東京で突然「所持金0円」になった私 体験して分かった住みづらさの正体とは【連載】大原扁理のトーキョー知恵の和(11)
2021年1月31日
ライフ何とは言えないのだけど何となく息苦しい。そんな気持ちでいる人へ、東京で週休5日・年収90万円台という「隠居生活」を実践した大原扁理さんに生き方のヒントを尋ねる企画「トーキョー知恵の和」。今回のテーマは「東京と『マニュアル』」です。
マニュアル通りの対応のラクさ
街のコンビニ、駅の自動改札、スマートフォンの電子決済――。現代の生活を支える「便利な仕組み」を、私たちは日々ほとんど意識することなく享受しています。でも、ある日突然そこから滑り落ちることは誰の身にも起こり得るもの。東京で週休5日・年収90万円台「隠居生活」を実践した大原扁理(おおはら へんり)さんが、“便利さの正体”について考えます。(構成:ULM編集部)
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私は23歳のときに愛知県の田舎から上京し、それから約8年間、東京で暮らしていました。
おのぼりさんの目に映る東京は、とにかく人が多い。なのに、街のつくりやお店でのサービスなど随所に機械が導入されて、全てマニュアルにのっとって運用されているから、バシバシとスピーディーに、膨大な人や目的が処理されていく。
スーパーでもセルフレジを使えば、人と話すのがめんどくさいときだって、ひと言も会話せずに生きていける。なんて便利な街なんだろう、と感動すらしたものです。
マニュアルライフはいい。マニュアルのいいところは、生産性や効率が上がり、時間は短縮され、サービスは安定し、そして属人性が低いからいろんな人が働けること。
しかし、暮らし方や立場が変わると、全く違う側面が見えてくることがあります。
上京してから約1年半後、私は高い家賃のために働いているような都心での生活がイヤになり、郊外の激安アパートに“逃亡”しました。それまで続けていたコンビニのアルバイトもやめ、障がい者介護の仕事をするようになりました。

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