コロナ禍でも予約1000人超え 女性に人気「アフタヌーンティー店」が今なお都内で盛況なワケ

女性を中心に人気の「アフタヌーンティー」。数年前から注目を集め、コロナ禍でも人気は衰えません。オープン初日に1000人以上の予約が入ったという話題のお店も。その理由を、フードライターの笹木理恵さんがリポートします。


都内で増え続ける店舗

 たび重なる緊急事態宣言や、アルコールの提供制限などにより、飲食業界はかつてない大きなダメージを負っています。そうした中でも、堅調な集客が見込める業態として注目されているのが、アフタヌーンティーです。

アフタヌーンティー専門店として2021年3月にオープンした「アトリエプラン」(画像:笹木理恵)



 一昔前は、アフタヌーンティーを楽しめる場所といえば、ホテルのラウンジや紅茶専門店がメインでした。しかし昨今は、アフタヌーンティーの専門店が誕生したほか、ダイニングやレストランなどが昼の時間帯を利用してアフタヌーンティーを提供するケースも登場しており、気軽にアフタヌーンティーを楽しめる場所が増えています。

 以下、アフタヌーンティーの人気事例を紹介しながら、強さの理由を探っていきたいと思います。

レストラン発の専門店

 レストランが手掛けるアフタヌーンティー専門店として、2021年3月にオープンしたのが「アトリエプラン」(渋谷区恵比寿)。都内2店舗を展開する『ビストロプラン』の姉妹店です。

5000円のコースは、アミューズ、写真のケーキスタンド、最後にソルベという内容。ドリンクは18品が飲み放題(画像:アトリエプラン)



 メニューはアフタヌーンティーセットのみで、フリードリンク付き5000円と、ソムリエが選んだワインや、同社のシャルキュトリー(ハムやサラミなどの加工肉食品)などが加わる7000円の2コース。

 できるだけ既製品を使わない手づくりのおいしさにこだわり、「軽井沢ホテルブレストンコート」などで経験を積んだ菓子職人の田村史奈さんがシェフパティシエとして腕をふるいます。

 代表の中尾太一さんは、コロナ禍で飲食店の夜営業が厳しい中、昼の時間帯にある程度の単価を確保できる新たな業態として、アフタヌーンティーに着目。さらに、姉妹店のレストランと同様、「アトリエプラン」も週2回定休日を設け、スタッフの完全週休2日制を実現しています。

 実力のあるパティシエが、給与面の不安なく自己表現ができるという働き方の面からも、アフタヌーンティー専門店の可能性を感じます。

おうちで楽しむセットも提案

「カフェ ラ・ボエム」「権八」などを展開するグローバルダイニング(港区南青山)が運営するフレンチレストラン「ステラート」(港区白金台)では、コロナ以前の2019年11月から、昼間の時間の有効活用として、アフタヌーンティーをスタート。

 クリスマスやバレンタインといった季節ごとのアフタヌーンティーが好調で、コロナ以降も週末は予約がとれないほどだそうです。

 季節ごとにメニューが変わるためリピーターも多く、また発信力の強い若い女性の新規顧客を獲得できたことが、人気に結び付いたようです。

「ステラート」のアフタヌーンティーは、選べるタルティーヌ(フランス式オープンサンド)3種類に、季節のスイーツ9品、乾杯酒とフリーフローのドリンク(紅茶2品、ハーブティー4品)がつく3850円と、それにスコーンプレートがつく4500円、さらにお土産のバスクチーズケーキが1ホールつく5480円の3種類。

 タルティーヌには、自社工場で焼いたサワードウ・ブレッド(自然発酵させた酵母を使用したパン)を使うなど、レストランならではのメニューが工夫されています。さらに、ウエディングにも使われる非日常感あふれる空間の魅力や、ホテルなどに比べてリーズナブルな価格を実現している点も、人気の理由でしょう。

店で提供しているアフタヌーンティーの内容をテイクアウトで再現した「おうちdeアフタヌーンティーセット」。1980円~(画像:グローバルダイニング)



 自宅でアフタヌーンティーを楽しみたいというニーズに応え、バスクチーズケーキやガトーショコラなどの自家製ケーキの販売や、2021年2月からは「おうちdeアフタヌーンティーセット」の販売も開始しており、新しい取り組みでも注目を集めています。

 また、同社運営の「カフェ レガート」(渋谷区円山町)でも、15階にある眺望のよさを活かして昼の時間帯にアフタヌーンティーを提供しており、人気を博しています。

コンセプトは「世界一可愛い女子会」

 東京・表参道のアフタヌーンティー専門店「GingerGarden AOYAMA(ジンジャーガーデンアオヤマ)」(港区南青山)がプロデュースする「HAUTE COUTURE CAFE(オートクチュールカフェ)」(目黒区青葉台)も、いま若い女性に人気のアフタヌーンティー専門店。

 開業は2021年3月ですが、オープンを待たず700人以上が事前予約し、オープン日には1000人以上が予約したという話題のお店です。

「purple picnic afternoon tea」(3300円)。バスケットを用いた提供スタイルで、ピクニック感を演出。バスケットの中には、プチエッグバーガーや、トリュフマヨネーズのバーニャカウダなど(画像:オートクチュールカフェ)



 コンセプトは、「世界一可愛(かわい)い女子会」。アフタヌーンティーは、2か月ごとに変わるテーマに沿って構成されており、5~6月は「purple picnic afternoon tea」(3300円)。

 パープルピクニックというテーマに合わせて店内全体が藤の花で飾られており、かわいらしいムードに包まれながらアフタヌーンティーを楽しむことができます。

 アフタヌーンティーの楽しみは、料理の内容だけでなく空間にもウエートが置かれていますから、こうした独自の世界観は大きな武器になっていると感じます。

ゆったりとした空間、時間も魅力

 このようにアフタヌーンティーには、女性が大好きなキーワード要素がたくさん詰まっています。

「少量多品種」「ドリンク飲み放題」「フォトジェニック」「高級感」「非日常感」……。何より、堂々と2時間余りの時間を過ごせるというぜいたく。喫茶店のコーヒーとケーキだけでは、なかなかそうはいきません。

前述した「カフェ レガート」の店内。広々とした空間で、ゆったりとアフタヌーンティーを楽しめる(画像:グローバルダイニング)



 おしゃれな写真をSNSに載せるために訪れる人も多いですが、ゆっくりとお茶をしながらおしゃべりを楽しみたい女性にとって、アフタヌーンティーは手の届く範囲のぜいたくなのです。

 さらに、コロナで気軽に旅行にいけない中、近場のアフタヌーンティーで非日常感を味わいたいという人や、外食の機会が減る中で、せっかく行くならプチぜいたくを楽しみたいというニーズも掴んでいるようです。

 加えて、アフタヌーンティーはゆったりとした客席構成のところが多く、かつテーブルごとに提供されるスタイルなので、スイーツビュッフェなどに比べてコロナ禍での抵抗感が少ないと考える人が多いのも、選ばれる理由ではないでしょうか。


【画像ギャラリー】東京で話題の「アフタヌーンティー」をチェック(5枚)

画像ギャラリー

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