【東京出身タレント名鑑】一発屋じゃなかった? タメ口芸人フワちゃん(八王子市)が今もテレビに出突っ張りのワケ
多くの俳優やアーティスト、タレントたちを輩出してきた街・東京。そんな東京出身の有名人にスポットを当てて、その人柄や魅力に迫ります。今回紹介するのは、YouTuber芸人のフワちゃんです。日本が誇る高尾山の八王子市出身 ここ数年、小中学生の「なりたい職業ランキング」上位に挙がるYouTuber(動画投稿者)。YouTuberとしての活動を皮切りにテレビ界へ進出、大ブレイクしてその名を全国区へと広めるタレントも続々登場しています。 その代表格のひとりが、今やテレビで見ない日はない活躍ぶりで知られているフワちゃんです。 日本ネイリスト協会がネイルを愛する著名人を表彰する「ネイルクイーン」の2020年タレント部門に選ばれるなど、大注目を集めたYouTuber芸人フワちゃん(画像:日本ネイリスト協会) 最近では「クレヨンしんちゃん」の映画29作目となる『映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』(2021年4月23日全国公開予定)に、本人役で声優出演を果たしました。 1993(平成5)年11月生まれのフワちゃんは、八王子出身。大手エンタメ系ニュースメディアORICON NEWSの記事によると、タレントのヒロミさんを筆頭に同市ゆかりの芸能人で結成されている「八王子会」のメンバーでもあるそう。 同市は東京都の南西部に位置しており、面積およそ186.38平方キロメートル。東京都の全62市区町村の中で、奥多摩町に次ぐ2番目の広さを誇ります。人口は約56万2000人(2020年3月末日時点)。 八王子を語るうえで欠かせないのは、何といっても高尾山でしょう。春には桜、秋には紅葉、そして冬至の頃には富士山に夕日が沈む「ダイヤモンド富士」を拝むことができます。訪日外国人観光客向けガイドブック「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で三つ星を獲得した、東京のみならず日本が誇る名山です。 また、自然あふれるスポット「夕やけ小やけふれあいの里」や、八王子産の農産物直売所やキャンプ場もある半面、八王子駅前には大型の商業施設が建ち並び、都心へのアクセスも非常に便利。 そんな八王子の街が出身のフワちゃん。ブレークした2020年に続き、2021年も引っ張りだこの活躍を続けています。今回は、彼女が業界から支持され続けているワケを、その人物像から紹介していきます。 さっしーの紹介でテレビ出演さっしーの紹介でテレビ出演 フワちゃんのブレークのきっかけは2019年。バラエティー番組『ウチのガヤがすみません!』(日本テレビ系)で、もともと友達だったという指原莉乃さんが、注目するYouTuber芸人として紹介したことです。 それ以来『7RULES』(フジテレビ系)で「おしゃれは足し算」と語っているように、スポーツブラが基本の超カラフルコーディネートとお団子ヘアという独自のスタイルを築き上げています。 東京都の全62市区町村のうち2番目の広さを誇る八王子市(画像:(C)Google) そんなファッションに身を包んだ彼女の、弾丸ハイテンショントークを繰り広げるキャラクターが受け、ときには賛否両論を巻き起こしながらもたちまちテレビにCMに引っ張りだことなりました。 『7RULES』によれば2020年は330本を超えるテレビ番組に出演し、「ネイルクイーン」「ギャラクシー賞」など数々の賞を受賞したほか「2020ユーキャン新語・流行語」でもトップ10入りを果たしています。 近年なかった「タメ口」芸風近年なかった「タメ口」芸風 フワちゃんのもうひとつの代名詞といえば、大御所タレントにも全く物怖じしない、“やりたい放題”の自由な言動と、敬語を使わず友達ばりのフレンドリーさで絡んでいくことです。 その芸風の理由は何か。フワちゃん本人が「Yahoo!ニュース」オリジナル特集(2020年12月25日配信)のインタビューで次のように語っています。 