板橋区の「人気商店街」が消滅危機――大規模開発と住民生活に揺れる現場から
2020年9月13日
知る!TOKYO板橋区にある「ハッピーロード大山」は、東京都内でも有数のにぎわいを見せる地域密着の大型商店街。その場所が今、大規模な再開発計画に揺れていると言います。フリーライター荒井禎雄さんの報告です。
にぎわい絶えなかった商店街の苦境
板橋区の「ハッピーロード大山」といえば、
・戸越銀座
・十条銀座
・砂町銀座
の「三大銀座」に匹敵する、都内有数の活気あふれる商店街です。
全長約500mのアーケード商店街で、商店数200店舗以上、1日の商店街利用者は約3万5000人、周辺人口は数万人、商店街に内包されている東武東上線大山駅の1日の乗降者数は5万人以上と、廃れる要素の少ない将来安泰な商店街と見られていました。
ところが、この商店街は今、「大規模都市開発」により廃れるどころか消滅の恐れすら抱えているのです。
大山地区の再開発は複数のプロジェクトが同時に進行しており、このまま計画が進められれば、ハッピーロードは半分ほどの長さになってしまう可能性をはらんでいます。
今回はこの大山の再開発についてのお話です。
三つの再開発計画が同時進行
大山で動き出している再開発計画は、大きく分けて次の三つです。
1.補助第26号線の延伸
2.東武東上線の高架化
3.駅前広場の建設
●補助第26号線の延伸
補助第26号線とは、すなわち都道420号線鮫洲大山線のこと。鮫洲大山線は1946(昭和21)年に計画された都道で、長らく眠っていたものがこのたび全面開通すべく急ピッチで動き出しました。
鮫洲大山線は、品川区の大井1丁目から板橋区の仲宿交差点に至る20m道路(車道9m、歩道5.5m×2)ですが、最後の300mほどが通せずにいました。そこにハッピーロード大山があるからです。
過去には商店街の商店主や住民の9割が道路建設に反対し、計画が頓挫したこともありました。
今回この26号線が現状の計画通りに延伸されると、ハッピーロードの川越街道寄りの半分はその場所での営業が難しくなります。
中には立ち退かずに済む商店もありますが、商店街が大型道路で分断され、離れ小島のようになった場所に立地することになり、これまで通りの商売とはいかなくなるでしょう。

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