『かりそめ天国』で有吉さんも言及! 昔住んでいた街を歩く「ノスタルジック散歩」の魅力とは

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『かりそめ天国』で有吉さんも言及! 昔住んでいた街を歩く「ノスタルジック散歩」の魅力とは

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下関マグロ

サンポマスター、食べ歩き評論家

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これまで何度も引っ越しを経験したことのある人は多いでしょう。でもかつて住んでいた場所に再び足を運んで楽しんだことのある人は少ないはず。サンポマスターの下関マグロさんがその魅力について解説します。

意外に皆さんやっている

 かつて自分が住んでいた街を再び訪れると、さまざまな思いが交錯します。今もまだ営業しているお店を見てうれしくなったり、別のお店に代わっているのを見て残念になったり……そんなノスタルジックな気分にひたれる散歩、皆さんはお好きでしょうか?

 以前、バラエティー番組『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系)で、お笑い芸人の有吉弘行さんがかつて住んでいたという下北沢を散歩した話を披露していました。

 有吉さんがよく行っていた床屋さんはとてもこじんまりしていたため、もう閉店したと思ってお店の前を通ったら、現在もしっかり営業していたそうです。中をのぞいてみたら、以前いた4人の店員さんは相変わらず働いていたとのこと。でも全員おじいさんになっていて、時の流れをしみじみと感じたといいます。

 マツコ・デラックスさんも同様に、かつて活気のあった商店街がシャッターだらけになっていてさびしい気持ちになったと話していました。

「ノスタルジック散歩」とは何か

 筆者(下関マグロ)もかつて住んでいた街を散歩するのが大好きで、個人的にそれを「ノスタルジック散歩」と呼んでいます。

建物は変わっても、道や坂は変わらない(画像:下関マグロ)



 昭和の終わり頃、20代だった筆者が住んでいたのは風呂なしの木造アパートでした。令和を迎える少し前にその場所へ行ってみたところ、アパートは鉄筋のマンションに代わっていました。

 マンションには恐らく立派なお風呂がついているのでしょう。筆者が住んでいた頃はお風呂がついていなかったので、近所の銭湯に通っていました。ちなみに、その銭湯も大きなビルに代わっていました。ただ、1階のコインランドリーは銭湯時代の面影を残しており、少しうれしかったです。

 パンやカップ麺をよく買っていたお店はコンビニエンスストアになっていました。そのようなことを確認するためだけに、数年に一度、かつて住んでいた街を歩き回っています。

始めたのは中学生時代

 筆者の「ノスタルジック散歩」の思い出は中学生時代までさかのぼります。

 中学生になって学校に慣れた頃、ふと「小学校は今どうなっているのか」と思い出し、自宅から歩いてみたことがあります。小学生時代の通学路を久しぶりに歩くのは、なんだかとても楽しかったものでした。

 歩いていると、

「自宅から学校までは結構遠かったなぁ」
「雪が降った日は大変だったなぁ」
「帰り道に道草をして公園で遊んでいたなぁ」

と、当時の思い出が次々とよみがえってきました。

大人になって見ると公園の鉄棒やすべり台もその小ささに驚く(画像:下関マグロ)



 高校生になった時、小学校の鉄棒を見に行きました。当時は誰でも小学校の校庭に入れたのです。小学生時代は高さが高かったのですが、成長した自分にはとても低くて、少し驚きました。

 大学生になって実家を出てひとり暮らしを始めましたが、帰省した時はやはり通っていた小学校まで散歩していました。ちょうどこの頃から小学校の門は閉ざされ、関係者以外は入れなくなっていました。

「次に住みたい街」から「かつて住んでいた街」まで

 大阪での大学生活を終えた後、東京へ。高校時代の同級生が荻窪にいたという理由で、荻窪に住むことに。就職活動は特にしていなかったので、就職先を探し、乃木坂にある出版社に就職しました。

 この頃、すでに「次に住みたい街」を想像しながら散歩していました。高円寺や下北沢などをよく歩き、不動産屋さんに貼ってある広告などを見てまわりました。その後10回以上引っ越しを重ねて、今に至ります。

 これだけ引っ越しをしたので、「かつて住んでいた街」の数はとても多くなりました。それから散歩や街歩きの記事をよく書くようになって、「ノスタルジック散歩」は本格的になりました。

 筆者が「かつて住んでいた街」で一番こだわっているのは道です。店が代わったり、建物が建て替わったりしても道や坂はほとんど変わっていないことがあります。そんな道を歩くのが好きなのです。

ガイドブックには載っていない楽しみ

 前述のように、筆者は「ノスタルジック散歩」についてこれまでさまざまなコラムを書いてきましたが、ひとつ気をつけていることがあります。

 それは、もうなくなってしまったお店について必要以上に書かないということです。もう行けないお店についてあれこれ書いても、読む人は関心を持てません。ノスタルジーは、個々の思い出の中にあるのです。

かつて住んでいた街は細かい道もよく知っているので歩くのが楽しい(画像:下関マグロ)



「かつて住んでいた街」は裏路地などを隅々まで知っているので、どこを歩いても楽しいです。時がたてば街の景色は変わり、かつて歩いた時とはずいぶん違う印象を受けます。そのような街を歩くのは、ある意味、散歩ガイドには載っていない、自分だけのひそかな楽しみともいえます。

 皆さんは「ノスタルジック散歩」をしたことはありますか? あるなら、ぜひその思い出を教えてください。

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