「別に尊敬してないとかナメてるからタメ口っていうわけじゃなくて。あたしはついこの間まで素人だったから、テレビを見て『松ちゃん』とか『さんま』って言っていた。だからやっぱりそこは律義な感じで呼び捨てにしたい」 そのタメ口がさらにフワちゃんワールドを誇張させ、番組の見せ場を連鎖的に作り出しているようです。 また、傍若無人とも取られかねない芸風の裏には「実は礼儀正しいイイやつ」という、相反するキャラクター像を当てがわれたこともブレークを加速させました。彼女は「テレビ的にイジりやすい」という強みを得たわけです。 視聴者は気づかない細かな気配り フワちゃんが生み出す弾丸ハイテンショントークの中には、実はハイセンスなワードがひとつふたつと入っていることがあります。 大御所タレントを呼び捨てにしていながらも「◯◯だから優しいよ!」「◯◯だし大好き~」と、随所に愛嬌のある心遣いが見受けられます。 たとえ視聴者が気づかなかったとしても、言葉を向けられた相手の大御所にはきちんと届いている。それにより彼らは少しずつフワちゃんのキャラクターを受け入れ、気づけばかわいがるようになっていくのでしょう。 彼女が「実は礼儀正しい」「空気を読んでいる」などと評されるゆえんです。単なる“無礼者”ではなく、賢さ・したたかさという資質と戦略を見て取ることができます。 英語スキルと見た目インパクトの強み英語スキルと見た目インパクトの強み 先に引用した「Yahoo!ニュース」のインタビューでフワちゃんは、このようにも語っていました。 「海外で爆売れしたいの。(中略)絶対世界で売れるキャラクターだと思う」 世界進出して、動画配信サービスNetflixで番組をやりたい、という大きな野望がある彼女。帰国子女で英語スキルは抜群。その姿は、たびたびバラエティー番組などで見かけます。 2021年4月現在フワちゃんは27歳。10代半ばの頃にTwitterやiPhone、YouTubeが日本に登場し、情報通信技術(ICT)を駆使して日本のみならず世界中と気軽につながれることを若くして体験してきた世代です。 この世代にとって「世界進出」とは、壮大な野心という往年の感覚よりもむしろ、現在の目標の延長線上といったより身近なものになっているとも言えそうです。 最近では、タレントの渡辺直美さんが活動の拠点をアメリカに移すことが話題になりましたが、見た目のインパクトや第一印象ではフワちゃんも決して引けを取りません。 彼女の夢である「『Fuwachan』が動詞として世界に認知される」日も近いかもしれません。 八王子が育てた奇才YouTuber八王子が育てた奇才YouTuber いつ見ても、楽しい・明るい全開のフワちゃん。そのキャラクター性に対してときには視聴者からの批判も受け止めつつ、委縮することなく独自のポジションを築き上げています。 決して媚びず、フラットな態度を貫く覚悟。そして、感情をストレートに表現する一方で絶妙ににじませる相手への気遣い。そういった姿勢が、大御所タレントや制作側などの業界人に受けているのでしょう。 賃貸サービスの「ハウスメイト」のテレビCMでは、プライベートでも仲良しの指原莉乃さんとCM初共演を果たした(画像:ハウスメイトパートナーズ) 彼女の出身地である八王子市は、冗談半分でしばしば「ヤンキーが多い」などと言われることもある街です。ただ、それは地元や仲間を大切にする人が多いという意味でもあるよう。フワちゃん自身も、2021年1月に放送された『爆買い☆スター恩返し』(フジ)で地元の恩師や友人との交流を見せていました。 日本が誇る高尾山など自然豊かな環境、ドン・キホーテなど便利な商業施設、そして地元の人間関係が深いといった八王子ならではの特長は、フワちゃんのキャラクターにどのような好影響をもたらしたのでしょうか。 2020年、彼女はエンタメ業界を席巻した文句なしのトップランカーでした。2021年も引き続き大活躍を見せてくれるのは間違いないはずです。
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