歩くだけで息が切れる? 板橋区の「超でこぼこ地形」を走破してみた【連載】分け入っても低い山(4)
2021年7月1日
お出かけビルばかりが立ち並ぶ東京23区にも、実はいくつも山があるのをご存じでしょうか。ただし高さが「低い」という条件付きですが……。というわけで、低山評論家の二上山小鹿さんがあなたをゆる~くナビゲートします。
「板橋アルプス」を縦走
都心の山を歩く「都市登山」。そんな都市登山に慣れた、脚力に自信のある人なら、ぜひ試してほしいのが都心にある山の縦走です。縦走とは山の尾根伝いにいくつかの山頂を通って歩くことです。
そんななか今回目指したのは、板橋区の諏訪神社富士塚(下赤塚富士、板橋区大門5)から東武東上線の東武練馬駅方面。このルートは、板橋区の起伏を存分に楽しむことができるルートなのです。

登山前にインターネットでルートを確認していたら、この山々の連なりを「板橋アルプス」と表現している人がいました。とてもキャッチーですので、ぜひ普及してほしい言葉だと思いました。
ここで筆者からひとつアドバイスがあります。今回の縦走、もし脚力に自信がない場合は楽な方法を探しましょう。このエリアは路線バスも多いですが、より便利なのはシェアサイクルです。板橋区では2019年からシェアサイクルを導入。自転車は電動のため、辛くなったら自転車を借り、そしてまた返却して歩くということもできます。
断崖、堀、湿地帯に囲まれていたエリア
まずは、諏訪神社富士塚から威容を誇る森で知られる赤塚公園の方向へ。公園は断崖の険しさを備え、元々は赤塚城と呼ばれた城跡もあります。
赤塚城は室町時代の武将・千葉自胤(よりたね)によって築かれた城で、武蔵野台地の段丘の端にあります。現在は憩いの場になっている板橋区立郷土資料館(赤塚5)前の池は元々、城の内堀でした。
断崖と堀、そして北は湿地帯という要害(攻防上で重要な地点)は、荒川の水運や鎌倉道の陸運を抑える絶好の立地だといわれています。

しかし戦国時代を通じて戦乱の舞台になることはなく、豊臣秀吉の小田原征伐によって千葉氏は所領を没収されて滅亡したため、赤塚城は廃城となりました。
そうした経緯もあってか、城の遺構の保存状態は良好で、城好きに知られる名所でもあります。
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