東京人はなぜSNSに依存するのか? 「いいね」「炎上」が生み出す負のスパイラルと解決策

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東京人はなぜSNSに依存するのか? 「いいね」「炎上」が生み出す負のスパイラルと解決策

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ふくだりょうこ

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現代生活でもはや切り離せない存在となったSNS。ただ投稿・発信にとらわれ過ぎるあまり、多くの時間をSNSに費やしてしまうという側面も。人気ドラマ『着飾る恋には理由があって』を基に、ライターのふくだりょうこさんが課題点と解決策を探ります。

きょう最終回 ドラマ『着飾る恋』の場合

 川口春奈さん、横浜流星さん、向井理さんらの出演で話題となっているドラマ『着飾る恋には理由があって』(TBSテレビ系、火曜22時)。2021年6月22日(火)に最終回を迎えます。

東京に住んでいる人は特に「SNSに依存しがち」と言えるかもしれない。その理由とは?(画像:写真AC)



 川口さん演じる真柴くるみはインテリアメーカー「el Arco Iris(エル・アルコ・イリス)」の広報担当。インフルエンサーとしても注目を集めています。

 故郷である初島から上京してきたのは、「el Arco Iris」の社長・葉山(向井理さん)に憧れていたのがきっかけ。少しでも葉山の力になろうと、真柴は日々奮闘を重ねます。

 しかし、うっかり住んでいるマンションの契約更新を忘れてしまい、追い出されるハメに。そんなとき、真柴に救いの手を差し伸べたのは友人で人気フードスタイリストの早乙女香子(夏川結衣さん)。

 香子は自宅である表参道の高級マンションでオンラインカウンセラーの寺井陽人(丸山隆平さん)、アーティストの卵・羽瀬彩夏(中村アンさん)、そしてキッチンカー「Fuji Bal」の店主・藤野駿(横浜流星さん)とルームシェアをしていたのです。

 そのルームシェアに加わることになった真柴。ですがミニマリストで、スマートフォンさえ持たない駿とは衝突ばかりで……。

 東京という街で着飾り、見てくれている人を少しでも楽しませようとSNSの更新に励む真柴。でも、時にはその現実に疲れてしまうこともありました。

「憧れ」を体現する主人公の暮らし

 おしゃれなマンションでルームシェア、朝は犬(ボーダーコリー)のこうじと一緒に表参道をお散歩、そして職業はインテリアメーカーの広報でインフルエンサー。

 たくさんの憧れをギュッと詰め込んで具現化されたのが真柴、と言っても過言ではないかもしれません。まさにキラキラ。

 インフルエンサーの活動は、会社を盛り立てるためのひとつの手段。毎日3回決まった時間に会社のSNSを更新し、自分のインスタグラムも更新し、さまざまなことがSNSのためにあるような生活です。

 時間とSNSに追われている真柴の姿はどこか忙しなく、疲れているようにも見えます。

2021年6月22日22時から最終回が放送されるドラマ『着飾る恋には理由があって』サイトのスクリーンショット(画像:(C)TBSテレビ)



 物があふれている部屋の中で暮らす真柴に対し、駿は持たない生活。何かとスマホをにらめっこしている真柴のことが理解できません。

 それは駿に対する真柴も一緒。確かに今の時代、それも東京でスマホを持たない駿は少し異質な存在感を放っています。でも、今や、スマホを持たない、SNSをしない、というのはひとつの個性になっています。

情報に流され、大切なものを見失う?

 有給を取ってルームシェアメンバーとともに山梨へと行くことになった真柴。そのとき、駿にデジタルデトックスをしろとスマホの電源を切られてしまいます。

 最初は気になって仕方がなかったスマホの存在ですが、途中で諦めた真柴はどこかスッキリとした表情。スマホに向き合っていた時間の分、周りの人たちと話し、時間を共有する。それが真柴にとってはリフレッシュになったのかもしれません。

 ドラマがきっかけでSNSには、デジタルデトックスをしてみたという声も。しかし、苦戦したという人が多かったようです。それだけ、気づかないうちにスマホやSNSへの依存度が高くなっているのかもしれません。

SNSの反応はプラスばかりではない

 当たり前ですが、SNSの発信に寄せられるのは「いいね」ばかりではありません。

 撮影・投稿したバッグのデザイナーに盗作疑惑が出たことで、真柴のアカウントも炎上状態に。ひどい言葉が次々と投げかけられ、真柴はSNSの更新が怖くなってしまいます。

 最初は本当に、自分の好きなことを好きなように発信するだけだったSNS。しかし、今やひとつの大きなメディアとなっています。そのため、あちこちでさまざまな“炎上”が起こっています。

東京は、キレイなもの・すてきなものにあふれている。だからこそSNSにアップしたくなるという側面も(画像:写真AC)



 もはや、毎日誰かが燃えていると言っても過言ではないのかも。

 それなのに、どうして人は発信をしたくなるのでしょう。

 東京にはたくさんの興味を引かれるものがあふれています。そして、それを誰よりも早く見つけたい、発信したい。自分の発信を見て、違う街に住んでいる人に見てほしい。「いいね」って言ってもらいたい。

「いいね」が膨らめば膨らむほど、SNSに求めるものが大きくなっていくのかもしれません。

東京とSNSの親和性と危険性

 発信したいものがたくさんある東京。そしてその発信を見て、また東京に憧れを持つ人もいるでしょう。需要と供給が保たれていると言ってもいいのかもしれません。

SNSでは「いいね」だけでなく、思わぬ反応が寄せられることも(画像:写真AC)



 求められるから発信する。でも、そこには本当に自分が発信したいことが書かれているのでしょうか。

 炎上するから、というわけではなく、一度自分の言葉や、投稿したい写真を振り返ってみてもいいかもしれません。誰かに届けたいものなのか、多くの人に届けたいものなのか、自分が発信したいものなのか。

 見直すことで、自分の中で大切なもの、そして街の見方が今までと変わってくるかもしれません。

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