今じゃ想像できない? 渋谷カルチャーの発信地「公園通り」にかつて陸軍刑務所があった
2021年2月7日
知る!TOKYO東京を代表する繁華街で、渋谷カルチャーの発信地「公園通り」に、かつて陸軍の刑務所があったことをご存知でしょうか。その歴史について、地形散歩ライターの内田宗治さんが解説します。
変貌を遂げる公園通り
渋谷駅に隣接する地では現在、大規模再開発が進行中です。駅周辺は高層ビルが林立する姿へとすでに変わりました。
渋谷でもう1か所、こちらは中規模程度ですが近年変貌を遂げているエリアがあります。駅方面から、渋谷パルコやNHK放送センター方面へと坂道を上っていく公園通り周辺です。
1980~1990年代、公園通り周辺は、渋谷パルコを中心にライブスポットや小劇場(山手教会地下の渋谷ジャンジャンなど)も含めて先端文化の発信地でした。公園通りを歩いていくとき、何か新しいものに出会えそうで、胸が高鳴ったものです。
その後は2016年にパルコが閉店するなど、エリアとしてやや精彩を欠いた感がありました。
渋谷にあった陸軍刑務所
2019年頃からこのエリアに転機が訪れます。
同年10月、公園通りの坂道を上りきった所にある渋谷公会堂の建て替えが完成し、会員制交流サイト(SNS)のLINEがネーミングライツを得てLINE CUBE SHIBUYAと名付けられました。渋谷カルチャーの継承と発信を掲げる大ホールです。
その隣、少し奥まった所では同年1月、地上15階建ての渋谷区役所新庁舎が完成、移転先から元の地に戻ってきました。そして11月、渋谷パルコのリニューアルオープンです。
これで元の役者がそろいました。公園通りには、LINEに対向するようにしてガラス張りのAPPLEショップもあり、店内のにぎわいがよく見えて目立っています。さまざまな新顔も現れているわけです。
こうした公園通り周辺も、昭和の戦前まではまったく雰囲気の異なるエリアでした。LINE CUBE SHIBUYAの隣(渋谷区役所などの地)にあったのは、なんと東京陸軍刑務所です。

隣接する神南小学校や渋谷税務署(渋谷区宇田川町)一帯まで、その敷地は広がっていて、高さ約3.6m(一丈二尺)のれんが塀で囲まれていました。今の公園通りは当時、渋谷駅から刑務所へと歩んでいく坂道だったのです。

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