都内で「春の絶景」が味わえる? 荒川線沿線を歩く 新庚申塚~早稲田編

現存する唯一の都電「荒川線」。三ノ輪橋停留場と早稲田停留場を結ぶ同線の沿線散歩について、サンポマスターの下関マグロさんが3回にわけて解説します。


新庚申塚停留場近くのユニークな名前の商店街

 かつて路面電車は東京の街を縦横無尽に走っていましたが、現在では都電荒川線を残すのみとなっています。

 荒川区の三ノ輪橋停留場から新宿区の早稲田停留場、まで停留場の数は30。各区の停留場の数は、荒川区が13、北区が6、豊島区が9、新宿区が2となっています。3回目となる本稿では、荒川線の豊島区から新宿区までの区間を歩きます。

 まずは、豊島区西巣鴨3丁目にある新庚申(こうしん)塚停留場、停留場の駅番号はSA20です。白山通りをはさんで早稲田方面のホームが東側、三ノ輪橋方面のホームが西側にあります。

早稲田方面へ向かう荒川線が白山通りを越えていく(画像:下関マグロ)



「お岩通り商店会」というちょっとユニークな名前の商店街があります。

 名前の由来は、巣鴨5丁目の交差点近くにある妙行寺(豊島区西巣鴨)に「東海四谷怪談」で知られる「お岩さん」の墓があるからです。妙行寺はかつて四谷にあったそうですが、こちらに移ってきたとのこと。お参りしてみるのもいいかもしれません。

「巣鴨地蔵通り」は旧中山道

 また、白山通り北西方向約300mのところに都営三田線の西巣鴨駅があり、乗り換えができます。

 次の庚申塚停留場すぐの場所に、「巣鴨地蔵通り商店街」があります。JR巣鴨駅から少し歩いた場所に商店街の名前が書かれたゲートがあります。そこから780m続く、けっこう長い商店街です。

「巣鴨地蔵通り商店街」の入り口の様子(画像:写真AC)

 この地蔵通りは旧中山道で、板橋宿の手前にある立場(たてば。休憩所)として江戸時代からにぎわっていたそうです。

ホーム内に甘味所がある停留場も

 商店街の出口あたりが庚申塚停留場で、近くには巣鴨猿田彦大神庚申堂(豊島区巣鴨)があります。こま犬ならぬ神猿が一対、入り口にいるのがユニークです。お参りをしてみるのもいいかもしれませんね。

 商店街には飲食店なども多数ありますが、ぜひ訪れたいのが三ノ輪橋方面のホームから直通で行ける「いっぷく亭」(同区西巣鴨)という甘味所です。おはぎが有名ですが、焼きそばもおすすめです。また、三ノ輪橋方面のホームに隣接して豊島区の公衆トイレがあります。

荒川線のホーム内にある「いっぷく亭」の外観(画像:写真AC)



 ここから次の巣鴨新田停留場への道は少しわかりづらく、三ノ輪橋ホームの裏側の道を行くと行き止まりになっています。こういう行き止まりに出会うのも、また散歩の楽しさです。

荒川線と山手線の姿を同時に見られる大塚駅前停留場

 早稲田方面のホーム裏側にあるスーパー脇の路地を進むと住宅街となり、そこを抜けると巣鴨新田停留場となります。さらに線路脇の道を進めば、商店が増えてきます。次は大塚駅前停留場です。

 大塚駅前停留場は、JR山手線大塚駅に接続しています。ここでは、荒川線と山手線の姿を同時に見ることができます。

大塚駅前停留場の上を山手線が通り過ぎる(画像:下関マグロ)

 大塚駅周辺にも商店街があり、個性的な飲食店が多くあります。飲食店はチェーン店から個人店までいろいろそろっているので、散歩しながらまわってみるのも楽しいのではないでしょうか。

50年以上前は別の名前だった停留場も

 大塚駅前停留場から向原停留場はまっすぐな坂になっていて、荒川線が真ん中を走ります。荒川区の区間のような感じなのですが、坂を走るため趣が異なります。特に例年5月に開催される「大塚バラ祭り」では、バラと荒川線の取り合わせもなかなかいい感じです。

大塚駅前停留場から向原停留場の間は、バラが見どころ(画像:下関マグロ)



 荒川線は、向原停留場から春日通りを越えて進みます。「日出優良商店会」という昭和で時間が止まったような商店街があります。

 この次の東池袋四丁目停留場は以前、「日出町二丁目」という名前だったそうです。改称は1967(昭和42)年。2系統の路面電車が走っていて、栄えた商店街だったようですが、今はシャッターが閉まったままのお店が多くなっています。

鬼子母神周辺は現在道路工事中

 雑司ヶ谷霊園(豊島区南池袋)を見ながら進むと、都電雑司ヶ谷停留場があります。

 以前は単に「雑司ヶ谷停留場」でしたが、副都心線の雑司ヶ谷駅ができたことで、頭に都電の文字がつきました。というのも、副都心線の雑司ヶ谷駅への接続は次の鬼子母神(きしもじん)前停留場になっているからです。

雑司ヶ谷霊園の脇(右側)を走る都電荒川線の様子(画像:(C)Google)

 このあたりは現在道路工事中で、荒川線は囲いの中を走っています。走っている音は聞こえるけれど、姿が見えないというところが多いです。線路はカーブし、明治通り脇の軌道に入っていきます。

歌になった「面影橋」

 学習院下停留場は、豊島区最南端の停留場です。駅番号はSA28。荒川線は神田川を越え、大きくカーブして新目白通りに入っていきます。

 桜の季節、荒川線に乗っていると車窓から桜並木を見ることができます。都電1日乗車券を買って、何度も往復したくなるほどの圧巻の景色です。新目白通りの真ん中を荒川線は走っていきます。次は新宿区の面影橋停留場。駅番号はSA29です。

面影橋停留場に止まる都電荒川線(画像:(C)Google)



 地方出身者の筆者(下関マグロ。サンポマスター)ですが、「面影橋」の名前は知っていました。及川恒平が歌う「面影橋から」(1972年)という歌がラジオから流れてきたのをラジカセで録音し、何度も聞いていたからです。筆者が中学生のころでした。

 その後、上京して、初めて荒川線の面影橋停留場を通ったとき、なんだか感動した覚えがあります。

神田川沿いを散歩するのもOK

 桜の季節、この面影橋停留場から、神田川にかかる面影橋あたりを歩いてみるのもいいかもしれません。ただし、桜の季節は人であふれています。

 というわけで、次は駅番号SA30の早稲田停留場です。早稲田停留場の最寄りの駅は東京メトロ東西線「早稲田駅」ですが、歩いて10分ほどかかります。

 早稲田周辺は学生街でもあり、散歩するには楽しい街です。あるいは神田川沿いを散歩してもいいでしょう。あるいは、荒川線でどこかの停留場まで乗っていくのも楽しいものです。

 皆さんも、荒川線の散歩に出掛けてみませんか?


【地図】第3回目のスタート地点「新庚申停留場」の場所をチェックする

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