止まらない少子化社会が生み出した「小1プロブレム」とは何か? 解決に挑む江東区・杉並区の取り組みとは
2020年9月13日
ライフ1990年代後半から問題視されてきた「小1プロブレム」について、江東区と杉並区が積極的な取り組みを見せています。教育ジャーナリストの中山まち子さんが解説します。
幼保小連携のきっかけは2010年
「幼保小(幼稚園・保育所・小学校)」もしくは「保幼小」と、自治体によって表現は異なりますが、幼児期から小学校へのスムーズな進学を重要視する動きが広まっています。
文部科学省は2010(平成22)年、「幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の在り方に関する調査研究協力者会議」と題する会議を計10回開催しました。
「幼児期から大学までの体系的な教育の実施」を掲げたこの会議では、幼稚園や保育所を卒園したばかりの子どもたちが、小学校入学後に混乱せず学べるにはどうすべきかを取り上げています。
幼稚園と保育所は幼児が初めて保護者から離れ、集団生活を行う場であるため、子どもに遊びを通じて学ぶ姿勢を身につける重要な役割を担う接続機関として役割を求めたのです。
文部科学省が戦後長らく続いていた幼稚園と保育所のシステムに新たな役目を与えようとした背景には、1990年代後半から問題視されてきた「小1プロブレム」があります。
小1プロブレムの解決を目指して
小1プロブレムとは、先生の話を聞けない、授業中にウロウロするといった、小学校1年生の問題行動です。

入学後にこの問題を解決しようとすると、多くの時間と労力がかかります。文部科学省は幼稚園や保育所と小学校との連携を深めていくことで、園児から児童へのステップアップをクリアできると考えたのです。

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