真夜中3時の品川で、かわいそうな「女の幽霊」が乗ってきた話【連載】東京タクシー雑記録(8)

タクシーの車内で乗客がつぶやく問わず語りは、まさに喜怒哀楽の人間模様。フリーライター、タクシー運転手の顔を持つ橋本英男さんが、乗客から聞いた奇妙きてれつな話の数々を紹介します。


はだしの女性が手を挙げていた

 フリーライターをやりながら東京でタクシーのハンドルを握り、はや幾年。小さな空間で語られる乗客たちの問わず語りは、時に聞き手の想像を絶します。自慢話に嘆き節、ぼやき節、過去の告白、ささやかな幸せまで、まさに喜怒哀楽の人間模様。

さまざまな客を乗せて走る東京のタクシーのイメージ(画像:写真AC)

 今日はどんな舞台が待っているのか。運転席に乗り込み、さあ、発車オーライ。

※ ※ ※

 タクシー運転手をしていると、同僚同士、またはお客さんとの雑談で「幽霊を乗せたことはあるか?」という話になることがあります。そんなとき私は、ある体験を思い出します。

 ある夏の夜のことです。たしか金曜日の深夜。

 その日は昼から付いていませんでした。1日分の稼ぎを取り戻そうとやみくもに走っても振るわず。そろそろ仕事も終わるかという未明の3時過ぎ。場所は第一京浜国道沿い、品川区東大井です。

 白いパジャマ姿とおぼしき若い女性が、道端で手を振るようにしてこちらを見ています。30歳前後でしょうか。足元は……えっ、はだし? 車を寄せて止めました。

「お客さん、どうしてはだしなんですか?」

「さ、斎場まで行ってください」


【画像】東京3大「心霊スポット」を見る

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