「バーコードがうまく読み取れない!」 導入進む「フル」セルフレジ、その課題とは

バーコードの読み取りから会計まで、すべてを客が行うフルセルフレジ。いったいどうすれば普及するのでしょうか。


3割強「スムーズにできるか不安」

 インターネット調査を手掛けるマイボイスコム(千代田区神田錦町)がこのたび、男女1万587人(40代から70代が84%)を対象に行った「フルセルフレジ」に関するインターネット調査で、多くの人が利用に不安を感じていることが分かりました。

セルフレジの利用風景(画像:写真AC)



 フルセルフレジとは、バーコードの読み取りから会計まで客がすべて行うセルフレジのこと。バーコード読み取りは店員が行い、客が精算機で会計をするタイプは「セミセルフレジ」と呼ばれ、スーパーマーケットが主な設置場所です。

 今回の調査で20%以上の回答があった「不安点」は、次のとおりです。

・慣れていないと、スムーズにできるか不安(33.0%)
・店によって操作方法や手順が異なる(26.7%)
・手順がわかりにくい、複雑(24.1%)
・わからないときやエラーになったとき、店員が不在だと困る(22.1%)
・店員を呼ばないと会計できないものがある(21.0%)
・バーコードの読み取りに手間取る、うまくできない(20.4%)

 マイボイスによると、フルセルフレジを毎回利用している層に対象を限定しても、「店によって操作方法や手順が異なる」「店員を呼ばないと会計できないものがある」と不安を感じているといいます。

求められる「5つの施策」

 今回の結果について、調査会社「NPD Japan(エヌピーディー・ジャパン)」(港区高輪)のシニアアナリスト・東さやかさんは「調査対象者に若い世代が極端に少ない(対象者の84%が40代から70代までの男女)。人口構成に合わせた調査をすれば、フルセルフレジに前向きなデータになるのではないか」と指摘しつつ、こう話します。

「そもそもスーパーのセルフレジ化は、人手不足と人件費高騰の対応として欠かせず、今後ますます増加するでしょう。来店者は一度使って便利だと感じれば、再び使うきっかけになるかもしれません」

フルセルフレジの利用に関する不安点(画像:マイボイスコム)



 そのきっかけ作りには、次の具体的な5つの施策が必要だと東さんは続けます。

・全ての商品に読み取りやすいバーコードを付けて簡易化する
・利用方法を分かりやすく提示する
・交通系、クレジット、その他アプリなどの支払方法を増やす
・「フルセルフレジを使うとポイントが多くもらえる」など、お得なキャンペーンを行い、来店者のお試し利用をうながす(吉野家がスマホ決済サービス「Origami Pay」で半額キャンペーンをやっていたのが好例)
・来店客を補助する店員を複数台に1人付ける

「買い物点数が多い場合などは、店員のいるレジの方が早く、客層や年齢によって、好みや順応性が異なります。そのため、各ニーズに合ったレジを選んでもらえるようにすることが満足度向上へつながります。買い物内容や客層によって『こちらが早い』と促すコンシェルジュ的な店員を置くのもいいかもしれません」

 人手不足などを背景に小売業で導入が進むセルフレジ。今後の動向からしばらく目が離せません。


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