読書の秋でございま~す! 本好き「サザエさん」が出没しそうな都内の個性的な書店5選

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読書の秋でございま~す! 本好き「サザエさん」が出没しそうな都内の個性的な書店5選

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中村スバル

ウェブライター、作曲家

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国民的アニメ作品『サザエさん』。主人公のサザエさんは、読書が趣味の24歳。好奇心旺盛で行動力のあるサザエさんが出没しそうな東京都内の書店を五つ厳選して紹介します。

実は読書家、世田谷在住サザエさん

 日曜の夜といえば、『サザエさん』(フジテレビ系、18時30分~)。子どもから大人まで、誰もが知っている国民的アニメ作品のひとつです。

 1969年(昭和44年)10月5日の放送開始以来、50年以上にわたって続けていることもあり、サザエさんを見ることが日曜夜のルーティン化している人も多いのではないでしょうか。

国民的作品『サザエさん』。主人公のサザエさんは読書好きな24歳(画像:(C)長谷川町子美術館、朝日新聞出版)



 のどかでのんびりした郊外に暮らしているイメージのあるサザエさん一家ですが、実は東京23区でも人気のエリア、世田谷区在住という設定。東急田園都市線の桜新町駅を降りると、一家の銅像が出迎えてくれます。

 サザエさんといえば常に弟のカツオをしかって走り回ったり、家事でおっちょこちょいをしでかしたりと騒がしい印象がありますが、何を隠そう趣味は「読書」。そんなサザエさんがつい足しげく通ってしまいそうな特徴的な書店が、東京都内にはいくつもあります。

 そこで今回は、読書家のサザエさんがいかにも出没しそうな、特徴と個性のある都内の書店を紹介します。

1. 神保町「悠久堂書店」

 まず紹介するのは、千代田区神田神保町にある悠久堂書店です。

 最寄りの神保町駅へは、サザエさんの住む桜新町駅から乗り換えなしで約25分。「ちょっとそこまで」という感覚で神保町へ出られるのは何ともうらやましい限りです。

千代田区神田神保町の「悠久堂書店」(画像:(C)Google)



 1915(大正4)年の創業以来、100年以上にわたってこの地に店を構える老舗。美術書や動植物の本のほか、ほかでは取り扱っていないような「料理本」が多数そろっているのが特徴です。プロの料理人も通い詰めるほどだとか。

 サザエさんは掃除、洗濯、裁縫と家事全般をこなすうえ、料理は毎日作っています。悠久堂書店でまだ見ぬレシピ本に出合えば、テンションが上がるに違いありません。

 得意料理は酢豚であると紹介した放送界もありましたが、献立決めに迷う日が多いサザエさん。悠久堂書店にある世界中の料理本を読めば、アイデアが尽きることはないでしょう。

 店主は食通として知られているので、磯野家の食卓にはどの料理本がおすすめかを聞いてみるのも良いかもしれません。歴史を感じる店のたたずまいに、サザエさんも魅了されるはずです。

2. 神保町「マグニフ」

 続いては、同じく千代田区神田神保町にあるマグニフです。同店の特徴は、雑誌をテーマにした古書店であるという点。

千代田区神田神保町の「マグニフ」(画像:(C)Google)



 国内外のファッション雑誌バックナンバーを中心に取り扱っており、今では手に入らないレアなものも販売しています。過去のファッション雑誌も多数置いてあるため、50年代、60年代、70年代と、年代ごとのファッションを学びたい人にはまたとない貴重な古書店です。

 実はサザエさん、自分や家族の洋服を自作するほど裁縫が得意なファッション好き。洋裁や編み物のの内職をしていたこともあります。

 同店にあるヨーロッパなどのファッション雑誌からインスピレーションを得て、新たな洋服を作ることができるかもしれません。おしゃれでヴィンテージな雰囲気があふれる店内に、サザエさんの心も躍ることでしょう。

3. 神保町「羊頭書房」

 さて、神田神保町でさらに足を延ばして今度は、羊頭書房へ。こちらはSFや推理小説を中心に販売しており、手品や囲碁将棋などの趣味に関する本も豊富です。

千代田区神田神保町の「羊頭書房」(画像:(C)Google)



 サザエさんの趣味は読書ですが、なかでも特に好きなのは推理小説。同店には、サザエさんが好きそうな推理小説がたくさんあるのです。

 日本の作品だけでなく、海外作品の洋書版も多数。

 サザエさんは学生時代、英語が得意で、作中では英会話の勉強をするシーンも描かれています。口頭でのコミュニケーションはあまり上手ではないようですが、文章を読む方がこなせるようです。

 勉強熱心で好奇心旺盛なサザエさんなら、勉強も兼ねて英語の推理小説を読むのではないでしょうか。推理小説が好き、英語学習にも意欲的。そんなサザエさんにおあつらえ向きの古書店と言えそうです。

4. 渋谷「Flying Books」

 神保町駅から東京メトロ半蔵門線で6駅戻って渋谷へ。駅から徒歩数分のところにある渋谷古書センター(渋谷区道玄坂)2階に、続いて紹介する古書店Flying Booksはあります。

渋谷区道玄坂の「Flying Books」(画像:(C)Google)



 音楽、アート、デザインといったジャンルの本を中心に取り扱っており、近年おしゃれなスポットとして若者などを中心に注目を集めている店です。本を読めるだけでなく、音楽やコーヒーを併せて楽しむことも。流れる音楽はジャズ、ハウス、ヒップホップなど、センスが光るチョイスです。

 サザエさんは、音楽が好きで歌も好き。ママさんコーラスに所属したことがあり、仲間とテレビに出演した経験まであるのです。

 良い音楽を聴きながらおいしいコーヒーを飲み、音楽の本を読める素晴らしい空間。音楽好きなサザエさんにとってはたまらないはずです。

 不定期で音楽イベントも開催しているとのことで、サザエさんがノリノリで演奏を聴いている姿が目に浮かびます。また、同店もファッション雑誌も多数取り扱っています。1970年代のものも置いてあり、洋書も充実しています。

 サザエさんが好きなジャンルの本が勢ぞろいのFlying Books。リピーターになること間違いなしです。

5. 世田谷「エトセトラブックス BOOKSHOP」

 さて最後に紹介するのは、サザエさんの家がある世田谷区内の書店エトセトラブックス BOOKSHOP(同区代田)です。最寄り駅は京王井の頭線の新代田駅。渋谷駅からは5駅で約7分です。

 同店は、ジェンダーやフェミニズムに関する書籍を多く扱っているのが特徴です。

世田谷区代田の「エトセトラブックス BOOKSHOP」(画像:(C)Google)



 行動力のあるサザエさんは、原作で男女同権を訴えたり選挙演説を行ったりと、女性の社会参画に強い関心を持っています。

 専業主婦業をこなす一方で、探偵事務所やデパートなどさまざまな場所での勤務経験があり、社会との接点を広く持っている様子がうかがえます。同店の本にも関心を抱くのではないでしょうか。

読書の秋、いざ街へ!

 都内には、読書好きが行きたくなる魅力的な書店がいくつも店を構えています。それらの店内には、ひょっとしたらサザエさんがいるのでは……? と想像しながら足を運ぶのも楽しいかもしれません。

 読書の秋、新型コロナの感染予防対策を万全にしたうえで、街の書店へ繰り出してみてください。

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