高級家具がたったの1000円? 品川駅からバスで5分、「家具探しの超穴場スポット」を見つけてしまった

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高級家具がたったの1000円? 品川駅からバスで5分、「家具探しの超穴場スポット」を見つけてしまった

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アーバンライフメトロ編集部

大型家具や高級家具、お値段相場って一体いくらぐらいのものなんでしょう。正直、記者は知る由もありません。一生縁のないものと思っていたこれらの家具ですが、もしかしたら買えてしまうかもしれない穴場スポットが東京都内で発見されました。しかも、1000円(税込)からという超お値打ち価格で。え、いったい何でなんでしょう??

その正体は、港区運営の「リサイクル展」

 本革張りのカウチソファ、桐の和箪笥(たんす)、アンティーク調のローテーブル……。大型家具って憧れますけど、値の張るものが多くてめったに手が出せません。ましてや高級ブランドの品ともなれば、下手をしたら一生持つ機会がないという人だって少なくないはずです。

 そんな大型家具や高級家具が、なぜか1000円(税込)から売られている驚きスポットが東京都内にあることが判明しました。場所は、独自ルートで家具を激安に仕入れ販売するマイナー業者の保管倉庫……ではありません。港区港南にある「みなとリサイクル清掃事務所」の2階です。

家具店のショールームと見まがう可能性もある、港区の「家具のリサイクル展」会場(2019年11月25日、遠藤綾乃撮影)



 その名も「家具のリサイクル展」。

 展、と付くので期間限定の展示会なのかと思いきや、毎週日曜日と第3木曜日以外は開館している常設の展示スペースだそうです。

“売り場面積”約375平方メートルの広々としたスペースに、ソファやテーブル、シングルベッド、椅子、クローゼット、和箪笥、本棚、食器棚、キャビネット、テレビボード、鎌倉彫の小物入れまで、100点以上の家具が展示されていました。

 どれも新品と見まがうほどに上等ですが、実はこれらの家具は港区民が引っ越しなどの際に手放したものを清掃事務所が無料で引き取り、きれいにクリーニングしたうえで販売しているものなのです。

 販売といっても区の運営(業務は民間に委託)なので、もちろん営利目的ではなく「ごみの3R」すなわちリデュース(ごみを減らす)・リユース(再使用する)・リサイクルの普及・啓発が主目的。激安な価格設定の理由はそこにありました。

 港区というと富裕層が多く住むイメージがありますが、このリサイクル展にも誰もが知る超有名ブランドの品が出展されることが間々あるよう。それでも価格設定は「家具のサイズ」と「状態」に応じて1000円から最高でも1万円というのですから、どう考えてもお買い得。

 どんな家具がどのくらいのお値段で売られているのか、俄然気になってきました。

安心の明朗会計。さすが行政のお店。

 設定価格は全部で9種類。家具のサイズ(大・中・小の3段階)と、状態(特に良い・良い・普通の3段階)で評価して決めているそうです。

 たとえば……。高さ・幅の長さの合計270~359cm(サイズ大)で、状態が「特に良い」ものは、最高値の1万円で売りに出されます。

 以下、

サイズ大・品質良い = 6500円
サイズ大・品質普通 = 3000円

サイズ中・品質特良 = 7000円
サイズ中・品質良い = 4500円
サイズ中・品質普通 = 2000円
 (中……高さ・幅の長さの合計180~269cm)

サイズ小・品質特良 = 4000円
サイズ小・品質良い = 2500円
サイズ小・品質普通 = 1000円
 (小……高さ・幅の長さの合計 ~179cm)

と明朗会計(すべて税込)。

 家具の「状態」をランク付けするのはリサイクル展の運営職員たちですが、「B」と評価づけされた家具でも使用面・見た目面ともにほとんど難を見つけられない美品ばかり。重厚で大型の洋服ダンスや本革ソファが数千円ほどで並んでいるのを見ると、ついつい手を出したくなってしまいます。

 もちろん、誰でも購入することができます。

リサイクル家具の価格設定表。何とも明朗会計(2019年11月25日、遠藤綾乃撮影)



