私学で初の法律科を設置 米国留学のエリートが設立した「専修大学」とはどのような大学なのか

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私学で初の法律科を設置 米国留学のエリートが設立した「専修大学」とはどのような大学なのか

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中山まち子(教育ジャーナリスト)

日東駒専の大学群でおなじみの専修大学は、都内の大学の中でも屈指の歴史を誇る私立大学です。教育ジャーナリストの中山まち子さんが解説します。

私学で初の法律科を設立

 東京の有名大学は、早慶(早稲田大学、慶応義塾大学)、MARCH(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)など、大学群で呼ばれることが多くなっています。

 そんななか、ここ数年の私大定員厳格化の影響で存在感を増しているのが、日東駒専(日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学)です。

専修大学の神田キャンパス(画像:(C)Google)



 特に専修大学(千代田区神田神保町)の前身となる専修学校は、私学で初の法律科を擁する学校として、1880(明治13)年9月に誕生しました。

 しかも同時に設置された経済科は日本初という、先駆者としての1面も持っています。そんな専修大学の現在の学部・学科は、

●経済学部
・現代経済学科
・生活環境経済学科
・国際経済学科
・経済学科(2020年度で募集停止)

●法学部
・法律学科
・政治学科

●経営学部
・ビジネスデザイン学科
・経営学科

●商学部
・マーケティング学科
・会計学科

●文学部
・日本語学科(2020年度以降の入学者は国際コミュニケーション学部に編入)
・日本文学文化学科
・英語英米文学科
・哲学科
・歴史学科
・環境地理学科
・ジャーナリズム学科(2019年度に人文・ジャーナリズム学科を改組)

●ネットワーク情報学部
・ネットワーク情報学科

●人間科学部
・心理学科
・社会学科

●国際コミュニケーション学部
・日本語学科
・異文化コミュニケーション学科

の8学部20学科、学部生は1万6722人(2020年5月1日現在)です。

2020年4月で創立140周年

 専修大学には神田キャンパス(千代田区神田神保町)と生田キャンパス(川崎市)のふたつがあり、法学部と商学部と国際コミュニケーション学部は神田キャンパス、その他の学部は生田キャンパスにあります。

専修大学の生田キャンパス(画像:(C)Google)



 神田キャンパスはこれまで法学部のみでしたが、2020年4月に創立140周年を記念して新たな校舎が開校。地上16階の都市型校舎の誕生で、学部集約を進めています。

米国留学したエリート4人が設立

 明治時代、欧米各国の技術や法律を取り入れて近代国家へと突き進んだ日本は、優秀な若者たちを海外に留学させました。

 専修大学の創始者は、ハーバード大学やイェール大学といったアメリカの名門大学で法律や経済を学んだ、相馬永胤(たね)、田尻稲次郎、目加田種太郎、駒井重格の4人です。

 帰国後、彼らは自らが学んだ大学のような高等教育機関を設立すべく行動を開始。法律科と経済学科を持つ専修学校を開校したのです。

 官立・東京法学校(後の東京大学法学部)や私立・東京法学校(後の法政大学)など明治期に創立した法律学校は、英語やフランス語で講義を行うスタイルが初め主流でしたが、専修大学は日本語で英米の法律を勉強する手法で人気を集めました。

 学生が急増したため、1885(明治18)年に現在の神田キャンパスの地に移転。大学の門が黒色だったため、別名「黒門」と呼ばれるように。その黒門は創立130年記念事業として2010年に復元されています。

法律学校なのに法律科が廃止される数奇な運命

 専修学校の開校後、欧米留学した他のエリートたちも同様に法律学校を設立していきます。同校からほど近い神田錦町には、同じくイギリス系の英吉利(イギリス)法律学校(後の中央大学法学部)が1885年に誕生しています。

 しかし民法典を巡る司法界や政治界を巻き込んだ論争がぼっ発したため、法律科そのものへの志願者が減少。専修学校は1893(明治26)年、法律科の生徒募集を停止し、法律学校としての役目を一度閉じました。

 その後、経済科を中心に高等教育機関としての役割を担っていきますが、大学令により1922(大正11)年に大学を認可を受けたことをきっかけに、法学部を5年後に設置。現在に至ります。

学校の長い歴史は就職活動で強みに

 日本国内の大学でも有数の歴史を誇る専修大学は現在、学生の就職支援に力を注いでいます。キャリアデザインセンターをふたつのキャンパスに設置し、学年に関わらず学生の相談窓口を設けています。

 2019年度卒業生の就職希望者の就職率は96.8%で、銀行や官公庁といった公務員、IT企業など、大学生から人気の高い職種に就職しています。

 同センターの特徴は、サークルやゼミの仲間と一緒に参加できる予約不要のグループ相談「インターシップ・就職相談」です。

「ひとりで行くには敷居が高い」と感じる学生の気持ちを理解し、多くの学生が気軽に利用できるシステムを提供。予約制の個別相談はキャリアだけではなく、学生生活やゼミに関する悩みなど幅広い内容を相談できます。

 専修大学は歴史ある大学である一方、時代のニーズに合わせた学部・学科の設置や改組を行っています。

専修大学のウェブサイト(画像:専修大学)



 専修大学は1960年代、文系学部としては初となるコンピューター導入や日本初となる経済学部、ジャーナリズム学科を設置してきました。

 令和の時代になっても、今後の飛躍に期待が寄せられます。

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