無料で混まない「夜景スポット」が都心にあった! 高層ビルと富士山の美しいコントラスト、いったいどこ?
都内の夜景スポットというと、有料、そして大勢の人たちで混んでいるといったイメージがあります。しかしなんと無料で、さほど混んでいないスポットもあるのです。日本夜景オフィス代表の中村勇太さんが解説します。東京は展望台夜景スポットの宝庫 言わずと知れた夜景都市、東京。色鮮やかなネオン看板がひしめく繁華街、水面に映り込む街明かりが美しいベイエリア夜景、東京タワーやレインボーブリッジのライトアップなど数多くのジャンルの夜景が詰まっています。 見上げる夜景もいいですが、やはり夜景鑑賞の定番といえば、タワーやビルから俯瞰する夜景でしょう。特に東京は高層ビルが多いため、展望台が数多く存在します。東京タワーや東京スカイツリーなど有名な展望台のほとんどが入場料が有料ですが、入場料が無料でも、美しい夜景が見られる夜景スポットが多数存在します。 今回は、東京でオススメしたい入場料無料の展望台夜景スポットのご紹介と、その魅力に迫ります。 高層ビルを背に、富士山のシルエットが浮かぶ●文京シビックセンター 展望ラウンジ 文京区役所が入居する高層ビル、文京シビックセンター(文京区春日)。東京ドームシティの隣にそびえ、外観は湯沸かしポットのような姿で、一際目を引きます。25階には一般開放された展望ラウンジがあり、ここから東から北、西にかけて夜景を望むことができます。 文京シビックセンター 展望ラウンジからの夜景(画像:中村勇太) 眼下には東京ドームシティのアトラクションがあり、遊園地特有のカラフルで鮮やかな夜景を見せてくれます。東方面には、東京スカイツリーがそびえます。東京スカイツリーまでの間には、高い建物がなく、タワーの麓からてっぺんまで綺麗に見ることができます。 ここから眺める夜景の最大の魅力は、南西方面にあります。夕方の時間帯であれば、都庁などが立ち並ぶ新宿副都心の超高層ビル群のバックに、富士山のシルエットが浮かび上がり、日本を象徴するような夜景を見せてくれます。 展望台では、夜間は窓ガラスに室内の照明が映り込み夜景が見にくいスポットもありますが、ここは窓ガラスが斜めになっており、映り込みが少ないクリアな夜景を楽しむことができます。 ビルの間からレインボーブリッジが見えるビルの間からレインボーブリッジが見える●恵比寿ガーデンプレイスタワー スカイラウンジ 渋谷区と目黒区にまたがる複合施設、恵比寿ガーデンプレイス(渋谷区恵比寿)。最寄り駅の恵比寿駅からは少々距離があるものの、歩く歩道・恵比寿スカイウォークに乗ればアクセスはスムーズです。 恵比寿ガーデンプレイスタワー スカイラウンジからの夜景(画像:中村勇太) クリスマスシーズンは、ゴージャスな装飾が特徴のイルミネーションが有名ですが、年間を通して楽しめる夜景が、恵比寿ガーデンプレイスタワーの38階にあります。38階はレストランフロアで、夜景を楽しめるレストランが並んでいますが、レストランに入らずとも夜景を楽しめるのがポイント。以前は、さりげない展望スペースでしたが、2016年に新名称「スカイラウンジ」としてリニューアルされました。名称も入口の雰囲気もまるで空港のラウンジの様です。 スカイラウンジに入るとまず目に飛び込んでくるのは、北東方面の夜景です。東京タワーや東京スカイツリー、六本木ヒルズなど東京夜景を象徴する光景が広がっています。東方面の先にはお台場エリアがあり、ビルの間からレインボーブリッジが見える一風変わった光景を目にすることができます。 無料の展望台は照明が明るい傾向にあり、窓ガラスへの映り込みで夜景が見にくいスポットも珍しくないですが、ここは照明が程よくライトダウンされており、夜景が見やすく美しさも際立ちます。 首都高が描くオレンジ色のカーブが輝く●タワーホール船堀 江戸川区にある船堀駅を降りると、一際高い建物が目に留まります。これは、タワーホール船堀(江戸川区船堀)という文化施設で、区民の憩いの場として親しまれています。 タワーホール船堀からの夜景(画像:中村勇太) その名の通りタワーとホールがくっついているような外観で、高さは115mあります。知名度は決して高いとはいませんが、ある番組で東京スカイツリー、東京タワーと並び都内三大タワーとして紹介されたこともあります。 展望台用のエレベーターには、エレベーターガールがいて、無料展望台では珍しい光景です。展望台に着くまでの間、エレベーターガールのガイドを聞きながら、これから目の前にする夜景に期待が高まります。 エレベーターを降りると、すぐに目の前に夜景が姿を現し、360度に渡る大パノラマの夜景が広がっています。東は市川方面で、低層ビルと住宅を中心として落ち着いた雰囲気。西は東京スカイツリーや超高層ビル群が輝く大都会のダイナミックな光景と、東西で対照的な夜景を鑑賞できるのが特徴です。特に、荒川沿いを走る首都高が描くオレンジ色のカーブが、夜景に美しさと動きを与え、ずっと眺めていても飽きないような光景を生み出しています。 このような方は無料展望台がオススメこのような方は無料展望台がオススメ ここまで、特にオススメしたい無料展望台スポットをご紹介させていただきました。もちろん、有料展望台でもオススメしたいスポットはありますが、特徴について見ていきましょう。有料展望台は近年、美しい夜景が鑑賞できること以外にも、体験型コンテンツやツアー、光の演出、エンタメ要素を取り入れる動きが活発化しています。 東京タワーの展望台「トップデッキ」からの夜景(画像:中村勇太) 例えば、東京タワーは2018年に特別展望台(現在は「トップデッキ」)がリニューアルされ、ガイド用の端末の貸し出し、ドリンクや記念撮影のサービス、豪華な内装など以前と比べ、姿と仕組みが大きく変わりました。 入場料も2800円と、リニューアル前の料金と比べ約2倍となりました。他の有料スポットも、リニューアル後にコンテンツを増やす分値上げを行っているスポットもあります。一方無料展望台は、派手な演出や体験型コンテンツはありませんが、静かな空間でシンプルに夜景を鑑賞することができます。 純粋に夜景だけを楽しみたいときは無料展望台へ また、ガイドブックなどで紹介されるような有名スポットは、有料でありながら週末には混雑することも珍しくありませんが、ここで紹介している無料スポットも含め、あまり混雑することはありません。 三軒茶屋のキャロットタワーの無料展望台からの夜景。(画像:中村勇太) 有料スポットを否定している訳でなく、東京タワーのトップデッキの入場料2800円も、内容を考えると十分妥当な金額だと感じます。ただ、純粋に夜景だけを静かに鑑賞したいのであれば、あえて混雑するスポットに行くのではなく、ここで紹介しているような無料展望台にも注目してみるのもいいのではないでしょうか。
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