 区職員の鈴木さんによると、リサイクル展は2014年度からスタート。毎年度5000人前後が訪れるといいますが、これだけのお得感を考えるとまだまだ「知る人ぞ知る穴場スポット」といえそうです。

 一方、区が区民から引き取る家具の数は毎年度1400点前後。そのほぼすべてで買い手が決まるとのことで、2018年度は引き取り1385点のうち1356点が買われていきました。販売価格の473万円は、港区の一般歳入として計上されたそうです。

 家具の引き取り依頼が多い時期は、やはり引っ越しシーズンである2~4月ごろ。区民から引き取りの申し込みがあると職員が自宅へと査定に出向き、後日あらためて引き取り作業のため来宅。家具はリサイクル事務所のバックヤードに運び込まれて、きれいにクリーニングしたのち“売り場”に展示するという流れです。

思わずどよめきが起こった、7人掛け本革ソファ

「引っ越し先の新居が手狭になるから大型家具を手放したい」という人がいたり、「新しい家具に買い替えたから、古い(実際は全然古くない)家具はもういいの」というリッチな事情で手放す人も。これは港区ならではの実情かもしれません。

 以前、本革張り7人掛け大型ソファが美品状態で事務所へ運び込まれた際には、職員たちからも思わず「おおー」という声が漏れたといいます。そしてそのソファもきっちり買われて行ったと言いますから、なかなか。そんなサイズのソファを運び込める自宅を持っている買い取り手の方も、相当リッチな気がしてなりません。

こちらは幅122cm、奥行き38cm、高さ96cmの大型サイドボード。堅牢な造りで状態も良し。これが2000円とは信じがたい(2019年11月25日、遠藤綾乃撮影)

 現在どのような家具が売り場に並んでいるのかは区のホームページのリンク先にもアップされているので、売り場を訪れる前にチェックすることもできます。

出会いがしら? はたまた宝探し?

 職員の男性が強調していたのは、「リサイクル展を運営する目的は、何といっても区内ごみ量の削減です。まだまだ使える家具を廃棄してしまうのは本当にもったいない。ですから、『欲しい』と思っている人に品物をつなぐのが私たちの役割です」

 そして今後の課題といえば、リサイクル展の認知度をより高めていくことだそう。「来場者のなかには何度も足を運んでくれているリピーターの人もいますが、まだまだ知らない人の方が多いのが現状です。もっと多くの人に利用してもらえるよう広報などに力を入れていきたいと思っています」

 取材にお邪魔した2019年11月25日(月)午前中、目黒区在住という男性会社員(50歳)が椅子を探しに訪れていました。

 前月まで港区に住んでいたといい、リサイクル展に足を運ぶのはもう10回めぐらい。「街のお店もネットの通販サイトも使うけど、このリサイクル展はそれらと並ぶ選択肢のひとつ。ここは足しげく通うと、ときどき思わぬ出会いがあるから面白いね。掘り出し物を探す感覚です。ドンピシャないいものを買おうと思ったら普通の店やサイトだけど、ここはニア(希望に近い)なものを安く手軽に買いたいときにちょうどいい」

 ちなみに記者は、ずっと自室に欲しいと思っていた花瓶置きのイメージにかなり近い「電話台」を見つけました。幅・奥行きそれぞれ31cm、高さ77cmの木製で美品。これで税込1000円ですよ。思わず衝動買いしてしまいました。

小型家具は安さ爆発でとくに狙い目。記者は、写真右端に写っている電話台が1000円だったので思わず衝動買いしてしまった(2019年11月25日、遠藤綾乃撮影)



 高級家具が本当に1000円で買えるの!? という驚きに押されて出かけてはみたものの、それ以上に、家具との出会いが面白かった今回の取材。いつ訪れるかによって、出会える家具が変わるのも面白ポイントかと思います。公共交通で行くならJR品川駅から都営バスで5つめのバス停「港南大橋東詰」が最寄り。乗車時間は5分程度です。あなたも思わぬ出会いに期待して、リサイクル展へ出かけてみませんか?

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