積まないまま試合をしても、パスがまともにつながらなかったりしてゲームが成立しない場合が多いんです。かといって、練習ばかりではつまらないから、ゲームの面白さも味わいたい。そこで、経験豊富で協力的な男性プレーヤーにお願いして、サポートに入ってもらうのです」(山本さん)

目的はあくまで女性がフットサルを楽しむため。女性が主体なので、男女ミックスでも安心して参加できるというわけです。

「上達」よりも「友達との時間」が大事

ハイタッチでゴールの喜びを分かち合うのも、ULVOの独自ルールのひとつ(画像:ULVO)

ULVOでは初心者でもフットサルの楽しさを味わえるよう、「試合中の激しいチャージやスライディングなどは禁止」といった独自のルールを取り入れています。なかには、「ゴールを決めたらハイタッチしてワイワイする」といったものも。山本さんは、このように競技に直接関係のない部分も、とても大事なのだといいます。

「もちろん、『今よりもっと上手くなりたい』という本格志向の人もいますが、ほとんどの参加者はフットサルをすることよりも、『仲間のみんなに会いたい』『女子同士でワイワイ楽しみたい』『運動不足を解消したい』といったことを求めているのです。

女性たちがフットサルを通じて友達を増やし、ライフスタイルをより豊かにできるような場所になればいいなと思っています」と話す山本さん。今後はヨガや料理教室など、より多彩なイベントにもチャレンジしてみたいといいます。

ULVOオリジナルのユニフォームは、コートでの見栄えを細部まで工夫した、女性のためのウェア(画像:ULVO)

また、フットサルに参加する多くの女性に「かわいいウェアを着たい」という要望があることから、ULVOでは女性目線でデザインされたオリジナルのユニフォームも製作しています。

緑色のコートに映えるオレンジ色をベースにしつつ、左右の袖の色を変えてカラフルに。両脇に入っている水玉模様のラインは身体がスリムに見える効果もあり、イベントなどの場で「写真映えする」と好評だそうです。

大人になっても気軽にできるスポーツ

「女性のフットサル人口をもっと増やしたい」という思いからULVOの活動を始めた山本さんですが、フットサル自体が大人の女性に向いているともいいます。

「1チーム5人で小さなコートを走り回るという点からも、サッカーよりバスケットボールに近い感覚だと思います。体育や部活でバスケをやったことのある人は、より入りやすいかも知れません。社会人女性の間で『ストレス解消になる』という声も多く聞きます。大人になっても気軽にできるスポーツとして、おすすめだと思いますよ」と、山本さんは話しています。

関連記事